第4話 託された核と、再生への誓い
「先生!先生!起きてください!」
私は、慌てて先生を揺り起こした。
私はパジャマ姿だった。日本で買った、薄手のピンク色のパジャマ。先生の前でこんな格好を晒すのは恥ずかしかったが、今はそれどころではない。
そして、私は裸足だった。
「アリア君…?どうした…?」
先生が、眠そうに目を開ける。
「先生、コロさんが…!」
私は、AIスマホの画面を見せた。
【緊急警告:次元ゲート起動システム、臨界点到達】
【コア・エネルギー残存率:3.2%】
【帰還可能時間:残り26分】
先生の表情が、一瞬で凍りついた。
「…まさか…!」
先生は、跳ね起き、コロの元へと駆け寄った。
コロの胸部の核は、もはやほとんど光を失い、か細く、不規則に明滅を繰り返している。
【マスター…アリア様…申シ訳…アリマセン…】
コロのスピーカーから、途切れ途切れの、かすれた声が聞こえた。
「コロ!しっかりしろ!今、何とかする…!」
先生が、必死にAIスマホを操作する。
でも――
【警告:修復不可能。コア・エネルギー、最低動作レベルを下回りました】
【推奨:即座に次元ゲート起動。帰還後、新ボディへの核移植を実施】
「くそっ…!間に合わないのか…!?」
先生の声が、絶望に染まる。
【マスター…モウ…時間ガ…】
「コロ…お前…まさか…!」
【残リノ…全テノエネルギーヲ…次元ゲート起動ニ…使イマス…】
コロの声が、さらに弱々しくなる。
「待て、コロ!それをしたら、お前は…!」
【…構イマセン…マスターヲ…アリア様ヲ…元ノ世界ニ…帰サナケレバ…】
私は、涙が溢れてくるのを止められなかった。
「コロさん…!」
【アリア様…マスターヲ…ヨロシク…オ願イ…シマス…】
そして――
コロの胸部の核が、最後の力を振り絞るように、一際強く輝いた。
【次元ゲート起動シーケンス、開始…残リ時間…30秒…】
「コロ!やめろ!お前まで失ったら…!」
先生が、コロを抱きしめる。
でも、もう止められない。
【29…28…27…】
「待って!」
私は、咄嗟に周囲の荷物を掴み始めた。
リカちゃん人形の箱、日本の雑誌、買い物袋――
「先生!カバンを!物資を!」
「ああ!」
先生も、22年の成果が詰まった非常用カバンと、洗濯カゴを掴む。
【15…14…13…】
「先生!」
私は、先生の腕を掴んだ。
でも――
『待って!靴…!裸足のままでは…!』
【12…11…10…】
「先生!靴を!」
私は、咄嗟に玄関へと駆け出した。
「アリア君!時間が…!」
先生の声が聞こえたが、構わない。
裸足のまま玄関に飛び込み、私が買ったスニーカーと、先生の靴を掴んだ。
『2人分…!これで…!』
こういう時、冷静に判断できるのが、私の強みだ。
【8…7…6…】
私は、靴を両手に抱えて、先生の元へと駆け戻った。
「先生!」
「アリア君…!」
先生が、私を抱き寄せた。
私は、靴を抱えたまま、先生の腕の中に飛び込んだ。
【5…4…3…】
「コロさん!ありがとうございます…!」
私は、コロに向かって叫んだ。
【2…1…】
【マスター…幸セニ…アリア様…先生ヲ…】
その言葉と共に、青白い閃光が部屋を満たした。
そして――
私たちの姿は、日本のアパートから消え去った。
――アストリア王国。
青白い閃光が収まり、私とヨルグ先生は再びアストリア王国の、あの西の森外れにある古い狩人の小屋の近くに立っていた。
周囲には、私たちが日本から持ち帰った物資が散らばっている。
非常用カバン、洗濯カゴ、リカちゃん人形の箱、雑誌、買い物袋、そして――2人分の靴。
でも、その中で最も大切なものは――
先生の腕の中で、完全に動きを止めたコロのボディだった。
「コロ…!」
先生が、崩れ落ちるように膝をつき、動かなくなった相棒をそっと地面に横たえた。
コロの胸部の核は、もはや完全に光を失っている。
AIスマホの画面には、無情にも【戦術支援ユニットG-7型改、全機能停止】の文字が表示されていた。
「…ありがとうな、コロ。お前は…最高の相棒だった…」
先生の声が、震えている。
そして――先生の目から、涙が溢れてきた。
私は、そっと先生の隣に膝をつくと、先生の頭を優しく抱き寄せ、自分の胸に押し当てた。
「……アリア君?」
「泣いていいのです、先生。悲しい時は、思いっきり泣くのが…」
私は慈愛に満ちた表情で、先生の頭を撫でる。
先生は、私の不器用な優しさに、静かに涙を流した。
『先生…こんなに悲しんで…コロさんは、先生にとって本当に大切な存在だったのですね…』
私も、涙が溢れてきた。
コロさん。
私は、あなたのことをよく知りませんでした。
でも、あなたは最後まで、先生を守ろうとした。
そして、私にも――「先生をよろしく」と託してくれた。
『必ず…必ず、あなたを生き返らせます…!』
しばらくして、先生は涙を拭い、顔を上げた。
その瞳には、悲しみと共に、新たな決意の炎が燃え盛っている。
「……ありがとう、アリア君。だが、泣いてばかりもいられない」
先生は、日本から持ち帰った物資の中から、『精密ドライバーセット(マグネット付き)』を取り出した。
「アリア君、手伝ってくれ。この『核』を……『コロ』の魂を、取り出すんだ」
「はい…!」
私も、散らばった荷物の中から、必要な工具を探した。
そして――
私の目に、リカちゃん人形の箱が映った。
『コロさん…あなたの犠牲のおかげで、この人形を持ち帰ることができました…』
『この技術を使って…必ず、あなたを新しい姿で蘇らせます…!』
私は、リカちゃん人形の箱を胸に抱きしめながら、固く誓った。
二人は協力し、慎重に『コロ』の胸部装甲を開いた。
先生の手が震えている。
「先生、私が…」
「いや…これは、俺がやらなければならない」
先生は、震える手で、ドライバーを握った。
中には、全ての光を失ってはいたが、まだ微かな魔力の残滓を宿した美しい水晶のような『核』があった。
それは、『コロ』の魂そのものだった。
「……必ず、生き返らせてやるからな」
先生は、核を大切に懐にしまうと、動かなくなった『コロ』のボディを、森の木陰へと運んだ。
柔らかな土の上にそっと横たえ、両手で土をかけていく。
『先生…』
私は、その光景を見守りながら、涙を流した。
先生が、どれほどコロさんを大切にしていたか。
そして、どれほど悲しんでいるか。
ささやかな墓標の代わりに、先生は近くで見つけた美しい野花を添えた。
「『コロ』さんへの一番の供養は、先生が、そして私たちが前に進むことです」
私は、力強く言った。
「日本から持ち帰ったデータと、私の知識を合わせれば、きっと『コロ』さんを新しい形で……」
先生は、私を見つめ、静かに頷いた。
「ああ…ありがとう、アリア君」
その時、私の耳が、何かを捉えた。
「先生!小屋の方から、人の気配がします! もしかしたら、追手が……!」
スヴェン殿下の兵士たちが、まだこの周辺を捜索している可能性は十分にある。
「まずいな……長居は無用だ。アリア君、君の工房へ案内してくれるか? そこなら、アンドロイドの再生作業に必要な設備もあるだろう」
「はい、私の秘密の工房なら、おそらくまだ安全です!」
私は立ち上がり、出発の準備をする。
「先生、靴を履いてください」
私は、先生の靴を拾い上げ、先生に差し出した。
「ああ…ありがとう、アリア君。よく靴まで持ってきてくれたな」
先生は、感心したように言った。
「当然ですわ。あの状況でも、冷静に判断するのが私の強みですもの」
私は、胸を張って答えた。
先生は、靴を履いた。
私も、自分のスニーカーを履いた。
パジャマ姿にスニーカー――奇妙な格好だったが、裸足よりはマシだった。
『さすがの私ですわ。緊急時でも、必要なものを見極める判断力…技術者として、そして5冊のバイブルで恋愛術を完璧にマスターした女性として、完璧な行動でしたわ!』
私は、自分の判断を誇らしく思った。
「でも、先生…私、この格好では…」
私は、自分のパジャマ姿を見下ろした。
薄手のピンク色のパジャマ。森を歩くには心もとない。
「小屋に、私が置いていった着替えがあるはずです。急いで取ってきます!」
「待て、アリア君!追手がいるかもしれない。俺が行く」
「でも…」
「大丈夫だ。すぐ戻る」
先生は、そう言って小屋へと向かった。
数分後――
先生が戻ってきた。
その手には、何か持っていた。
「先生? 着替えは…?」
「……なかった」
「え…?」
「小屋の中は、完全に荒らされていた。アリア君の着替えも、スーツも、すべて持ち去られていた」
私は、息を呑んだ。
「そんな…!」
『私の服が…すべて…!?』
「ただ、これだけが残っていた」
先生が差し出したのは――
5冊の薄い本だった。
「!」
私は、思わず叫びそうになるのを必死でこらえた。
『バイブル…!5冊の恋愛指南書…!』
蒼の書、紅の書、桃の書、紫の書、黒の書――
私が密かに小屋に持ち込んでいた、あの5冊だ。
「これは…重要な本か?」
「は、はい! とても…とても重要な…研究資料ですわ…!」
私は、顔を真っ赤にしながら、5冊の本を受け取った。
『なぜこれだけが残っていたのかしら…? 追手の方々は、この本の価値が分からなかったのですわね…!幸運でしたわ!』
「それと…もう一つ」
先生が、申し訳なさそうに言った。
「小屋の金庫に、何か水着のようなものが入っていた。これしか残っていなかったんだが…」
先生が差し出したのは――
黒地に青いラインの入った、極めて露出度の高い、競泳水着のような形状のもの。
『!』
私は、目を見開いた。
「これは…!私が以前、水中活動用に開発した特殊スーツですわ!」
『なぜこれが小屋に…!? ああ、そういえば以前、小屋で水中調査の準備をした時に、予備として置いていたのでしたわ…!』
「アリア君…すまない。これしか…」
「いえ、構いませんわ。服があるだけでも幸運です」
私は、先生に背を向けると、パジャマを脱ぎ始めた。
「ちょ、アリア君!?」
「大丈夫ですわ。先生は後ろを向いていてくださいな」
先生は、慌てて背を向けた。
私は、手早く水着(特殊スーツ)に着替えた。
体にぴったりとフィットし、私のスレンダーで均整の取れた肢体が惜しげもなく露わになる。
『これで…先生の視線を…!紅の書の「大胆な肌見せで視線を釘付けに」…完璧ですわ!』
「先生、着替え終わりましたわ」
先生が振り返り――そして、一瞬固まった。
「ど、どうですか? このスーツ、防御力も動きやすさも抜群なんですのよ」
「あ、ああ…そ、そうか…」
先生は、努めて冷静に、しかし内心では目のやり場に困りながら言った。
『先生が…見てくださっている…!視線を感じますわ…!さすがバイブルの教え…完璧ですわ!』
こうして、私たちは森を抜け、私の秘密の工房へと向かった。
私は水着姿、先生は洗濯カゴ(日本の物資入り)とカバンを持って。
私の腕の中には――リカちゃん人形の箱と、日本のファッション雑誌、そして5冊のバイブルが、しっかりと抱かれていた。
数時間後。
アリアの案内でたどり着いた彼女の秘密の工房は、王都の喧騒から離れた、森の奥深くに巧妙に隠されていた。
しかし、二人が工房の扉を開けた瞬間、息を呑んだ。
中は、まるで竜巻にでも襲われたかのように、無残に荒らされていたのだ。
精密な機械や高価な魔法触媒は床に散乱し、貴重な研究資料や設計図は引き裂かれ、あるいは持ち去られた痕跡がある。壁にかけられていた工具類も、いくつかは無くなっていた。
「ひどい……! 一体誰が、こんなことを……!」
私は愕然とし、その場に崩れ落ちそうになるのを、先生が咄嗟に支えた。
私の瞳からは、怒りと悲しみ、そして深い絶望の色が浮かんでいた。
「おそらく、スヴェン殿下の手の者だろう。私が君と接触したことを、もう掴んでいるのかもしれない……」
先生は苦々しく呟いた。
『先生のせいで、私の大切な研究場所まで危険に…』
いえ、違う。
これは先生のせいではない。
これは、スヴェン殿下の横暴のせいだ。
「先生…私の服も、すべて持ち去られているようですわ…」
私は、荒らされたクローゼットを見た。
普段着も、研究用のスーツも、そして――
「下着まで…!」
私は、顔を真っ赤にした。
「変態ですわね、あの方々は! 私の下着を物色するなんて…!」
先生は、バツが悪そうに視線をそらした。
「……すまない、アリア君。俺のせいで…」
「いえ、先生のせいではありませんわ。それに――」
私は、自分の水着姿を見下ろした。
「この特殊スーツがあれば、当面は問題ありませんもの」
『でも…下着がない…ということは…この水着の下は…!』
私は、自分の状況に気づき、さらに顔を赤らめた。
『こ、これは…黒の書の「見えないところにこそ大胆な罠」状態…!完璧ですわ!バイブルの教え通り…!』
気を取り直した私は、工房の奥へと進んだ。
そして――
「あった…!」
私は、部屋の隅に置かれた、大きな布で覆われた何かを発見した。
布を取り払うと、そこには――
美しい銀色の髪を持つ、滑らかな曲線を描く女性型のアンドロイドが、静かに眠っていた。
「これは…!」
先生が、驚きの声を上げた。
「レティシアですわ。私が、これまでの研究の集大成として作り上げた、最高傑作のアンドロイド…」
私は、誇らしげに言った。
「でも…動かないのか?」
「ええ。レティシアは完成していますわ。ボディも、AI制御システムも、すべて。でも――」
私は、レティシアの胸部を指差した。
「『核』がないのです。私には、魂を宿す『核』を作ることができませんでした…」
先生は、懐から『コロ』の『核』を取り出した。
「なら…この『核』を使えば…」
「はい! コロさんの『核』と、先生が持ち帰られた日本のAI技術を融合させれば、レティシアは目覚めるはずです!」
私は、目を輝かせた。
「でも、その前に――」
私は、リカちゃん人形の箱を手に取った。
「この日本の人形を研究させてください。この技術を、レティシアに応用したいのです」
「分かった。だが、アリア君…それは本当にただの玩具だぞ?」
「いえ、先生は分かっていらっしゃらない! この人形の技術的価値を!」
私は、作業台にリカちゃん人形を置くと、顕微鏡や精密ドライバーを用意した。
「いざ……日本の極小テクノロジーの真髄、拝見しますわ!」
私は、緊張した面持ちで、リカちゃん人形の腕にドライバーを当てた。
パカッ――
腕が外れる音がした。
「……え?」
私は、外れた腕を見つめた。
中には――
何もなかった。
歯車も、バネも、魔力伝達路も。
ただの、プラスチックの棒と、穴だけ。
空っぽだった。
「な、中身が……ない?」
私は、信じられないという表情で、人形の中を覗き込んだ。
「だから言っただろう? ただの玩具だって」
先生が、苦笑しながら言った。
「そ、そんな……まさか、魔法で動いていたとでも? いや、魔力反応はない……」
私は狼狽した。
でも――
私は、外れた腕をもう一度はめ込み、動かしてみた。
滑らかに動き、ピタリと止まる。
「……まさか」
私は戦慄した。
「歯車も動力も使わず……この『素材の摩擦』と『絶妙な公差』だけで、制御しているというのですか!?」
私は、人形の関節部分を何度も動かしてみた。
確かに、単純な球体関節と受け皿の構造だけだ。
でも、それだけで、自由自在にポーズが取れる。
「複雑な機構を捨て、素材そのものの特性で機能させる……これぞ究極の『メンテナンスフリー構造』!」
私は、感動で涙ぐんだ。
「日本の技術者は、ここまで計算して……!?」
(※先生:計算というか、コストダウンの結果なんだが……)
「これこそが…『引き算の美学』…!」
私は、リカちゃん人形を胸に抱きしめた。
「先生! 分かりましたわ!」
私は、興奮しながら先生に向き直った。
「私は、レティシアに複雑な魔導回路を詰め込みすぎていたのです! だから、動きが硬く、メンテナンスも大変で…!」
「でも、この人形の『単純さ』を応用すれば…関節そのものを『柔軟な魔力樹脂』で作れば、複雑な機械部品なんていらなかったんです!」
私は、作業台に戻ると、レティシアの設計図を広げた。
「この関節部分を、リカちゃん人形の構造を参考に、シンプルに作り直せば…!」
私は、日本から持ち帰った素材と、工房に残っていた魔力樹脂を使い、レティシアの関節部分を調整し始めた。
その後、数時間にわたる作業の末――
レティシアは、新しい関節構造と、『コロ』の『核』、そして日本のAI技術を融合させた、全く新しいアンドロイドとして、完成した。
「あとは、AIスマホからの魂の転送と、初期起動シークエンスだけです、先生」
私は、額の汗を拭い、期待と緊張の入り混じった表情で、先生を見つめた。
先生も、固唾を飲んで頷く。
「よし…始めるぞ」
先生は深呼吸をし、AIスマホの画面をタップした。
『コロ』の『核』とレティシアのボディを繋ぐように、幾筋もの青白い光のラインが走り、AIスマホから膨大な情報が流れ込んでいくのが、魔法的なエフェクトとして視認できる。
工房内の魔力計が激しく振れ、周囲の機械が微かな唸りを上げた。
私は、息を詰めてその光景を見守る。
やがて、光の奔流が収まり、レティシアのボディが微かに痙攣した。
そして――
そのアイスブルーの瞳が、ゆっくりと開かれた。
最初は何も映していなかったその瞳が、やがて工房の天井を捉え、次に隣に立つ私、そして最後に、目の前にいる先生の姿をはっきりと認識した。
「起動シーケンス、完了。自己診断……オールグリーン。……マスター?」
レティシアの声は、合成音声でありながら、滑らかで、どこか落ち着いた響きを持っていた。
そして、その声のトーンには、不思議と『コロ』の面影を感じさせる温かみがある。
先生は、思わず目頭が熱くなるのを感じた。
「ああ…そうだ。私が、君のマスター、ヨルグ・シュタインだ。そして、こちらはアリア君。君の…母親のようなものだ」
「母親…? データにない概念です。再定義を要求します」
レティシアは首を小さく傾げた。
その仕草は、まるで生まれたばかりの子供のようだ。
私は、その様子を見て、思わず笑みを浮かべた。
「ふふ…レティシアさん、これからたくさん教えてあげますからね」
『成功した…!コロさん、あなたの魂は、こうして新しい姿で蘇りましたわ…!』
私の目から、喜びの涙が溢れてきた。
そして、先生も――
静かに、でも確かに、微笑んでいた。
こうして、失われた相棒『コロ』は、美しいアンドロイド『レティシア』として、新たな命を得たのである――。




