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水上くんのオタク事情  作者: さな
3/16

料理の基本

肉じゃがは家庭によってまた味が異なるらしい。

まあ俺は甘々の肉じゃがが大好きだから砂糖と味醂を少し多めに入れたりする。


「ねぇまだー?」

「はいはい、あと少しで煮詰まるからそう慌てるな」


材料は至ってシンプルで、牛肉、玉ねぎ、人参、ジャガイモ、白滝だ。グリンピースも入れれば色合いも良くなり栄養も取れるが買うの忘れててたわ。えいちゃん失敗☆


「ご飯炊けたみたいけどどうする?もう注いでおく?」

「ああ、ついでに味噌汁も頼む」

「いいよ、肉じゃが多めね」


そんなに食ったら太るぞと言いかけたがこいつの場合殆どの栄養が胸にいくんだったな。

つくづく憎たらしいやつというか女の敵だなこいつは。


「もういいかな」


火を消し、鍋から熱々の肉じゃがを皿に盛る。

うん、美味そうだ。我ながら上手くできたぞ。

「…まだ?」

「そう慌てんなって、ほらお前の分。肉多めに入れといてやったぞ」

「これぐらいしてくれないとえいちゃんの分まで食べるつもりだった」


渡した肉じゃがをもう既に食べている。早すぎるぜ日向さんよ。


「食い意地半端ねえな相変わらず」


俺がそう言うと日向は肉じゃがをモグモグしながら言った。


「いいの、そのうちしたらモデル並みの身長になってるんだから」


と大げさに未来へ期待を抱き、胸をはる日向。

まあたしかに一部分であるが大きくはなっているなグラマーな女優さんもビックリなサイズだ。


「……なにジロジロ見てるのよこの変態」

「な、バカ!違えよお前の大きな胸をジロジロ見てたとかそんなんじゃねえよ」

「見てんじゃん、やっぱり見てたじゃん。なに?私に欲情でもすんの?ほれほれ」


腕を組み胸を強調するようなポーズをする日向。うーんなんだろうな。


「いやそれは無い、絶対ない」

「……死ねばいいのに」

「ちょ!? それは言いすぎだろ」

「うるさい馬鹿えいちゃん。童貞、オタク、ブ男」


どうやらそれしか言い返す言葉ないらしい。相変わらずいうことはいつも一緒だ。


「おい最後の一言は違うぞ、俺まあまあいけてる顔だと思うしそんな微妙な顔じゃない。この前だって女の子に告白されて理由はカッコイイからだった。よって俺はそんなにブスではない!」

「はいはい、そうですねーいいから食べなよ」


肉じゃがとご飯を口に入れて適当に流す日向。


「なんでこんな釈然としないんだ……まあいいか」


少しスルーされたことに傷つく。

……俺ってそんなに微妙な顔なのだろうか自信なくなってきたぞ。


「それより味あんまりしみてないね」

「そうだな後二時間ぐらい寝かせてたら染み込むと思うだけどな」

「じゃあ二時間後にまた来るね」

「まだ食べんのかよ、月子さんの分がなくなっちまうぞ」


こいつの胃は暗黒物質か何かで出来ているのだろうか。その小さな体に小宇宙が入っててもおかしくないな。


「冗談、ごちそうさま。今日も美味しかったよえいちゃん」

「お粗末様。明日はお前の大好きなカレーだから食べに来いよ」

「もちろん!えいちゃん大好きっ!」


……カレーで買える愛か。

お腹すいてたらこいつ誰にでもついて行きそうだな。


「さてと……」

「?」

「お茶準備して」

「……」


どうやらまだ我が家に居座る気のようだこのお胸姫は。


「図々しいにも程があるだろ……ほらよ」

「私とえいちゃんの仲じゃん、ありがとう。そう言えばさ」

「?」

「よくテレビドラマとかじゃ幼馴染みの女の子が料理して男の子に作ってあげてるけどなんで私たち逆なんだろうね」

「いや最近じゃ男が料理できて女ができないとか多くないか?まあ俺達の場合お前の料理が酷すぎるという点もあるが……」

「いや私も前よりは酷くないよ!」


と大きく手を振って否定するがどうだろうか。

以前、日向が料理をご馳走すると言って酷い目にあっている。

コーラ風味のチキン南蛮だ。

本人を問い詰めたところ醤油が無かったから手元にあったコーラーをぶち込んで煮詰めたという。

『お、美味しくなる予定だったんです』

料理初心者にありがちなひと工夫加えてみるを発動してしまったらしい。

料理の基本を知ってからにしような日向。


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