裂け目の主
「はぁっ。はぁっ。はぁっ。」
「大丈夫か?」
「何とか……。」
息も絶え絶えになりながら歩いていく。
「何時間歩いたのかしら?」
「2時間位。かな。」
グビッ
回復薬を飲むフーマ。
奥にほのかに光が見えてきた。
「光が見えてきたぞ!」
進むと開けたところに出た。
光だと思っていたのは苔だった。
そこには
絶望が
待っていた
ゾワゾワァァァァァァァァァァァァァァッ
「な……な……ん…………だ?」
恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い
動け動け動け動け動け動け動け動け動け
「クッソォーーー!! 来やがれぇぇぇ!! 挑発!!」
叫び声を上げながらスキルを使うガント
ガタガタガタガタ
隣でモー二が震えているのを見たフーマは
意識が覚醒してきた
「ウォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
雄叫びを上げながら謎のモンスターへ向けて走る
「身体強化!! 身体加速!!」
周りの景色がスローモーションで流れる中で自分だけが早く動ける世界で、黒い影へ肉薄する。
「ウラァ!!」
勢いに乗ったまま飛び上がり、飛び膝蹴りを繰り出す
フワッ
おかしい。手応えがない。
目を凝らしてよく見ると、黒いローブを被っているのが見えた。
「ガント! シールドバッシュで面で攻撃しろ!」
「了解!!」
「ドリァァ!!」
ゴツッ!
今度は手応えがあったな。
しかし、硬い。
HPの減りは微々たるものだ。
物理がダメなら魔法だ。
「ドリルサイクロン!!」
右手にドリルの形をした風の塊が暴れている。
ギュルギュルギュル
ダンッ
フーマは黒い影の懐に入る。
顔面目掛けて風を纏った上段突きを放つ。
「フゥッ!!」
ギャリギャリ
硬いものをドリルで削るような音が出ている。
魔法が切れるので下がる。
HPが若干減っているがまだまだだった。
「クソッ!! ほぼ無傷じゃねぇか。」
「一旦、距離を取って作戦を練るか!」
距離をとるガントとフーマであった
所が
恐怖は
終わっていなかった
『カタカタカタカタッ』
黒い影が杖を掲げた
すると
黒いモヤが集まり始める
集まりきった瞬間
放たれた
ブワァァォァーーー!!
「みんなガードしろ!」
盾を構えながらみんなを激励する。モヤが通り過ぎて言った。
かに見えた。
モヤがまとわりついたまま。
恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い
死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ
モヤのところから赤い光の粒子が流れ出ていく。
身体がボロボロになって行く。
あぁ。モー二が頭を抱えながら泣いている。
何も。出来なかった。
黒い影を見るとフードが脱げていた。
モンスターネームが見えた
ゴールドの名前!?
――――――――――――――
エルダーリッチ
――――――――――――――
レアボスであった。
――――――
――――
――




