トクラの指導 ゲーム編1
「「「「よろしくお願いします!」」」」
トクラとテンカに頭を下げる4人。
後から聞いたんだけど、このクラン[ 武十館]はトクラさんと、テンカさん、あとは生産職の人を加えた3人しかいないらしい。それでクランもランキング一位って言うんだからすげぇよなぁ。
「うむ。では、ガントとフーマはこちらへ行こうかのぉ。」
広い庭に案内される。
「では、モー二とイブはこっちにきな。」
道場の方へ案内されていった。
庭につくとトクラが口を開いた。
「現実であれば、体力作りから始めるんじゃが、ゲームでは意味が無いからのぉ。まずは反射神経を鍛錬するかのぉ」
「反射神経を鍛えるなら組手をするんですか?」
「いや、ゲームじゃから少しくらい危険でも大丈夫であろう? じゃから、魔法を撃つから、それを避けるか、弾くかするのじゃ」
「「なるほど」」
「最初は被弾するじゃろうがの。段々慣れてくるじゃろう。 では、早速始めるぞぃ。」
まずは、フーマがトクラの前に立つ。するとトクラが指を向けてきた。
「ワシはの、無属性魔法をとっていての。指先から無属性の魔力を飛ばすから、それをよけるのじゃ。では行くぞい。」
『バシュッ!』
ドスッ
「うっ!」
フーマが魔法をまともに受けてしまい、膝をつく。
「無属性の魔力は見えないからのぉ、気配を感じるしかないのじゃ。」
これはヤバイ。何も感じなかった。
立ち上がるフーマの目は闘志を燃やしていた。
「いい目じゃ。では、次から撃つとは言わぬ。気配でよけよ」
バシュ ドスッ…………バシュ ドカッ……バシュ バキッ………………バシュ ドンッ
無定期で撃たれる無属性の魔力を当たりながらも必死で察知するコツを習得しようと神経を研ぎ澄ませる。
これはなるべく神経を研ぎ澄ませるて感じ取るしかないなぁ。目を閉じ、気配を感じる。
バシュ ドカッ…………バシュ ドスッ………………
キィーーーーーーーーーーーン
音が消える
感覚が
広がる
バシュ スッ
バシュ スッ
体の周りの気配がわかる
目を開ける。迫る魔力がわかる。
んッ?魔力が来なくなったなぁ。
「………お…………じゃ」
音が戻ってきた。
「一旦終わりじゃ。」
「あっ、ありがとうございました。」
「お主、気づいておらんかもしれんがのぉ。1時間くらい避け続けておったぞ。」
「えっ!? そんなに!?」
驚いて声を上げるフーマにガントが苦情を言う。
「おい! お前が凄すぎて俺はどうすりゃいいんだよ!」
「ふむ。やはり、鍛錬してきただけあって凄い集中力じゃ」
ふぉっふぉっふぉっと笑いながらガントを見る
「次はお主じゃな。お主も出来てしまうのかのぉ? 行くぞい?」
バシュ ドスッ「いでっ!」
バシュ ドカッ「うっ!」
バシュ ベシッ「ううぅーー」
バタンッ
「ふぉっふぉっふぉっ。もうおしまいかのぉ? 打たれ弱いわい。鍛錬が足りんぞ? 今日はこの位にするかのぉ」
こうして修行一日が終わったのだった。




