初の装備屋
午後になり、再びログインしたフーマ。
みんなはログインしてるなぁ。連絡してみるかな。
ガントに連絡すると、門のところに集合らしい。
「揃ったな! じゃあ、装備を作ってもらいに行くか!」
スタスタ歩くガントについて行く一同は
「なぁ、モー二は装備どうやって整えたんだ?」
「ん? 私はNPCのお店で買ったのよ。生産職の知り合いなんていないし。イブも一緒よ。」
NPCの店で買うっていう選択肢もあるのかぁ。
「ただ、性能の割に高いのよね。プレイヤーメイドの方が素材を持ち込めば、安く取り引きしてくれたりするし、性能もいいのが手に入るわ」
「なるほどなぁ」
話していると目的地に着いたようで、ガントが立ち止まる。
「ここだ! 入ろうぜ!」
周りと同じくレンガ造りの家がある。ハンマーのマークがぶら下がっているのは鍛冶屋って事なんだろう。
「こんにちはぁ!」
「おう! いらっしゃい!」
「今日はコイツの装備の作成依頼をしたくて来ました! フーマ、この人は前に道に迷ってるところを助けて貰って、そしたら鍛冶屋だっていうから、これも何かの縁って事で装備をお願いしたんだ。コイツはフーマって言って、俺のリアル友達です。」
「初めまして。フーマです」
「私達も紹介しなさいよ! 初めまして、モーニです」
「初めまして。イブです」
「初めまして、ボクはムラマサっていうものだよ。以後、よろしくね。いいお客さんになりそうだ」
優しそうなお兄さんといった感じの人が店を構えていた。
「早速なんですけど、フーマの装備の作成をお願いしたいんです!」
「いいよ。素材は持ち込みして貰えるのかな?」
受けてくれるようで有難い。
「はい。それでお願いします。足りないのがあれば取ってきます」
「うーん。見たところ武術士だよね? グローブの表面は硬いもので覆った方が攻撃力が上がるね。……それだと、鉄鉱石が欲しいね」
鉄で手を覆うのかぁ。それは強そうだけど、衝撃がもろに来そうな気がするけど……。
「心配しないで、表面の鉄の下にはクッション入れるからさ。」
「あっ、ありがとうございます。ちょぅと心配しちゃいました。」
慌ててお礼をいう。
やばい!顔に心配してるの出てたのかなぁ。
「防具はどうする?」
「はい。えっと、革で動きやすいものが良いですね。あっ、あと、蹴りも使うのですね当ても作ってもらいたいんですけど」
「いいよ! 何か、リアルでも武術やってるの?」
「はい。空手をやってます。」
「そうなんだね! 折角だから、空手の防具を参考に色々作ってみるね。」
「はい!お願いします! あっ、マーニっていくら位になりそうですか?」
「そうだねぇ。鉄鉱石取ってきてくれれば値段は抑えれるし、革は僕の在庫から出すから、その分は料金もらうね?そうするとだいたい50k位でお願いしようかな」
ん?聞き慣れないなぁ。50k?どういう単位なんだろう?
固まっていると横から笑いながら、ガントが教えてくれた。
「50kってのは、5万マーニってことだよ! マサムネさん、すみません! コイツVRMMO自体が初心者なんでまだ、なんにもわかんないんですよ!」
「あっ! そうだったのか! ごめんね!」
「いえ! 大丈夫です。学びましたぁ! ギリギリ足りそうなので、お願いします。」
後ろからモー二が小突いてくる
「ちょっとホントに大丈夫? いつの間にそんなに稼いでたの?」
「1人で少し狩りに行ったりして稼いでたんだ。おかげてレベルも少し上がったし。」
「じゃあ、土台の革部分は作成しておくから、鉄鉱石をお願いね。」
「はい! わかりました。よろしくお願いします!」
店から出た一行は今後どうするか話し合う。
みんなに着いてきてもらうのも悪いしなぁ。別行動の方がいいんじゃないのかなぁ。
「俺は、回復薬買って、採掘の道具揃えたら近くの鉱山に行こうと思うけど、みんなはどうする? 流石に、ずっと付き合わせてるのも歩いなぁと思ってさ。」
「水くせえこと言うなよ! 俺は、一緒に行くから! 道案内も必要だろう?」
バシバシ肩を叩きながらガントが道案内を買ってでてくれた。
「あんたねぇ、ここまで来てほっといてなんて許さないんだからね。私だって鉄鉱石欲しいし。行きたいのよ!」
「私は。鉄鉱石。いらない。けど。寂しいから。着いてく」
モー二相変わらずツンデレだな。イブよ、心の声がダダ漏れじゃないか。
「みんな、ありがとう」
仲間に感謝しながら、道具を揃えて準備をするのであった。




