直談判
後日、気を取り直してテンカさんに連絡を取ってみたのだ。
そして、再びクランホームに来ていた。
「連絡をくれたということは、我がクランに入ってくれると思っていいのかい?」
4人で頭を下げる。
「そろって一体どういうことなんだい?」
フーマが代表して話す。
「本当に勝手なお願いをしたく、連絡を取りました。」
「話してごらんよ。」
テンカは冷静に対応する。
「率直に、本題に入ります。実は、昨日レアボスに負けまして。4人一同自分の力のなさを痛感しました。そこで考えたのが、テンカさん、トクラさんに指導をお願いしたいのです。対価としましては、レアボスの情報としたいところですが、足りないでしょうか。」
「ん~..........。」
しばらく考えたテンカは、徐に口を開く。
「もう少し、対価をもらっていいだろうか。」
「できることであれば、何でもします!」
「まず、我がクラン武十館に所属して欲しい。しかし、これは後で脱退してもらって一向にかまわない。ただ、外野から見た場合、我々の立場的に指導するのにはクランに所属してもらっていた方がいいというだけだ。」
「それは、かまいません。しかし、本当にレアボスを倒せた暁には、自分たちでクランを作りたいと思っていましたので、脱退すると思います。」
「かまわん。もう一つ、これは私とじいさんからの提案だ。」
少しの間、間を置いた後に口を開いた。
「フーマ、現実の方でも、私たちに指導を受ける気はないか?」
「えっ!?」
「どういうことっすか!?」
フーマとガントが驚きながら立ち上がる
「まぁ、落ち着け。」
フーマとガントが座ると話を続けた。
「トクラはテンカである私の実の祖父であり、武道家の間では名前が知れ渡っている、武田 十蔵だ。」
「「えっ!?」」
フーマとガントが驚いていると
「ちょっと、なに? そんなに有名な人なわけ? 私は全然知らないんだけど?」
「モーニと言ったか。知らなくて当然だろう世界一になった後しばらくして引退し、もう30年は経つからな。業界の人間しか知らないと思うぞ。」
フーマは驚きのあまり、体を震わせながら声を発した。
「ほ……本当に……指導して頂けるんですか?」
「あぁ。じいさんが気に入ったらしくてな。もし、助けを求められたら受け入れようと思っていたのだ。」
「でも、現実でもっていうのは?」
「何か悩んでいるそうじゃないか?それを是非解消してあげたいと、じいさんが嬉しそうに言っておったわ。ハッハッハッ」
嬉しそうに笑いながら言うテンカ
「受けてくれないか?じいさんがあんなに楽しそうにしているのは久しぶりなんだ。フーマの空手に対する鍛錬の片鱗と情熱を見て感化されたんじゃないかと思うんだがな」
「わかりました。是非その話、受けさせてください!」
土下座するような形でお願いする。
「そうか。受けてくれるか!よかった。よかった。ハッハッハッ」
話についていけずにキョトンとしている3人は呆然としていふのであった。
ゲームでもリアルでもフーマの成長は加速するのであった。




