表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/17

聳ゆる山はいや高く

「背が伸びたぁ?」


 二人の声が同時に響いた。ただその声にこもった感情は全く別物だった。


「えぇ!いいないいなー!羨ましいっ‼︎」


 この声には羨望が込められている。

 体の生長が小学校でほぼ止まっている彼女にはさぞ羨ましい話だろう。


「あんた、どこまで伸ばすきよ。もう170あるんじゃない?」

 こちらの声は呆れだろうか。悩んでいるのを知っている分諦めも込められているかもしれない。


「羨ましくないよぉ、あと170はないです…まだ」


 ただ、170の大台が見えてきたはいる。

 167㎝、文化部所属の中学2年の少女にはすぎた身長だ。


「そんな目で見ないでー」


 二人の尊敬と同情の視線に耐えくれず、加奈子は机に突っ伏した。


「よしよし、そのうちいいことあるよ」


 雪子のおざなりな慰めが、加奈子の心に塩を塗っている。


「スラッとしててかっこいいよー!おっきなかなこ、私は好きだよ‼︎」


 純粋なはなちゃんの優しさが心にしみる。おっきなという所が気にかかるが。


「ありがとう二人共、まぁ身長はどうしようもないからもう諦めるよ。170には行かないで欲しいんけどね」


 そう言うと加奈子は深いため息をついた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ