夏のイベント2
「挑発!!」
「身体強化!!」
前衛のガントとフーマが前線を維持するように戦っている。
「あんまり前に出過ぎないでよ!囲まれるわよ!」
「「おぅ!!」」
モー二の指示通り前に出すぎないように注意しながら敵を倒していく。
「そっち抜けた!」
ゴシャ!!
うち漏らした敵をメイスでモー二が粉砕する。
「ダークウェーブ」
イブの魔法で遠いところの敵も片付けていく。
「みんな。なるべく温存するぞ。長期戦になるからな。」
フーマが声をかけながら敵を倒していく。
『ズドォォォォォン』
遠方で凄まじい音がする。視線をそちらへ向けると、モンスターが空中に舞って光の粒子に変わっていく。
あれは、トクラさんかな?この前のモンスター吹き飛ばしたやつやったんだなぁ。ホントにすげぇや。
内心自分の事のように嬉しい気持ちになりながらモンスターを倒していく。
どのくらい時間が経っただろうか。
ひたすら倒し続けたフーマは集中力が切れかかっていた。ガントが叫ぶ
「フーマ!もう少しで午前の部が終わる!温存する必要はねえ!思いっきり行け!」
「おう!!」
気合を入れ倒したフーマは全力を出す。
「身体強化!身体加速!」
「そして、風神!!」
フーマの周囲一体が暴風に包まれる。
「フッ!!」
敵陣ど真ん中に突っ込む。
「ハァッ!」
気合いを入れて中段突きを放つと
ズバァンッ!!
目の前のモンスターの塊が宙を舞う。
指導の成果で技のキレが増したのだ。
「セイヤァ!!」
周囲を巻き込むように回し蹴りを放つ。
ドパァンッ!!
周囲のモンスター全てが吹き飛ぶ。
「ははっ。やべぇ。テンション上がってきた。」
拳を突き出し、足を振り抜く度にモンスターの塊が吹き飛んでいく。吹き飛んだ先から光の粒子に変わる。
空気が
変わった。
『ガァァァァァァーーーーー!!』
遠くから咆哮が聞こえる。
見ると一つ目のデカいモンスターがいた。
「なんだあれ?」
フーマが呟くとガントが叫ぶ
「あれは、サイクロプスだ!かなりデカいぞ!」
「なによあれ!あんなの倒せるわけ!?」
「あれ。無理。では?」
モー二とイブが驚愕の声を上げる
「まずは、足から攻めるぞ!」
ガントが指示を出す。
フーマも魔法を維持したまま向かう。
「俺が先行する!魔法で援護頼むぞ!」
アキレス腱を狙う。
回し蹴りを放つ。
ズバァンッ
「硬い!少ししか傷付かない。ヤバイぞ」
「フーマ!同じところをひたすら攻めろ!俺が引きつける!」
ガントに指示された通りひたすら攻める。
「フッ!! フッ!!」
手刀と蹴りで傷を広げていく。
ここで新しい魔法を試す。
「風斬」
手刀の先に風の刃が形成される。
「セイヤァ!!」
渾身の技が
断ち切った
スパァン!!
足の腱がキレ、サイクロプスが崩れ落ちる。
「グォォォ」
「よし!今だ!目に向かって攻撃しろ!」
ガントが指示を出しながら魔法を飛ばす。
「エクスプロージョン!!」
モー二もイブも魔法で援護する
「ホーリーレイ!!」
「ダークレイ!!」
HPが減っていく。
周りのプレイヤーも一緒になって魔法を放つ。
順調にこのままいけば倒せる。
そう思った時
「グガァァァァァ」
咆哮をあげ、腕を振り回し始めた
「下がれーーー!!」
ドスンッ
ドスンッ
指示が間に合わなかった。
何人かのプレイヤーが巻き込まれ光に変わる。
ここからが本番だった。




