情報収集
『ピンポーン』
「はぁーい」
「お届け物でーす」
両手で抱えるくらいの大きさの荷物を受け取り、サインをする。
「ありがとうございましたー」
届いたものを見て少しワクワクしている自分がいる。
「やっと届いたか。ちょっと楽しみにしてたんだよなぁ」
荷物を明け中身を見ると、入っていたのはフルダイブ型のVR機器である、ヘッドギアだ。
「取説はっと」
初めてのフルダイブ型のヘッドギアなので、慣れていない為、説明書を読みながらの作業になる。
「これで、後はCWOをインストールすればOKだな」
CWOとは、CombutWouldOnlineの略で、最近若者の間で流行しているVRMMOだ。
モンスターを倒しレベルを上げていき、PVPのランキングバトルで、トップを狙うゲームである。
「インストールしてる間に掲示板でもみるかなぁ」
流行しているVRMMOの為、掲示板で色んな情報が出回っているのである。
職業に関するスレや、クエストに関するスレ、ランキングのプレイヤーに関するスレ等、多岐に渡る。
「職業はやっぱり前衛職がいいよなぁ」
スレを見ていてわかったこと。
前衛職は
・剣術士
剣術全般のスキルが取得しやすい。
・槍術士
槍術全般のスキルが取得しやすい。
・武術士
体術全般のスキルが取得しやすい。
・軽業士
アクロバットのスキルが取得しやすい。
・騎士
盾術と剣術全般のスキルが取得しやすい。
がある。
SPがレベルアップ時、クエスト完了時に取得でき、職業に寄ってスキルを取得するための必要なSPが異なってくる。
初期のSPポイントは10SPである。
「んー。軽業士とか面白そうだけどなぁ。アクロバットとかカッコイイなぁ」
アクロバットは憧れがあった。
「でも、剣とか槍とかも振って見たい気もするしなぁ」
普段が素手の為、武器を持ちたい気持ちもある。
「……いや、何の為にゲームするんだよ。あくまで空手の為の息抜きだろ。……武術士にすれば、実戦経験が積めるじゃないか」
『ピロン』
「あー。悠人からか」
――――――――――
悠人 <噴水前で待ち合わせな!!>
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「待たせちゃ悪いな。始めるか」
ベッドに横になりヘッドギアを装着する。
『ようこそCombatWorldOnlineの世界へ』
視界が真っ白になる。