プロローグ
初めての投稿になります。
「やめ!!」
赤旗が2つ、白旗が1つあがる。
「赤!!」
「「有難う御座いました!!」」
「「押忍!!」」
自陣に戻って項垂れる。
高校二年になって初めての試合であった。
「また勝てなかった……。」
――――――――――――
次の日
「おう!おはよー!疾風、昨日は残念だったな。」
声を掛けてきたのは同じ道場の門下生である、岩田 悠人である。
「はぁ。自分が嫌になるよ。1年から全然勝ててないんだもんなぁ。」
落ち込んでいるのは風間 疾風。この物語の主人公である。
「まぁ、そう落ち込むなって!今がスランプなだけだって!」
「こうまで勝てないと落ち込みもするよぉ。」
「おはよー!!」「おはよ。」
「なーに辛気臭い顔してんの?なんかあったわけ?」
朝からズケズケと心を抉ってくるこの女が、高校に入って同じクラスになり、よく絡んでくる、吉村 朝陽である。
「言い過ぎ。疾風。可哀想。」
後から来た大人しめな女の子が朝陽の双子の妹の、吉村 結陽である。
「いやー!コイツが昨日の試合で勝てなくてへこんでるんだよ!」
近づいてきて疾風の肩を叩きながら言った。
「なんだぁ!そんな事でそんな辛気臭い顔してんのぉ?そんな顔してたら、勝てるものも勝てないわよ!」
顔を歪めながら文句を言う。
「うるさいなぁ。こっちは真剣に悩んでるのぉ。」
「中学の時はいい所までいったんでしょ?何かをキッカケに勝てるようになるかもしれないじゃない!」
「いつキッカケが見つかるかわかんないじゃんかぁ。」
机に顔を突っ伏して落ち込む。
「疾風さ、夏休みになるし、CWO一緒にやってみよーぜ!モンスターと戦ったりさ、プレイヤーとのPVPでランキングバトルとかもあるんだぜ!」
横目で悠人を見ながら言った。
「んー。そうだなぁ。空手の修練ばっかりで小遣いは貯まってるし、やってみようかなぁ。」
「それいい。私達もやってる。一緒にやろ。」
「結陽達もやってるのか!だったら、パーティー組んで一緒にやろうぜ!」
『キーンコーンカーンコーン』
「また後でな!疾風!!」