初の採掘
準備を終えたフーマ達は鉱山へ向けて歩いているところであった。
採掘するの初めてだなぁ。
「ガントは、採掘した事あるの?」
「あるさ! 何せ、俺の剣と盾は自分で採掘した鉄鉱石でムラマサさんに作ってもらったんだからな!」
「そうだったんだなぁ。いいなぁ。俺もカッコイイの作ってもらえるかなぁ」
「ムラマサさんはすげぇから大丈夫だって!」
そうだよな。ガントの装備もカッコイイし、俺のもきっとカッコよくなるよね。
鉱山が見えてくる。
「おっ! あそこの入り口から入るんだよ!」
「わたしも採掘してムラマサさんに装備作ってもらおうわ!」
「私も。作って。貰いたい」
「まず、ピッケルを持つだろ! そうすると採掘できるところが光って見えるんだよ!」
鉱山の中へ入ると採掘できる場所を探す。
「おっ! あそこ光ってる!」
先に見つけられたぁ。俺もみつけなきゃ。もう少し奥に行ってみるかな。
細い隙間の奥で微かに光が見えた。
ん~?あそこ光ってる気がするなぁ。
『カンッ! カーンッ!』
ピロンッ!
ん?なんか音がした。メニューを開いてみるか。ドロップ欄に通知があるなぁ。
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ミスリル鉱石×1
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ミスリル?なんかレアっぽいなぁ。まだ光ってるし、光が無くなるまで採掘しようっと。
『カーンッカーンッカーンッ·····』
結構取れたよなぁ。
最終的な獲得は
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ミスリル鉱石×6
鉄鉱石×11
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「フーマ、鉄鉱石とれとか!?」
「結構取れたぞ? なんかレアっぽいの取れたんだよなぁ。」
「なんて鉱石だ!?」
「んーっと、ミスリル鉱石ってやつなんだけど……。」
「はぁ!? ミスリル!?」
驚くガントに続き、モー二も驚いた声を上げる。
「ちょっと! それ、めっちゃレアな鉱石じゃないのよ! この辺で取れるの!?」
「なんか、狭いとこ入ったところに採掘場所があって、掘ってみたら取れたぞ」
そんなにレアなものだったんだなぁ。取れたし、早く帰って作ってもらおう。
「よしっ! じゃあ、帰ろうぜ!」
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』
んっ?なんだ!?
奥から岩が現れた。
「ヤバイ! ロックゴーレムだ! みんな構えろ!」
飛びのきながら構える。
「ロックゴーレムはHPが高いし物理攻撃に強いから、魔法攻撃主体でいくぞ! イブ、頼むぞ!」
「了解。任せて」
「挑発!!」
ガントがロックゴーレムの気を引く。
ガンッ!!
ロックゴーレムがガントを狙って腕を振り下ろすが、避けたり受け流したりしながら気を引き続ける。
おれも加勢しよう。
「ドリルサイクロン!」
ロックゴーレムの足元へ行き、破壊を試みる。
「セイッ!!」
中段突きを繰り出す。
ドゴッ!!
HPが少しだけ減った。
かってぇなぁ。これは長期戦になるんじゃないのかぁ?
「みんな。下がって。」
ガントとフーマが下がる。
「ダークウェーブ!!」
ドッッガァァーーンッ
足に魔法が炸裂し、ロックゴーレムが倒れ込み動かなくなるが、HPは残っている。
もしかして……。フーマはおもむろにピッケルを装備する。すると……
「おぃ! ゴーレムからも採掘できるぞぉ! とれるだけとろう!」
『カァンッカァンッ·····』
しばらく採掘しているとロックゴーレムが光の粒子になって消えていった。
「新たな発見だったな! ロックゴーレムからも採掘できるなんて! これは掲示板が荒れるぞ!」
ガントが楽しそうにいいながら鉱山の出口に進む。フーマ達もそれに続いて出口へと歩いていく。
外に出ると夕日になっていた。
「ッアァー! 外はやっぱりいいなぁ。」
フーマはのびをしながら言う。
「シャバの空気はうめぇ!ってか!」
「物騒ないいかたしないでよね!」
バシッ
モー二に叩かれながら注意されるガント。
「そんな。ガントが。かわいぃ」
マイペースなイブであった。
一行はセカンテアに戻る。
「そろそろ、今日はログアウトするわ!」
「私も。ログアウトする」
「おう! また明日な!」
「また明日なぁ。」
モー二とイブがログアウトする。
「俺らも、ログアウトするか?」
「そうだな。じゃ、また明日なぁ」
こうして初の採掘は終わりを迎えるのであった。




