初の街探索
『カランコローン』
目の前には瓶詰めされた色とりどりの瓶が並んでいた。
初めて来たけど、凄い怪しげな感じだなぁ。
「いらっしゃいませー! 何かお探しですかー?」
うおっ。NPCの筈なのに仕草に違和感がないなぁ。一体どうやって動いてるんだろう。
ぼーっとしていると
「お客様? 大丈夫ですか?」
「あっ!ゴメンなさい!なんでもないです!大丈夫です!」
「な〜に見惚れてんのよぉ。早く回復薬買いなさいよ!……ジッと瓶を見てれば上に薬の名前が表示されるから、店員さんに持っていくのよ。……はい。これが回復薬よ」
おぉー。モー二が優しい。
「あぁ。サンキュー」
回復薬を二個受け取り、店員さんに手渡す。
「これ、お願いします」
「はい。一本1000マーニなので、合計で2000マーニになりま〜す」
えっ。これ、お金どうやって出すんだ?初期で5000マーニはあるから、あるにはあるけど……。
「2000マーニ払おうと意識してみて。手元に出てくるから」
2000マーニ払うよぉー。……おっ。手元に出てきた。
「はい。これでお願いします」
「ありがとうございましたー! またお待ちしてますねー!」 パチンッ
『カランコローン』
店を出たところで、ガントとイブが待っていた所に合流する。
ウインクされちゃったよ。かわぃ……なんか隣から黒いオーラが……
「あんのNPCなんなのよ……」
めっちゃ不機嫌〜。ガントが寄ってきて
「えっ。なんで不機嫌なの!? おまえ何した!?」
「おれは、何もしてないよ。店員さんにウインクされたの」
なんで、あんなことされたんだろ。不思議だなぁ。特別なにかしたわけじゃないんだけどなぁ。
「あ〜。NPCからの好感度が良かったんだな。丁寧な言葉遣いとかで対応してると、好感度があがって特殊な反応したりするんだよ」
そんなことあるのかぁ。すごいなぁVRMMOっていうのは。
「他にもなんか買っておいた方がいい物とか必要な物ある?」
「後は無くても大丈夫だけど、少し街を案内してやるよ! そうだ! 冒険者ギルドに登録しておこうぜ!」
しばらく歩くと剣が二つ交わっているマークのある建物が見えてきた。
「ここが、冒険者ギルドだ!クエストこなしたりすると、金が貰えるんだ!」
中に入り、受付にいる女の人に声を掛ける。
「すみません。冒険者登録したいんですが」
「こんにちは。冒険者登録ですね。……はぃ。完了しました。クエストを受ける際にはお気をつけて。」
クエストの掲示板を眺めると、色々あった。グリーンウルフの毛皮とかホーンラビットの毛皮とかが多いなぁ。しばらく見ていると
「登録は終わったか!? 終わったなら他を見て歩こうぜ!」
4人でしばらく街を探索するのであった。