農村社会主義教育運動中のいくつかの具体的政策についての党中央の決定修正草案「後一〇条」(一九六四年九月)
一九六三年五月中央が出した「関於目前農村工作中若干問題的決定草案」〔訳注:一九六三年五月二〇日付けで公布〕は綱領性をもった偉大な文件であり、われわれ党の思想、政治、組織および経済における各方面での基本建設に関する重要文件である。この文件にて提起された一○項目の問題は、「八党大」一〇中総以後すでに各地の農村にて進められている社会主義教育運動の内容をきわめて豊富にした。一九六三年の夏秋以来、各地はこの文件の決定に基づき、拠点試行を経た後広く農村社会主義教育運動を展開した。この一年あまり、各地の社会主義教育運動の経験は毛沢東同志の社会主義社会における階級、階級矛盾、階級闘争についての問題の分折と指示が偉大な革命的歷史的意義をもっていることを十分に証明し、毛沢東同志の指示に基づいて展開された農村社会主義教育運動は、資本主義勢力および封建勢力の気狂じみた進攻を撃退し、農村社会主義陣営とプロレタリア階級独裁をうち固めることに対し、また修正主義発生の社会的基礎をとりのぞくことに対し、集団経済をうち固め、農業生産を発展せしめることに対して、それぞれにきわめて深遠な意義をもっていることを十分に証明した。それと同時に、また今回の運動は土地改革運動に比べてより広範となり、より複雑となり、より深刻となる一つの大規模な大衆運動であり、ただ思いきって大衆を立ちあがらせてこそ、今回の運動で徹底した勝利をかちとらせることができるのである。中央の決定草案をさらに貫徹するために、運動中に提起された若干の具体的政策問題を解決するために、一九六三年九月に中央は「関於農村社会主義教育運動中一些具体政策的規定草案」(訳注:本編B)を制定した。現在、中央はまた新たな経験に基づき、 この規定草案に重要な改訂を加えた。以下は改訂後の具体的政策についての規定である。
一 社会主義教育運動の基本方針と主要内容
今回の農村社会主義教育運動は、一つの深刻な社会主義革命運動である。毛沢東同志は精緻にこの運動の偉大な意義を明らかにした。かれは「この社会主義教育運動は一つの偉大な革命運動であり、階級闘争の問題を含むばかりでなく、幹部の労働参加の問題をも含み、また厳格な科学的態度をもって、試行点検を重ね、企業や事業の中でこれら一まとまりの問題を解決しうるような工作をも含むものである。・・・・・・この一つの闘争は新たに人を教育しなおす闘争であり、新たに革命的階級隊伍を組織しなおし、われわれに気狂じみた攻撃を加えつつある資本主義および封建勢力に対して、するどく真向から対抗する闘争を行なって、かれらの反革命気勢をおさえつけ、これら勢力下にある絶対多数のものを新たな人間に改造する偉大な運動であり、また幹部と大衆が一緒になって生産労働および科学実験に参加しわれわれの党をさらに一歩進めて、より光栄さを加え、より偉大さを加え、より正確さを加えた党とし、われわれの幹部をして、政治を知るとともに業務を知り、紅でもありまた専でもあり、上部に浮き上がって官僚然、旦那然として大衆から離れるこなく、大衆と一つとなって大衆から擁護されるほんとうに良い幹部とすることである。この一つの教育運動が完了した後には、全国に活気あふれ繁栄に向うような気風をつくり出すことができるだろう。ほぼ世界人口の四分の一を占める人類がこのような気風をあらわすことは、われわれの国際主義の貢献もまたさらに大きなものとなる」と言っている。
毛沢東同志の指示に照らして、今回の運動では階級闘争を綱とし、次の五つの要点を把握すべきである。すなわち敵に対する闘争、社会主義教育、貧農下層中農の階級隊伍の組織、「四清」、幹部の集団労働参加がそれである。毛沢東同志の社会主義社会の中での階級、階級矛盾、階級闘争の問題に関する思想を学習し、深刻にこの思想を会得することが、正しく社会主義教育運動を展開し指導する鍵であり、前提である。階級闘争を綱とし、五つの要点を把握し、大担に大衆を発動し、順を追ってかつ指導的に大衆性をもつ社会主義教育運動を展開し、まず九五%以上の大衆を団結し、まじめに幹部の中にある「四不清」問題を解決し、さらに一歩進めて九五%以上の幹部を団結して、資本主義および封建主義の進攻を撃退し、幹部と大衆の社会主義意識および階級意識を引き上げ、農村の基層組織を整頓し、集団経済を一歩進めて強固なものにし、農業生産を発展させることこそが、今回の社会主義教育運動の基本方針である。
今回の運動の中で逐次つぎの一二の工作を進めなければならない。
(一) 貧農下層中農代表の参加する公社、生産大隊、生産隊の三級幹部会議を開き、党の政策をよく事情説明し、誤ちのある幹部をこの席上で自ら進んで十分に「手を洗い、体を洗い」「重荷」をおろさせる。
(二) 大衆の中で中央の決定草案および本規定草案をよく読み、解説を加えて党の政策を直接大衆にひきわたす。
(三) 貧しいものを訪れてその苦しさを尋ね、根を深くはわせ気脈を通じるなどのことをやり、貧農、下層中農大衆を組織し発動する。工作隊の成員は貧農、下層中農と食事、住居、労働をともにしなければならない。
(四) 十分大衆を発動すると同時に幹部の思想をよくする工作の基礎に立ち、「四清」を進める。正確に幹部の賠償返却問題を処理する。
(五) 大衆に対して社会主義、集団主義、愛国主義、国際主義教育を進め、社会主義と資本主義との限界を明らかにし、公私の関係の問題および社会主義と資本主義の二つの道の闘争問題を解決する。
(六) 階級身分を整理し、階級檔案〔訳注:各機関、企業等に保存する階級決定についての懸案文件〕をうちたてる。
(七) 大衆に対して階級闘争の教育を進め、敵味方の限界をはっきりさせる。大衆を立ちあがらせ、すべての四類分子に対し一度全面的な審査を進める。破壊活動をする四類分子、汚職窃盗分子、投機やみ取引分子に対しては道理をもって説得する闘争を進め、かつかれらに対する処分を進める。
(八) 貧農下層中農組織をつくる。
(九) 党の基層組織を整頓する。共産主義青年団の基層組織、婦女連合会の基層組織、民兵組織、治安保衛組織および農村のその他の組織を整頓する。
(一〇) 公社、生産大隊、生産隊の幹部を調整あるいは改選する。
(一一) 幹部の集団労働への参加制度をうちたて健全化する。
(一二) 「六〇条」〔訳注:「農村人民公社工作条例修正草案」一九六二年九月、本資料集第一巻、一一三八頁に収録〕の規定に照らして、生産隊の経営管理を改善し、生産計画を制定する。
以上一二項の工作は、今回の社会主義教育運動の主要内容を包括している。これらの工作は相互に交錯し、相互に結合して進むものである。これらの工作はいずれも必ず誠意をこめてうまくやらなければならず、そうしてはじめて社会主義教育運動の勝利を達成できるのである。
今回の社会主義教育運動の全工作は、一般的に言って、二つの大きな段階に分けることができる。第一の段階では主として幹部の中の「四不清」問題の解決と敵対闘争を展開する。第二の段階では組織建設、主として、党の基層組織、社隊組織および民兵組織をうまく整頓する。この二つの段階の工作は密接につながりをもつものである。第一段階の工作中に、第二段階の工作についての準備をうまくやり、基礎を築かなければならず、特に重要なことは工作隊が村へ入って根を深くはわせ気脈を通じた後、少しづつ党員、幹部および大衆の積極分子のうちの良いもの、および比較的良いものを吸収して一緒になって工作し、運動の中で一まとまりの新たな骨幹を養成するように注意すべきである。
毛沢東同志は繰り返し社会主義教育運動を最後まで進めなければならないと指示している。全国の農村においてこの運動を達成させるには、だいたい五年か六年あるいはそれ以上の時間を必要とするだろう。今回の運動では必ず中央決定草案で提起されている「一つ一つ、実際をふまえて深く浸透させ、ぐずぐずいっては『舞台にちょっと顔を出す』といったことはきびしく防止しなければならない」という要求を達成しなければならない。省、地(専区、自治州)、県の各級指導者は、直接工作隊に赴き、工作隊の一人ひとりの成員にまで手をまわし、それぞれが必ず工作に努力して社会主義教育運動の質を高め、あるいは比較的高い要請にまで到達させなければならない。毛沢東同志は「社会主義教育運動がうまくいっているかどうかの基準は、第一に貧農、下層中農がほんとうに立あがっているかいないかを見なければならず、第二に幹部の中の『四不清』問題が徹底して解決されているかされていないか、第三に幹部が労働に参加しているかしていないか、第四に一つの良い指導中核がうちたてられているかいないか、第五に破壊活動をする地主、富農、反革命、悪質分子が現れて矛盾がもちあがっているか、それとも大衆を立ちあがらせ、まじめに監督し批判し、そして適当な闘争を展開し、かつそのところどころで改造されているか、第六に増産しているか減産しているかを見ることである」と言っている。毛沢東同志が提起したこの六つの条件は、社会主義教育運動がうまく達成しているか、うまくいっていないかを測り調べる主な基準である。
二社会主義教育運動の指導について必ず注意すべきいくつかの問題
社会主義教育運動を順調に進めることができるかどうか、大衆を十分に発動できるかどうかは、その運動の中で党。 の政策が正しく実行できるかどうかにあって、その鍵は指導にある。省、地、県級の指導機関は必ず以下のいくつかの問題に周到適切な注意を払わなければならない。
(一)指導に当るには率先して手を洗い体を洗う、省、地、県級指導機関の幹部、特に主要指導幹部は必ずまず先に手を洗い体を洗って階級的立場を端正にし、思想作風を改善してこそ、よく社会主義教育運動を指導することができるのであって、そうでなくてはそれは不可能なことである。指導幹部の中に手足の汚れた同志がいては、まじめに検討し改正することはできず、大衆は感服するわけはなく、それでは下部に「四清」を求めても決してうまくゆくものではない。それゆえに省、地、県の各級幹部はまず「五反」運動に参加すべきである。
(二) 指導者は自ら進んで拠点(訳注・・蹲点工作といわれ、幹部が基層単位に赴き、大衆に深く入り、実際の工作に参加し、調査研究をすすめ、経験を総括して点と面を用い工作を改善すること。二三条参照)に立つ。省、地、県各級の主要指導者は各々必ず自ら進んで、拠点に立ち、そのことから、経験を積重ね、見本をつくり出し、全般の運動を指導し牽引しなければならない。もしそうしなければ、指導者は報告をあつめて聞き、書類や資料を見て状況を理解し運動を指導するだけになって、それでは工作をうまくやれず、誤ちを犯すことになるのを肯定するようなものである。拠点に立つには必ずまじめに中に喰い込むようにしなければならない。始めから、最後まで全てにわたって一つの点における工作を完全にやりとげ、組織し訓練した工作隊によって、村に入り根を深くはわせ気脈を通じ、大衆を立ちあがらせ、階級隊伍を組織しそして「四清」をうまくやり、敵対闘争をうまくやり、組織をうまく整頓し、各種の制度をうちたてて健全化し、「六〇条」を貫徹し、生産の高潮をまき起し、首尾一貫してまじめにやりとげる。このようにしてこそ、完璧な経験を得ることができるのである。一つの生産大隊に拠点し、かつ一つ二つの生産隊を自己の工作の・ 重点とし、自ら進んで参加し、自ら進んで手足を動かしてこそ、身をもって体験することができ、心の底から実感することができ、直接の経験を得ることができるのである。各々の指導者がこうした拠点工作を少なくとも二回行なえば、ものの比較ができ、正確で勝算のある経験を得ることができる。指導者が自ら進んで拠点に立つことは一つの非常に重要な問題である。目下の農村の革命闘争は一つの新たな革命であり、内容の豊富な、多くの新たな特徴をもった革命である。現在、敵のプロレタリア階級独裁と社会主義に反対する方法は、いよいよもって狡猾となっている。 かれらは幹部を腐敗にひきづりこみ、平和移行を実施し、反革命的な二面政権をうちたて、われわれの文件中のある条文を利用して合法闘争を進めている。これは敵がわれわれに反対する主な形式である。このような新たな形勢の下における階級闘争に対し、このような一つの新たな革命に対し、われわれはまだあまり詳しくわかっていない。もしも自ら進んで実践に深く入らなければ、かれらのことをほんとうに知ることはできず、当然、また正しくかれらを指導することもできない。それゆえに、これら同志が自ら進んで拠点に立つことが、今回の大革命運動を指導する前提条件なのである。
(三) 堅固で強靭な工作隊を組織する。点ごとに社会主義教育運動を展開するには、必ず上部から派遣された工作隊がなければならない。一つの運動は工作隊によって指導される。工作隊の任務は大衆を立ちあがらせ、政策を実行し、社会主義教育運動の各項工作を達成させる責任を負うことである。各々の工作隊は必ず毛沢東同志の「政治的に強く、物事を知っているものの指導が必要である」という指示に照応させなければならない。工作隊はつとめて精鋭にして能力のあるものでなければならず、その成員は必ず厳格な選択と審査を経なければならない。およそ政治上頼りにならないもの、思想作風にひどい問題があるもの、「五反」でひどい誤ちを暴露され、なおまじめに検査されていないものは、いずれも参加させてはならない。工作隊の成員はいずれも必ず党中央および毛沢東同志の社会主義教育問題に関する指示をまじめに学習し、党の政策を理解し熟知していなければならない。工作隊はいずれも徹底した革命精神をもち、優秀な作風をもち、きびしく工作規律を守り、農民大衆および農村幹部に立派な模範を示さなければならない。各々の工作隊にはいずれも少数の婦人幹部を加え、それによって十分に婦人大衆を立ちあがらせるべきである。社会主義教育運動を順調に展開させるために、各省、市、自治区は適当な人数を擁する専業工作隊を組織し、 これを長期固定化して運動を専門に進めるべきである。幾回かの運動を経た後に、この工作隊は熟練した工作隊となり、またこれらの工作隊員は少しづつ社会主義革命工作および農村工作に従事する骨幹的力を養成していくだろう。
(四) 大衆を思いきって立ちあがらせる。すべての社会主義教育運動工作の中で、必ず発動した大衆を第一位に置かなければならず、大衆を発動するのは社会主義教育運動の基礎工作を展開することである。無論、階級隊伍を組織し、「四清」を進め、あるいは敵対闘争を展開するには、いずれも十分に大衆を発動し、この運動をほんとうに大衆の自覚による革命闘争としなければならない。大衆を発動する中心は貧農、下層中農に深く入って発動させることである。貧農、下層中農大衆を発動し、これを中心として農村におけるその他の勤労大衆を発動し、それにきめこまかく幹部に対する思想工作を加え、実事求是をもった工作態度を加えてこそ、運動中の各項の問題を徹底して解決することができ、九五%以上の大衆と幹部が真に団結することができるのである。もしもこのようにしなければ、もしも広範な大衆発動がなかったなら、工作隊は単に基層幹部の枠内で空回りし、少数の者のみがいそがしいだけで、必ず運動は失敗するかあるいは成功したとしてもあまり大きいものではなく、「舞台にちょっと顔を出す」程度かあるいはあまり徹底せず、その後にはきわめてきびしい状態を招くことになる。こうしたことはすべて、この一年あまりの各地の運動の経験が十分にそれを証明している。われわれの一部の同志は大衆発動を怖れ、いろいろとこれに顧慮逡巡するものがいる。また一部の幹部は大衆発動を拒否し、そのためいろいろと口実をさがしだすものもいる。これらはいずれもまったく誤っている。思い切って大衆を発動してこそ、今回の運動を深刻な革命運動とすることができるのである。すべての社会主義教育運動に対し、動揺している者はまず大衆発動においてこの動揺を示し、社会主義教育運動を一切拒否するものはまず大衆発動においてこれに抵抗し拒否する。動揺するものについては教育を強化し、 かれらの顧慮逡巡するところをとりのぞき、かれらをしっかりとさせるべきである。運動を拒否し大衆発動をさまたげるものについてはきびしい批判を進め、その情状のきびしいものには必要な処分を加えるべきである。中央の決定草案および本規定草案はいずれも大衆闘争を呼びかけ支持するものである。また十分に大衆を発動しさえすれば、の二つの文件で提起された各要求を達成することができるのである。本規定草案で規定された社会主義教育運動の各方面の具体的政策は必要なものであり、今回の運動を順調に展開し、勝利をかちとらせる重要な保証である。しかし、これらの規定は十分に大衆を発動させてこそ、その後に正確に実行し貫徹させることができるのである。これらの必要にして正確な規定を、大衆発動をさまたげるものに変え、自己の手足を縛る戒律に変えてはならない。この問題はすべての指導者および工作隊員が必ず明確に認識しておかなくてはならないことである。
(五)運動と生産との関係に正しく対処する。運動と生産とは必ず密接に結合しなければならない。単に生産のみをつかんで、運動を軽視し、あるいは単に運動のみを担当して、生産を軽視するのはいずれも間違いである。目下、 われわれの少数の幹部の中には、かなり広くこうした状況が存在している。すなわち運動と生産とを対立させて、生産に影響をおよぼすことを恐れ、あえて運動を深く展開しようとしない。このような考え方ややり方は誤りである。 各級指導同志、工作隊の同志はいずれも、階級闘争、革命運動は生産を発展させる動力であり、生産闘争に服務するものであることを理解しなければならない。ただ階級闘争の中の問題を解決し、人と人との関係を正確に処理してこそ、大衆の生産に対する積極性が真に発揮され、生産にも広い発展の余地ができるのである。われわれは社会主義教育運動を第一の地位に引き上げなければならず、かつ引き上げるべきである。当然、運動をうまくつかむことを強調すると同時に、生産工作についても必ず入念に注意しなければならない。一つ一つの点での工作隊は、その中での運動を徹底的に完成しなくてはならないばかりでなく、生産大隊、生産隊を支援し、適時に生産の中でさしせまって解決を必要とする問題を解決し、その中での生産を真にうまくやらなければならない。すべての工作の配置と進行については農時〔訳注・春耕、夏耕、秋収の三時期〕を誤らないように注意しなければならない。運動全体の中で、随時大衆政治的情熱と労働の積極性に注意し、集団経済の強化、農業生産の発展を導かなければならない。
(六) 点と面との結びつきに注意し、積極的に面における社会主義教育工作をうまく行なう。点の工作をきめ細かくやるには、その期間をやや長く、半年前後を必要とする。面での工作では悪風を止め、大衆を発動し、まず幹部と大衆との関係をうまくやり、階級敵の作用に打撃を加えることであり、その期間は一、二ヵ月前後あれば十分である。点と面との結合がなければならないとする理由は、今回の社会主義教育運動が点から面へと、時を分け、量を分けて繰りひろげられるもので、ある時期では系統的に運動がなされない公社、大隊が大多数を占め、点における運動が展開されると面に対して必ず大きな衝撃をひき起すことになる。かつ系統的に運動が進められている地区も引き続き、しっかりつかみとってこそ、これを強化することができ、もしも広大な面の工作をおろそかにすると、重大な損害をつくり出すことになる。これゆえに、面においては専任者をもち、日常工作をしっかりつかまなければならず、 その他にさらに以下の諸工作をもうまく行なうべきである。(1)区あるいは公社を単位として、三級あるいは四級幹部会議を召集し、全ての党員および貧農、下層中農の代表を参加させ、中央の「関於目前農村工作若干問題的決定草案」および本規定草案を学習し、今回の運動の方針、政策および目的を了解せしめ、かれらの認識を引き上げ、顧慮逡巡することをとりのぞく。その後で、上部から派遣された幹部は公社、大隊の幹部と結合して共同で組織した工作隊により、大衆へ広く深く宣伝を行ない、大衆の中にその宣伝の勢いをもり上げる。(2)貧農、下層中農に依拠するという認識をもつことの重大な意義を基層幹部に教育する。面のうえで貧農下層中農組織を設立することは急ぐ必要がないが、貧農下層中農代表会議を開いて各項工作を推進してもよい。生産、生活の中で困難な問題をもつ貧農、下層中農に対しては、積極的にかれらを助けて困難を解決してやらなければならない。(3) 幹部が主動的に欠点や誤ちを改めるように励まし、かれらが身軽になって運動の戦線に加わり、敵に対して団結するようにする。分配工作を運動に結びつけるよう幹部へ要求し、工分(労働点数)および帳簿をきれいに整理し、それに必要な制度をつくり、多くを喰い多くをとり込む、見栄を張った浪費、公金流用、汚職窃盗、投機やみ取引き、高利貸し、大衆罵倒、 規律違反、風紀紊乱は許さない。(4) 幹部に対し積極的に集団生産労働に参加し、試験田の栽培をうまくやり、思想作風を改善し、民主的に公社を運営することを実施し、大衆と密接に連係するよう呼びかける。(5)「六〇条」 の貫徹を引き続き宣伝し、集団経済を強固にし、農副業生産を発展させる。(6)階級敵の破壊活動をきびしく取り締り、大衆を単位として地主、富農、反革命、悪質分子の訓話会を召集し、よく事情を説明させる政策(交代政策) を行ない、かれらにして法を守るものは許し、破壊活動をするものは許さない。現行犯に対しては決然として打撃を加えなければならず、大衆闘争を組織する必要があるものは必ず県党委員会の承認を得なければならない。面における社会主義教育工作は、無論、すでに系統的に運動を進めた地方であるなしにかかわらず、毎年一回これを進めなければならない。
三 九五%以上の農民大衆を団結させる
毛沢東同志の提起した九五%以上の農民を団結させるということは、われわれが農村社会主義教育運動を進めるうえで、必ず実行しなければならない一つの根本政策である。
九五%以上の農民大衆を真に団結させるには、あくまでも、われわれがしっかりと全面的に党の農村における階級路線を貫徹するかどうかにある。貧農と下層中農は農村人口の六〇~七〇%を占めており、それは社会主義の道と集団経済のもっとも積極的な擁護者である。社会主義教育運動を進めるには、まず貧農、下層中農大衆を十分に発動し、かれらを基本力として、その他の農民を発動し団結させなければならない。貧農、下層中農工作をうまくやることによって、九五%以上の農民大衆を団結させることも信頼に足る保証となる。
九五%以上の農民大衆を堅固に団結させる一つのきわめて重要な条件は、徹底的に幹部の中に存在する問題を解決し、一部の幹部と大衆の間の不正常な関係をあらためるということである。もしもある公社、ある生産大隊、ある生産隊の幹部の「四不清」がきわめてひどく、汚職により多くを取り込んだ物をまじめに賠償返却せず、集団労働に参加せず、階級路線を実行せず、階級的立場に立たず、作風が民主的でなく、そのために大衆が多くの意見をもって不快な気持をもつことになれば、大衆の政治的積極性と集団生産への積極性が発揮できなくなる。このような状況のもとでは、広範な大衆をしっかりと団結させることは当然不可能なことである。よって、九五%以上の農民大衆を団結させるためには、必ず幹部の中の特に基層幹部組織の指導中核の問題をまじめに徹底して解決しなければならない。 社会主義教育運動は広範な大衆性をもった自己教育運動である。各々の社員はすべて一度深い階級教育と社会主義教育をうけなければならない。農民の意識を引き上げ、集団経済を一歩強化するためには、運動の中にあってまじめに適切に公私の関係問題および社会主義と資本主義の二つの道の闘争問題を解決することが非常に重要である。多くの地方ではこの工作をしっかりとつかんで進め、良い効果を収めている。これは九五%以上の農民大衆を団結させる一つの重要な手続きである。しかしこの工作を進める場合、幹部の問題と連係させるようにしなければならず、また当然そうすべきである。すなわち大衆の中の公私の関係問題および二つの道の闘争問題を解決するには、まず幹部の中でこれらの問題を解決しなければならないとすることが、もっともよい解決をあたえてくれるのである。たとえば大衆に国家、集団、個人の三つの関係を正確に処理するよう教育するには、まず先に必ず幹部にこれらの三つの関係を正しく処理するよう教育しなければならず、大衆の中の一部が集団経済の利益に損害を与える行為をするもの、「小自由」の発展に熱心で積極的に集団生産労働に参加しないものを教育批判してかれらの誤ちを正すには、まずこのような誤ちを犯している幹部を教育批判してその誤ちを正さなければならない。私的に占有している集団の財貨および国家の物資を引き渡すように大衆を教育するには、まず私的に占有している公共物を引き渡すように幹部を教育しなくてはならない。私的に占用している集団の耕地を差し出すよう大衆を教育するには、同様にまず私的に占用している集団の耕地を差し出すよう幹部を教育しなければならない。つまり、大衆を教育するにはまず先に幹部を教育し、 大衆の中の問題を解決するには、まず先に幹部の中にある問題を解決することである。事実は証明している。一部誤ちを犯した幹部が、もしも教育と大衆の助けを得て、誤ちを検討し、立場をしっかりとし、政治的限界をはっきりさせ、賠償や返却を行ない、かつ作風を改善すれば、大衆の自己教育の模範がうちたてられ、大衆の中の問題も比較的容易に解決されるのである。
大衆に対し社会主義教育を進めるには、正確な方法をもたなければならない。必ず説得教育の方針をとらなければならない。農民大衆には欠点や誤ちがあるが、必ず「団結——批判——団結」の方法を堅持して、忍耐づよく教育を進めさらに昔の苦しさを思い出し、進んだものと対比する方法をとってかれらの意識を啓発し、かれらの認識を引き上げ、かれらをして自覚的に誤ちを改めるようにしなければならない。かれらに対しては、大会を開いて闘争することは許されず、帽子をいたずらにかぶせることも許されず、さらに手で打ちすえるようなことは許されない。
九五%以上の農民大衆を団結させるためには、社会主義教育運動の具体的工作の中で、多くの政策の限界をはっきりさせなければならない。復活活動を進める階級敵と一時ぼんやりと敵に利用された落後分子とを区別し、投機やみ取引分子と資本主義の自然発生的傾向のわりに重大なものとを区別し、投機やみ取引活動と正常な市場取引活動とを区別し、資本主義の自然発生的傾向と正常な公社員の家庭副業とを区別し、高利貸し搾取と公社員間の相互扶助や共済および正常な経済的つき合いとを区別し、汚職窃盗とこそどろ行為とを区別し、封建的迷信を利用して金銭をだましとり人を損ない、封建的宗族支配を復活し、反革命活動を進める行為と大衆の中の落後した習慣や一般的な迷信行為とを区別する等々がそれである。これらの事柄についての処理は、いずれも実事求是の態度をとり、具体的に分析し、慎重に取り扱い、この問題はこの問題、あの問題はあの問題として、拡大してもならず、縮小してもならない。
そうでなければ政策を破壊し、大衆を傷つけ、運動に損害を与えることになる。これらすべての政策について限界をはっきりさせることは、同じく幹部問題の処理にも適用するが、それもまず最初に適用する。というのはこれらの政策の限界にまで及ぶ問題は、主に幹部の中で生れているからである。
「都市」から「下放」して農村へ行き、農業生産に従事している労働者、幹部、学生、復員軍人らは社会主義農村 ―を建設する一つの重要な力であり、かれらを軽視してはならない。かれらの中の多くはそれぞれ部隊、工場、機関あるいは学校で相当な革命教育をうけ、政治意識も比較的高く、またある程度の工作につき、経験と文化知識をもっている。必ずかれらとの団結に注意し、かれらの作用を発揮させる必要がある。
人民解放軍と公安部隊官兵の家族の大多数は貧農および下層中農である。軍人家族工作をうまくすることは、九五 %以上の農民大衆を団結させ、軍隊を強固にし、軍政および軍民間の団結を強化することに対して、重大な意義をもっている。今回の運動の中で、党と国家の軍人擁護、軍人家族優待の政策を深く宣伝し、真剣にこの政策の実行状況を点検すべきである。軍人家族は自己の栄誉を誇りとし、大衆の中で模範となる行動をとり、積極的に集団生産労働に参加し、断固として社会主義の道を歩むように教育しなければならない。幹部と大衆には軍人家族の栄誉を尊重し、一部の生活に困った軍人家族に対して適当な考慮を与えるよう教育しなければならない。現役軍人の結婚には国家の法律に照らして、保護しなければならない。
四 貧農下層中農の組織をしっかりとうちたてる
(一) 貧農下層中農の組織をうちたてるには、必ず貧しきものを訪れ、その苦労を尋ねて、根を深くはわせ気脈を通じ、運動が浸透するにしたがって、小より大へと一歩一歩発展させる方法をとらなければならない。根をしっかりとつけることが鍵である。まず最初に吸収するのは、立場がよく、労働がよく、集団を愛し、意識が比較的高く、政治的に純潔である貧農、下層中農であるべきである。欠点が比較的多く、立場がよくなく、労働もよくない一部の貧農、下層中農は、運動の中で教育と試験を経たあとで少しづつ吸収すべきである。貧しいものを訪れその苦労を尋ね根を深くはわせ気脈を通じ、深く入って貧農、下層中農大衆を発動するのは農村の階級隊伍を組織する最も根本的な工作である。おおむねこうした方法をとらないで、行政命令の方法をとってうちたてた貧農下層中農組織というのは、必ず有名無実のものとなり、なんの作用も起さないものとなる。以前のある時期、ある地方で、鳴物入りでいくつかの貧農下層中農組織をうちたてたことがあった。この類の組織は大多数が形式だけのものであり、あるいはひどく不純なものであった。この類の組織に対しては整頓工作を進め、工作を強化すべきである。
(二) 貧農下層中農組織は、中央決定草案が指適しているように、必ずその純潔性と大衆性を保持していなければならない。この組織に参加するものは、真の貧農、下層中農でなければならない。かつて階級を区別した時期に、ある地方では一部の上層中農、小商人、ひどいものは誤って地主、富農さえも貧農あるいは下層中農に入れて区分し、 また誤って一部の雇農、貧農を中農に入れて区分した。今回これをまじめに改めなければならない。偽の貧農、下層中農が貧農下層中農組織に紛れ込むことをきびしく防止しなければならず、同時にまた正真正銘の雇農、貧農をこの組織の外に排斥してはならない。およそ重大な政治経歴の問題があるもの、四類分子と結託しているもの、重大な誤ちを犯しまた何度か教育しても改めないものは、たとえ貧農、下層中農の身分であろうとこの組織に参加させてはならない。貧農下層中農組織の骨幹分子(たとえば、貧農下層中農協会の主席、委員会の委員、小組の組長)の中で、必ず旧雇農および貧農(訳注・・土地改革以前の〕が絶対的優勢を占めるよう保証しなければならない。しかし一定数の下層中農をも含めなければならない。貧農下層中農組織の骨幹分子には、さらに一定数の青年および婦人をも含めるべきであり、これは農村の青年工作および婦人工作強化に大きく作用するものである。貧農下層中農組織の最終段階では、大多数の貧農、下層中農大衆の参加を勝ちとるべきである。民族雑居の地域においては各民族の中の貧農および下層中農を吸収参加させるように注意すべきである。
(三) 貧農下層中農組織をうちたてる日常工作に注意しなければならない。貧農下層中農組織は政治運動の中で作用させなければならないだけでなく、日常の生産建設、集団経済およびプロレタリア階級独裁の強化の諸工作においてもその作用を発揮させなければならない。工作制度の上から、貧農下層中農組織の公社、生産大隊、生産隊に対する工作、およびこの三級幹部に対する協力と監督を進めることが充分できるように保証しなければならない。管理委員会は重要問題を討論する場合、貧農、下層中農の代表の出席を必ず要請しなければならない。公社各級幹部を教育するには、かれらを貧農下層中農組織に依拠して集団経済をうまく運営するよう学習させなければならない。 (四)貧農下層中農組織が日常工作をもつことができるかどうか、常に作用を発揮できるかどうかは党の指導によって決定される。公社党委員会および党支部は常に貧農下層中農組織の工作に関心をもち支援すべきである。社、隊と関係するすべての重大な事柄は、党内で討論する前に貧農下層中農組織の意見を求めるべきである。そして党内での討論がすんだ後では、まずこの貧農下層中農組織にその結果を伝え、かれらと相談し討論すべきである。それによってすべての農村党支部は、いずれも正しく党の農村における階級路線を理解し、かつ正しくこの階級路線によって工作を進めることを学びとらなければならない。
五 中農問題
中農問題は一つの重要な問題であり、農村社会主義教育運動の中で必ず正確に対処しなければならない。貧農および下層中農に依拠することを基礎とし、その上にその他の中農と堅固に団結することは、党が農村の中で長期にわたって実行してきた階級政策である。
中農に対処する問題において、その主なものは上層中農に対処する問題である。ここには二つの面が含まれている。一つはいかにして上層中農を他の中農と区分するかということであり、もう一つはいかにして上層中農と団結するかということである。
どのような基準をもって上層中農を区分するのか、この問題について一部の同志の中ではまだ明らかなものとなっていない。ある同志は単純に生活の富裕度を区分の基準としている。その結果、一部の貧農およびその他の中農を上層中農とし、ひどいものは合作化以後において、集団に依拠して生活が上昇したものまでも上層中農としていることである。こうしたことは農民の集団生産に対する積極性を動員するのに、まったく不利である。われわれが積極的に激励するところは、まさに広範な農民が集団に依拠し生産を発展させ、ともに富裕となることである。われわれが反対するところは、わずかに汚職窃盗、投機やみ取引き、公を損ねて私を肥やし、他人を損ねて自分の利益とし、金利搾取およびその他の搾取を行ない、少数の者のみ儲け多数のものが貧窮し破産するという、そのような資本主義の道だけである。
さらに政治的態度をもって上層中農区分の基準とする同志もいるが、これは科学的ではない。かつこの基準については意見の一致をみることはむずかしく、またきわめてつかみにくくもあり、その結果、往々にして思想の立ち遅れ、あるいは比較的欠点の多い貧農およびその他の中農を上層中農としてしまって、農村の階級隊伍を混乱させることになる。
以上二つの上層中農を区分する方法としてはいずれも間違いである。上層中農を区分する根本基準は、 の生産手段をもち、わずかながらも搾取を行なっているというところにある。上層中農の生活状況が一般的にその他の中農以上というのは、これはまさにかれらが比較的多くの生産手段をもち、わずかながらも搾取を行なっているからである。土地改革以後、貧農が中農に上昇したもので、少しの搾取もしていないものはいずれも新上層中農としてはならない。合作化以後、集団に依拠して生活が上昇した貧農およびその他の中農は、かれらがもはや主要な生産手段をもたないばかりか、金貸しや投機やみ取引きなどの搾取行為もしていないものは、いずれも新上層中農とすべきではない。
旧中農は土地改革の時、一般的に上層中農〔原注・・当時は、富裕中農と呼ばれた」と一般中農とに区分された。現在、 農村の階級隊伍を組織する時において、これらのある者を旧下層中農と確定することが求められている。いわゆる旧下層中農とは、旧中農の中にあって生産手段をもつことが比較的少なく、少量の労働力を売るかあるいは少量の債務をもたざるを得ないものであって、生活水準が比較的低い一部のものである。一般の旧中農の中で、旧下層中農を除いたものを中農と称する。これらのものは他人を搾取しないという点で、旧上層中農と区別し、これゆえにかれらを上層中農に入れるべきではない。それと同時にこれらのものは、経済的に自給自足することができ、一般的に労働力を売らず、債務をもたない点で旧下層中農とも区別し、そしてこれゆえにかれらを依拠すべき力とはできず、ただ団結する力とのみできるのである。
目下、農民各階層の身分について一部問題が存在しているが、農村工作に従事するすべての同志の中で、あらためて一九三三年発布の中央の農村階級区分に関する二つの文件および一九五〇年の政務院補充決定ならびに政務院の若干の新たな決定を学習する必要があり、それは認識の統一、階級分析の基準の統一をするうえにおいて役立つものである。農村の階級身分は一般的に、土地改革のときに区分された身分、ならびに合作化以前の変化を参照としてつくられた身分によるべきである。現在農村では相当普遍的に階級身分が比較的混乱した状況にあるので、社会主義教育運動の中では、まじめに一度身分整理工作を行なうことはきわめて必要なことである。すなわち、大衆の十分な討論を経て一つ一つの家庭の身分について審査と評定を進め、かつその階級書類資料の保管(檔案)をうちたてることが必要である。過去の誤った身分の区分についてはすべて改めるべきである。一部民主革命のあまり徹底していない地域、あるいは根本的に階級区分が行なわれなかった地域はあらためて新たに階級区分を行なうべきである。
上層中農は農民の中でも資本主義傾向を比較的多くもつ一つの階層である。農村における社会主義と資本主義との二つの道の闘争での一つの重要な面とは、貧農、下層中農が堅持する社会主義方向と上層中農の資本主義傾向との間の闘争である。上層中農の資本主義傾向に対しては必ず教育批判しなければならず、事情の重大なものには必要な闘争を進めなければならない。そうしなければ、かれらの動揺を制止し、かれらの貧農および下層中農の間にまきちらす影響をとりのぞき、集団経済を強固にすることが十分でなくなる。しかしかれらは勤労者であり、われわれの友人なのであるから、すべての教育批判あるいは闘争は、いずれもかれらと団結し引き続き社会主義の道をあゆみ、かれらを生産の中で正しくその作用を発揮させるためである。合作化以来十数年の事実が証明しているように、大多数の上層中農はわれわれに従って社会主義の道をあゆむことができるのである。
われわれと資本主義傾向をもつ上層中農との矛盾は、やはり人民内部の矛盾に属するものであって、これについては慎重に処理すべきである。貧農、下層中農を発動し組織することになった後では、この問題について特に注意しなければならない。なんでもかんでも一緒にして上層中農に反対するようであってはならない。われわれの反対するのはただ資本主義傾向のひどい上層中農が国家の利益、集団の利益および社員の利益を損ねる思想と行為のみである。 少数の上層中農の資本主義傾向に反対するにも敵対闘争の方法をとってはならない。かれらの社員としての権利を剝奪してはならず、また批判されるものにブルジョア分子としての帽子をかぶせてもならず、さらにかれらが集団労働により多労多得で得た正当な利益を犯してはならない。上層中農を地主や富農の側へおしやることは、われわれにとってたいへん不利である。
六 九五%以上の農村幹部を団結させる
社会主義教育運動の前段階の中で、各地では毛沢東同志が規定した「説得教育し、手を洗い体洗い、身軽になって工作につき、団結して敵に当る」という方針を実行し、九五%以上の幹部を団結させた。状況はきわめて良好である。 一年余りの経験が証明しているように、社会主義教育運動の中で農村幹部を取り扱う問題について、二つの偏向をふせぐよう注意する必要がある。大衆がなお立ちあがらず、「四不清」の現象がなお徹底して暴露されず、資本主義勢力と封建勢力に反対する闘争がなお展開されていないときには、往々にして基層幹部の中に存在する問題の重大性について認識不足であり、誤ちを犯した幹部に対して教育と批判が十分に厳格に行なわれず、職場をうつすにしても姑息となり、事情が曖昧になりがちである。これが一つの偏向である。階級闘争の蓋が徹底的に開かれ、大衆が十分に立ちあがった後でも、もう一つの偏向が生れてくる可能性がある、すなわち、敵対矛盾と人民内部の矛盾との区別をうまくやらず、敵に対する感情が誇大となり、基層幹部を黒一色にみなし、ひどいものはかれらを区別することなしに打撃の主な対象とさえすることである。この二つの偏向はいずれも有害なものである。目下の状況についていえば、 前の一つの偏向はわれわれがその危険な傾向を防止し改めるよう注意すべきものである。大衆が立ちあがらない時には、思い切って大衆が立ちあがるよう強調すべきであり、大衆が十分立ちあがった後では、実事求是のやり方で問題を取り上げ処理するよう強調すべきである。これは、大衆運動の火加減を掌握するかの問題であり、一つの指導芸術である。省、地、県の党委員会と一人ひとりの工作隊の指導員はいずれもこの芸術をうまく掌握しなければならない。 九五%以上の幹部を団結するために、以下の幾つかの重要問題について、必ず正確な認識がなければならず、正確な解決方法をとらなければならない。、
(一) 広範な基層幹部に対しどのような見方をするのか。全面的な分析がなければならず、一面的であることが最もよくない。農村基層幹部の中の非常に多くの人びとは大なり小なりの誤ちを犯し、経済上の「四不清」ばかりでなく敵と味方とを区分せず、階級的立場を失い、貧農、下層中農を排斥し、身分を隠し偽り、経歴をごまかすなどの政治的組織的な「四不清」もあり、その中には誤ちの比較的重大なものがわずかおり、ひどいものは脱落変質して階級敵の代理人や保護人となっている。これ以外にさらに少数の地主、富農、反革命、悪質分子が幹部隊伍に紛れ込んでいる。目をむけるべき問題は非常にきびしいものである。しかしもう一方で、目をむけなければならないのは、絶対多数の農村基層幹部は良好であり、あるいは基本的に良好であって、党の指導の下で社会主義の道を堅持できるものであるということである。階級闘争および生産闘争に積極的に参加する過程で、かれらの欠点と誤ちは一歩一歩改めることが十分に可能であり、かれらの思想意識が一歩一歩高められていくことも十分可能である。かれらのうちの七〇ないし八〇%の人は土地改革時の雇農、貧農および下層中農であり、その中の大部分はまた土地改革時および合作化の時期の積極分子である。かれらの中の多くの、今日犯している誤ちの大部分は、多く喰い多くをとり込み、手足がよごれ、階級観念が曖昧であるなどの一般的性質の誤ちに属するもので、重大な誤ちを犯しているものはごく一部分にしかすぎない。この一部分の重大な誤ちを犯した幹部は、大衆が十分立ちあがるという条件のもとで、党が正しい政策をとってかれらに対処すれば、かれらの中の大多数のものの誤ちは十分に改められることができる。農村基層幹部に対しては、こうした全面的な見通しがあってこそ、九五%以上の人を団結することが可能なのである。
(二) どのような方法をとって九五%以上の幹部を団結させるのか。唯一の正しい方法は、思い切って大衆を立ちあがらせ、矛盾を徹底的に暴露し、まじめに教育批判し、あるいは必要な闘争を進めて、幹部の意識を引き上げ、これによってまじめに手を洗い体を洗って、誤ちを改めることができるようにさせることである。誤ちを犯した幹部に対しては、救いようのない変質分子をのぞいて、工作隊はまず団結の願いをもたなければならない。しかし始めにおいては、また「四清」終了以前においては、一般的にいって団結はなお一つの願望にすぎない。ただ党中央の政策を断固として実行し、十分に大衆を立ちあがらせ、かつ正しい方法をとって、きめこまかな工作を経て、批判あるいは闘争を経て、存在する矛盾を正確に解決してこそ、革命の原則の基礎に立って九五%以上の幹部を真に団結させることができるのである。これこそが毛沢東同志の規定する「団結―批判一団結」の方法であり、「団結するという願いから出発し、批判あるいは闘争を経て矛盾を解決し、新しい基礎の上で新しい団結に達する」のである。一部の地方の工作隊は「四清」運動の中で、幹部を「傷つける」ことに怖れをいだき、幹部との団結の影響に怖れをいだき、幹部を倒すことができないことに怖れをいだくことによって、わずかな誤ちを犯した幹部に対し、ひどいものは重大な誤ちを犯した幹部に対してすら、姑息なことしかできず、批判も闘争もあえてせず、思い切って大衆を立ちあがらせてまじめにかれらの問題を解決しようともしない。こうしたことで団結したとしても、その結果はかえって大衆からひどく遊離してしまい、単に幹部の中において一種の表面的暫時的な偽の団結をもつだけである。こうした経験を教訓とし、さらに警戒すべきである。
九五%以上の農村幹部を団結させるには、まず九五%以上の農民大衆を立ちあがらせ団結させなければならない。 九五%以上の農民大衆を団結させてこそ、九五%以上の幹部を団結させるに、頼りとなる大衆を基礎にもつことができる。
(三)社会主義教育運動の中でどのように基層組織を取り扱うのか。状況を分け区別して取り扱わなければならない。およそ貧農、下層中農大衆に依拠し、貧農、下層中農大衆の信任を得、社会主義の道の良好な、あるいは基本的に良好な基層組織を堅持できるなら、工作隊は、基層組織に依拠して工作を進めてもよく、かつすすめるべきであるが、しかし、必ず根を深くはわせ気脈を通じ、大衆を十分に立ちあがらせてから、かれらが確実にこうした基層組織であることを証明しなければならない。貧農、下層中農大衆から離れ、ひどいものは貧農、下層中農大衆の利益を損ない、比較的きびしい問題をかかえている基層組織に対しては、「四清」を経て基層組織の問題が確かに解決され、 かつ貧農、下層中農の信任を得てはじめて基層組織に依拠して工作を進めることができる。地主、富農、反革命、悪質分子によって指導権を奪われ、変質分子によって指導権を握られている基層組織に対しては、改組を行なうべきである。しかし貧農、下層中農大衆を立ちあがらせ組織し、かつ確実な調査をした後で、はじめて改組することができる。当然、その中の一部の良好な、あるいは基本的に良好な党員および幹部については、かれらと団結するように注意し、一緒に工作を進めるべきである。
貧農、下層中農大衆に依拠することと、基層組織に依拠することとの関係について、われわれの政策は貧農、下層中農大衆に依拠することが基本的であり、決定的な面である。われわれが依拠しなければならない基層組織は、貧農、下層中農の利益を代表しているものであるから、結局のところ、基層組織に依拠するということは貧農、下層中農大衆に依拠するためということになる。
(四)誤ちを犯した幹部に対してどのように処理するのか。すべての精神は教育を主とし、処分を従とすることであり、状況を区別してそれに応じて個別に対処することであり、批判することおよび不正で得た臟品を返還することには厳しくするが、組織的に処分することは寛大にし、抵抗しこばむものは厳しくするが素直に自己反省し自供するものには寛大にすることである。具体的に行なう方法の上で、つぎの四つの環節をつかみとらなければならない。 第一、政策の限界を明らかにする。すでに列挙したものは別として、特に以下の二つの限界問題をはっきりと区別すべきである。すなわち、汚職窃盗と支出超過による流用および多くを喰い多くをとり込み、見栄をはった浪費との限界、腐敗堕落と生活作風の面での一般的な誤ちとの限界である。
第二、教育工作をうまくやる。誤ちを犯した幹部に対しては、かれらを大衆に検討させ、大衆の批判を受け入れさせなければならず、同時に病を治して人を救う態度をもち、心から熱意をもってかれらを幇助し、かれらの認識の誤ちを教育し、誤ちを改めさせなければならない。すなわち脱落変質した幹部に対しても批判闘争を経た後では、最大の努力をもってかれらを十分吸収しうるようにし、改めたものはことごとく吸収するようにすべきである。われわれの基層幹部の多くは旧社会において苦しい目にあい、圧迫をうけていたのであり、かれらに旧社会を思い出させ、これを新社会に比べさせると、かれらの階級意識を啓発させることがきわめて容易となる。これは階級教育を進めるうえできわめてよい方法であり、これを各地でひろく採用してもよい。
第三、経済面での返還や賠償をうまくやる。汚職窃盗による金銭や物資は多少にかかわらず、必ず返却あるいは賠償させなければならない。投機やみ取引きの誤ちを犯したもの、および高利貸しをしたもの(社会的に行なったものおよび農民の中で行なったものを含む)に対しては法律および党の政策に照らし、課税追徴、あるいは利息をとり、 あるいは罰金を課し、あるいはかれらの不浄な財を没収しなければならない。要するに、これらの誤ちを犯したものに経済的に都合のいい地位を占めさせてはならず、かれらをして教訓とし、再び誤ちを犯させないようにする。しかし計算については実事求是をもってあたらなければならず、賠償、課税追徴および罰金については情理にかない、また大衆が満足し、誤ちを犯したものが受け入れられるものでなければならない。適用期間はひどく昔にさかのぼってはならず汚職窃盗、投機やみ取引きをした集団の頭目および常習犯をのぞき、一般に「六○条」第一次修正草案が農村に下達された以後、すなわち一九六一年下半期から起算すべきである。汚職窃盗による財貨は、原物のあるものは原物により、原物のないものは割引きしてかねに換算して返却賠償してもよい。どの価格に照らして換算するかは、 一つの生産大隊の中で大衆討論により合理的に決定する。いっぺんにできないものは、期を分け分賦にしてもよい。
汚職窃盗分子および投機やみ取引き分子については、率直に自己反省して自供し、賠償をよくやり、また人民の憤りもそれほど大きいものでなければ、汚職窃盗分子あるいは投機やみ取引き分子としての帽子をかぶせなくてよい。 しかし引き続き責任ある幹部としての職務および金銭、物質取り扱いの職務を続けさせてはならない。もしも態度が悪く情状が悪く人民の憤りが大きいものは、県人民委員会の承認を経て、かれらに汚職窃盗分子あるいは投機やみ取引き分子の帽子をかぶせて労働をさせて、大衆の労働監督に移すべきである。一般社会において、および農民の中において、投機やみ取引き分子を、これらの原則に基づいて処理してもよい。
多くを喰い多くを取り込むという誤ちを犯した幹部に対しては、いずれもきびしく批判しなければならない。またその数量が大きく、情状の悪いものは必ず返却賠償しなければならず、一回でそれができないものは期を分けて返却してもよい。もしも本人がそれについて検討をうまくやり、大衆の同意が得られれば、情状を酌量して減額してもよい。数量が比較的少なく、一般的性格をもった多くを喰い多くを取り込むの誤ちであれば、本人がそれについて検討をうまくやり、大衆の同意が得られれば、返却賠償しなくともよい。しかし、すでに「四清」を行なった地方、あるいは、すでに中央の決定草案および本規定草案を大衆の前で読みあげた地方であるにもかかわらず、もし再び多くを喰い多くを取り込むことをしたものがあれば、多少にかかわらず全部を返却賠償させなければならない。多くを喰い多くを取り込むの誤ちを検査する場合、一般に一九六二年から起算すべきである。
組織の処理工作をうまくやる。およそ自ら進んでよく事情を説明し、検討をうまくやり、返却賠償をうまくやったものは、処理を軽くするかあるいは処分を免じてやってもよい。誤ちが重大で事情を説明することをいやがり、返却賠償を惜しみ、大衆が処分しなくてはならないと認めたものは、規律処分を加えなければならない。処分は適切なものでなければならず、こうした処分にはこうした処分を、という間違いのないものでなければならない。処分の面についてはきびしい統制を必要とする。救いようのない変質分子および幹部隊伍に紛れ込んだ地主、富農、反革命、悪質分子を除き、こうした規律処分を加えるもの(この種のものはいくらかきれいに洗いおとしている)で県単位で党からの除籍、行政上の免職処分をうける幹部の数を一般的に一%前後におさえ、多くとも二%を超えないようにするのが、比較的妥当な線であろう。一つ一つの省はいずれも各県特有の状況をもっており、各県の具体的な比率は、省、市、自治区党委員会がその具体的な状況に基づいて規定をつくり、それによって統制を加える。
誤ちを犯した幹部を処理するには、厳粛であり慎重であり、実事求是をもって処理しなければならない。運動の中で暴露した資料については、必ず事実を検証し、まじめに問題の性質の区分と情状の軽重を分析研究したうえでこれを処理しなければならない。誤ちを犯した幹部が、他人の行なった暴露、その他人自身の事情説明、取り上げられた問題についての本人自身の申し開きを許すべきである。およそ敵味方の矛盾と人民内部の矛盾をはっきり区別しにくい問題については、まず人民内部の矛盾としてこれを処理する。個別的な案件で適時処理すべきものをのぞいては、一般にいずれも運動の後期において行なう。すなわち指導と大衆がわりに冷静になったときに処理を行なうべきである。ただし、工作隊が村を離れる以前に、すべての処理を終了しなければならず、それまでに上部への承認を求め、 上級機関も工作隊が村を離れる以前に承認手続きを完了しなければならない。問題が一時に整理できないものは特別案件(専案)として、工作隊が小組織を残して引き続き調査をして処理してもよい。
誤ちを犯して処分された幹部が社会主義教育運動後に、もしも反攻してやりかえし、打撃報復を加え、集団経済を破壊するなどの重大な反党、反人民、反社会主義の行為をすれば、現行の反革命分子として処分しなければならない。党員であるものは必ず除籍しなければならない。
(五) 一年余りの各地で進められた社会主義教育運動の経験では、基層組織の中で重大な誤ちを犯した幹部は、往々にして上級機関あるいは他の機関のある幹部と相互に連係して、これらの幹部がかれらの頼みに応じて支持し庇護するということを明らかにしている。このような状況に対しては、徹底的に関係者を追求し究明しなければならない。それがたとえ一級機関の幹部であろうと、かれらの職位の高低にかかわらず、基層組織のわるい幹部と結託して悪事をはたらいているものは、いずれも必ずその地の大衆に対して公開の上これが検討を行ない、情状のひどいものはそれ相応の処分をうけなければならない。
(六) 今回の社会主義教育運動の中では、人を損ね物を破壊することに反対するばかりでなく、よい人よい事柄を表彰しなければならない。立場がしっかりし、工作に積極的で、集団を愛し、公正な仕事をし、制度を遵守し、清廉潔白に奉仕し、苦しみに耐え質素であり、積極的に集団労働に参加し、大衆の擁護をうけている幹部については、表彰して広範な幹部の中において、学習の手本となるようにすべきである。
七 幹部の集団生産労働への参加に関して
幹部を集団生産労働参加に動員し組織することは、社会主義教育運動の一つの重要な内容である。社会主義教育運動がまだ展開されていない地域においても、一部ではすでに幹部の労働参加を宣伝し普及しているところもある。現在、幹部が労働に参加しないといった状況は、多くの地方ですでにわずかだが改められている。しかしこの問題の徹底的な解決として、全国農村の幹部がいずれもまじめに集団労働に参加し、かつ長期にわたってそれを堅持していくには、なお多くの工作を行ない、多くの思想問題および実際問題を解決しなければならない。 目下、一部の幹部の中には集団労働に参加することの偉大な革命意義に対して、依然として認識不足であり、労働することを嫌い、労働を軽視する思想をまだうまく解決できていないものがいる。一部の指導機関では官僚主義の指導作風があって、会議が多く、統計報告を求めることが多いことの現象が依然としてあとを絶たないでいる。またある一部の地域では幹部が労働に参加した後で生じた実際上の困難な問題に十分注意を払っていない。こうしたことはすべて、幹部の労働参加という制度をしっかりうち立てることに影響を与えている。
以上の問題を解決するためには、必ず次の三つの事柄をうまくやらなければならない。それは、宣伝をする、制度を定める、指導機関の指導作風を改善する、ということである。
幹部すべてが必ず労働に参加することの偉大な革命的意義についての認識をさらに一歩高めなければならない。幾千年来、搾取階級が労働を軽視してきた思想の影響は、容易にとりのぞくことができるものではない。幹部に対して引き続き宣伝教育工作を行ない、まじめに深く幹部の労働参加に関する中央文件を学習するように、かれらを組織すべきである。かれらの思想状況に正面から対応し、かれらの思想問題を具体的に解決して、認識を引き上げ、意識を引き上げ、集団労働参加についての自覚を引き上げる。各々の幹部は、幹部の中に多くの誤ちが生じているのはいずれも集団労働にうまく参加していないことに関係があることを理解しなければならない。集団労働を離れることは脱落変質の始まりなのである。
生産大隊および生産隊の幹部を常に労働に参加させるためには、さらに必ず一まとまりの適切で実行可能な規章制度をうち立て、かれらの一年間の基本労働日数を規定し、かれらに対する補助手当の基準を規定し、工作と労働の合理的な配分などをこれに含めなければならない。大隊および生産隊ごとに、基本労働日は何日達成すべきか、補助手当は何工分にすべきかを決めなければならないが、これらはいずれも社員大衆の討論を通じて決められるものでなければならない。名目を巧みにつくろって、形を変えた工分、補助手当を実行することを許さない。大隊および生産隊幹部の工分および補助手当総額は、ノルマ手当および仕事外手当を含めて、生産隊工分総額の二%以内に必ずおさえなければならない。
各級指導機関、主に、県、公社両級機関の指導作風を改善することは、基層幹部の労働参加の重要な保証である。 県、公社両級指導幹部はいずれも一九五七年中央の幹部の労働参加に関する指示に照らし、毎年一定期間深く末端に入って生産隊社員といっしょに労働すべきである。県、社の指導幹部が農村の集団労働に参加して、実際を理解し、 大衆と連係し作風を改善することは、いずれも重要な意義をもつものである。このように指導幹部が身をもって範を示し、これを広範な基層幹部について言うなら、疑いもなくきわめて大きな牽引および促進作用を起こすだろう。
中央は過去において再三指示を与え、繰り返し命令を出して、中央の各専門部門、省、地、県、公社の指導機関が会議を簡素化し、統計報告のみに頼ることを厳しく抑えることを要求した。しかし、この問題は少数の部門や地方において、いまもなおまじめに解決されていない。こうした状況は必ず今すぐ改めなければならない。県、社両級指導機関は必ず「六〇条」の規定を厳しく実行し、やたらと電話会議を開いたり、基層幹部を集めて会議を開いたりすることは許されない。各種の会議について、およそ開くか開くまいかというものは決して開かず、次回で間にあうものは今回は開かず、合同で開けるものは単独で開いてはならず、部分的に開けるものは、集中して全体的なものとして開いてはならず、農閑期に開けるものは農繁期に開いてはならない。県級の各専門部門が公社各級幹部を召集して会議を開くときは、いずれも必ず県党委員会の承認を得なければならない。公社が大隊および生産隊幹部会議を二日以上にわたって開くときも、必ず県党委員会の承認を得なければならない。統計数字や統計表は県の統計部門がその上級の規定に基づいて統一的に制定発布するもので、その他の単位は一律に自ら作成し制定してはならない。県の統計部門は必ず国家統計局の一九六三年四月一五日の通知に基づき、統計報告作成の状況に対し、きれいに整理しなければならない。保留を必要とする統計報告は明細表をつくり人民公社に交付する。およそこの明細表にないものは、一律に報告することを停止する。省、地両級党委員会は、書記一名を指定してその責任者とし、その地域内での会議および統計報告の簡素化の状況を半年ごとに一回検査を行ない、各種の会議および統計作成報告を最少限度までに減らすよう保証しなければならない。
八 まじめに農村の党基層組織を整頓する
今回の社会主義教育運動は実際上一つの大衆性をもった整党運動である。各地の経験が証明しているように、党内問題の重大な地方では、党組織と大衆、幹部と大衆との関係はいずれもたいへん緊張している、階級工作のはげしい地方で、もし党の組織を整頓しなければ、社会主義教育運動は順調に進むことが不可能である。今回の運動では単に一人ひとりの党員についての一度のたいへん良い教育と検討が行なわれたばかりでなく、一つ一つの党組織についての一度のたいへん良い鍛練を行なうこともできた。今回の運動の中で、農村の党基層組織を一度整頓をする必要性と可能性がある。
省、地、県級の指導機関が社会主義教育運動を配置する時には、いずれも必ず整党工作の按配に注意し、この工作に対して指導を強化しなければならない。工作隊を組織する時には、党の工作経験をもつ一部の幹部を引き抜いて参加させるべきである。工作隊を訓練するには整党に関する内容をもたせなければならない。
今回の農村整党工作は社会主義教育運動の各項工作と密接に結びつけて進めるものである。社会主義教育運動の全過程は党の基層組織の整頓過程である。今回の運動中の整党工作は必ず以下の幾つかの要求を実現させなければならない。(一)すべての党員に一度きびしい階級教育と社会主義教育を受けさせ、一度党の基本知識と党員基準の教育を受けさせ、党員ごとに敵と味方の限界、資本主義と社会主義の二つの道の限界をはっきりさせ、さらに、前衛隊と大衆との限界をはっきりさせなければならない。
(二)党組織内の問題を徹底的に暴露して、まじめに解決し、党員の社会的身分、階級的立場、政治的経歴、思想作風および工作態度について、一度全面的に審査、鑑定を進める。
(三)変質分子および党内に紛れ込んだ地主、富農、反革命、悪質分子を一掃する。(四)重大な誤ちを犯した党員および比較的重大な誤ちを犯し、かつまた繰り返し教育しても改めない党員、および一貫して消極的で落後し、何度教育しても進歩がなく党員の基準に当てはまらないものに対しては、それぞれ区別して適当に組織処分を行なう。
(五)党員を教育する幹部、特に支部書記は先頭に立って集団労働に参加する。
(六)党基層組織の指導中核を充実し健全にする。
(七)党基層組織の日常工作および組織生活をうち立て健全にする。
(八)運動の最初から身分がよく、立場がしっかりし、社会主義の道を堅持する一部の積極分子を養成しておき、運動の後期に党内および貧農下層中農大衆の討論と同意を経て、かれらを紹介し入党させるのに便利なようにする。この八項の要求が実現されると、 党の農村基層組織も基本的に整頓されることになり、党員の登記工作も完了する。
「前の誤ちを後の戒めとし、病を治して人を救う方針を実施し、そして思想を清め、また同志を団結するという、 この二つの目的を達成する」という毛沢東同志の規定は党内闘争の原則であり、当然農村における整党工作中に守らなければならない根本原則である。党の農村基層組織を整頓するには、当然党内批判と党外批判とを相互に結びつける方法をとるべきである。まず、党内会議を開き、その後に再び貧農、下層中農大衆の積極分子を出席させた党会議を開き、これらの会議で批判と自己批判を進める。誤ちを犯した党員に対する処分は、運動の後期まで手をつけないでそのままにしておく。党員を処分するには、必ず厳格に党規約に照らして行ない、処分をうけるものの説明と申し開きを許し、一定の承認手続を経なければならない。
九 地主、富農、反革命および悪質分子に対する処理
社会主義教育運動中において、必ず一つの専門的な段階を設定して、大衆を発動し、敵対闘争を展開しかつ地主、 富農、反革命および各種の悪質分子の問題を正しく処理する。われわれの方針は、資本主義勢力と封建勢力の進攻を断固として打ち破り、かつ闘争を通じて広範な農民、特に貧農、下層中農大衆の階級意識を大きく一歩高め、それと同時に闘争の矛先を適確に集中して、重大な破壊活動をする地主、富贵、反革命、悪質分子に向けなければならず、 攻撃面を拡げてはならない。
運動中に暴露された転覆活動および破壊活動をしている四類分子については、大衆を発動し、道理を説く闘争を進めてかれらを屈服させなければならない。闘争後はかれらを大衆の監督下におき、大衆の力に依拠してかれらに対し独裁を実行し、かつかれらの中の絶対多数の人びとを新しい人物に改造する。今回の運動では、報復、殺人、強奪、 放火、放毒の凶行で、人びとのきわめて大きな憤りをかった現行犯に対しては、必ずすぐにこれを逮捕して法によって処分しなければならないが、それ以外の破壊活動をした四類分子に対しては基本的に「一人りも殺さず、大部分 (九五%以上)は捕えない」方針をとり、大衆にあずけて改造する方法をとる。逮捕しなければならないような破壊活動をしている少数の四類分子も、まずかれらを大衆の中に置いて闘争を進め、それによって敵を暴露し、大衆を教育し、適当な時に審査と承認を経、法によって逮捕する。逮捕するには二つの基準を厳格につかんでいなければならない。第一、罪が大であり、証拠が確かで、しかも悔い改めないもの。第二、絶対多数の大衆が逮捕を要求しているもの。この二条を実施すれば、われわれは逮捕について誤りを犯さないであろう。破壊活動をした四類分子に対して 「一人りも殺さず、大部分を捕えない」方針を基本的にとるべきであるというのは、われわれが経験に基づき、広範な大衆に依拠して、かれらに対し独裁を実施し、監督、闘争、教育を実施しているからであって、かれらを捕えて殺すことよりも、さらに人民大衆と社会主義の利益となるからである。第一に、かれらの絶対多数は自覚した大衆が正確な方法をもって、かれらをよい人間に改造することができ、第二に、かれらは社会労働生産力の一部であり、第三に、かれらの子女を獲得するのに有利である。一つの省、一つの専区の範囲について言えば、結局のところ少数の大罪極悪または悔い改めない分子が多数の大衆によって逮捕を要求され、また個別的に極刑を要求されるものも、それはそれとしてまったく必要なことである。死刑の判決を下すには、必ず厳格に過去の規定に照らして、中央の承認を経なければならない。
横領、投機やみ取引き、あるいは窃盗行為のある地主、富農分子のすべての非合法所得はいずれもきびしく処理すべきである。投機やみ取引きについては、課税追徴、罰金あるいは没収としなければならない。窃盗については、全部返還しなければならない。横領については、全部返還しなければならない。つまり、経済上の処分はきびしくしなければならないが、計算は実事求是をもって行なう。 今回の運動の中で、大衆を発動し、四類分子に対し一度全面的な批判と審査を行ない、適切にかれらの日常の監督と改造工作を強化する。すでに帽子をとったが、なお転覆および破壊活動をするものにあらためて四類分子の帽子をかぶせるには、県人民委員会の承認を経て、そうすることができる。個別的には、確実によくなったことを示す四類分子は県人民委員会の承認を経て帽子をとることができる。現在、一部の農村では独裁の対象が明確でない状況が存在している。たとえば、ある地主、富農、反革命、悪質分子であり、また右派分子であるものが、ある地方から他の地方へ逃げこみ、農村から都市へ逃げこみ、人民の監督を避けているものである。今回の運動の中で、各地の独裁の対象についての実際状況に即し、さらに一度整頓を行なうべきである。
北方においても南方においても、一部の地域の民主革命が不徹底、あるいはきわめて不徹底であり、今回の社会主義教育運動の中では、必ずまじめに民主革命を補強する工作を進めなければならない。それらの地方においては徹底的に民主革命を進めてこそ、社会主義革命を順調に進めることができるのである。
土地改革の時に区分から漏れた地主、富農については必ずきれいに検査しなければならない。およそ破壊活動のあるものは、いずれも県人民委員会の承認を経てかれら地主、富農の帽子をかぶせなければならない。およそ態度の良いものおよび一般的であるものは、貧農下層中農組織の討論を経て、地主、富農の帽子をかぶせなくてよいが、しかし大衆に対しかれらのもとの身分を宣布しなければならない。
いくつかの試行地点の調査によると、この二年ばかり色々な原因によって、かなりの地主、富農の家庭は、経済上、 中農や貧農の家庭に比べてその生活の向上がはやい。これは一つの注意を要する動向である。今後、経済上かれらの如何なる非合法活動をもきびしく禁止し、それに加えて、かれらが達成しなければならない基本労働日および奉仕労働(民工建勤)の任務を規定すべきである。かれらの子弟は軍に参加することも民兵訓練に参加することもなく、また会議やその他の社会活動に参加することもきわめて少ないので、かれらの家庭については合理的に義務労働を多く負担させなければならない。もちろん、かれらが労働で得た正当な利益に対しては保障し、分配面で同じ労働には同じ報酬(同工同酬)を与えなくてはならない。
一〇 地主、富農の子女問題に正しく対処する
地主、富農の子女の政治的態度や思想の状況は、総じて両端が少なく、中間が大となっている。すなわち、少数のものが家庭の影響を深くうけ、あるものは親を殺され仇として党や人民に対して骨までしみるような恨みをいだき、 階級としての報復を進め、封建的な復活、反革命活動に関係をもっている。また、その反面少数のものは家庭の影響をうけることが少なく、政治上では進歩を求め、勤労人民になりかわろうとし、社会主義のために奉仕することを願っている。大多数のものは自分の家庭との限界をはっきりさせず、勤労人民に対する関心に欠け、政治上では一般的といったもので、これらのものはまさに十字路に立っており、敵階級とわれわれとが青年を奪取する場合の部分的に主要な対象となっている。われわれはかれらに対する教育と改造工作を強化し、かれらが自己の出身階級に抜いて、 社会主義の道を歩むようにさせるべきである。社会主義教育運動の中で、九五%以上の大衆を団結させ、地主、富農の子女の大部分を抱擁するべきであるというのは、かれらを闘い取るべきすべての人の中に加えることでもある。
地主、富農の子女をとりあつかう問題では、二つの偏向を防止し、矯正しなければならない。一つは階級観点と階級警戒に欠け、少数の地主、富農の子女の反動的言動に対して必要な闘争をしないことであり、他の一つは地主、富農の子女を地主、富農分子と同等にとりあつかい、区別もせず一律にかれらが公社社員となることを許さず、何らかの社会工作を担当することに対し許さない点であって、都市の工場や学校から帰郷して農業生産に参加する地主、富農出身の共産主義青年団員を、団組織がかれらの組織関係をうけつがず、あるいはかれらが団の会議に参加することを許さない点であり、ある地方では地主、富農出身の団員を団からすっかり追い出し、同じく地主、富農家庭出身の少年先鋒隊員を除隊させているものすらある点である。この二つのやり方はいずれも間違いであり、党の政策に合致するものではない。
地主、富農の子女は搾取階級の家庭で成長し、大小いろいろとその影響をうけているので、勤労人民の子女、とくに貧農、下層中農の子女と区別すべきものがある。しかし地主、富農の子女の大部分は年齢がわりに低く、直接搾取には関係していないし、搾取分子ではないので、かれらを地主、富農分子と同様にとりあつかってはならない。地主、富農子女は土地改革当時ですら、地主、富農分子としての帽子をかぶせられなかったのであるから、現在そうした帽子をかぶせるべきではない。反動的な立場をとる少数のもの、あるいは犯罪行為があって法律上の制裁をうけているものを除き、一般的にはいずれもかれらの態度如何に基づき、社員の同意を経て、かれらを公社社員とすべきである。四類分子を集める会議にはかれらの子女を参加させるべきではなく、またかれらの代理としてかれらの子女を出席させるべきではない。
今回の社会主義教育運動の中で、地主、富農の子女に対する教育と改造工作を強化すべきである。かれらを吸収し大衆大会に参加させ、教育をうけさせてもよいし、またかれらを集めて会を開き、古参の貧農、下層中農に頼んでかれらの家庭の搾取の歴史やかれらの両親の罪を暴露して階級教育を進め、かれらの認識を高めることもよい。少数の反動的立場を堅持し、きびしく反攻、横領行為およびその他の破壊行為のある地主、富農の子女に対しては、今回の運動の中で必ず大衆を発動し、かれらに対し道理を説く闘争を進め、情状のひどいものには、法律にしたがって制裁を加えるべきである。
地主、富農の子女は一律にその地の基層指導幹部を担当することはできず、また一般的に会計担当員、保管員、出納員、社隊企業および事業の管理人など重要職務を担当することはよくない。しかし、比較的長期間にわたって観察し、態度のよい地主、富農家庭出身の青年学生、郷里に帰ってきた労働者・職員、復員軍人に対しては、必要に応じてかれらに適当なわずかの工作(社会工作を含む)を配分し、かつ工作中においてかれらを教育し改造してもよい。




