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救出作戦その1

 皆さんどうもガクーンです。

 今回からルリアーナ救出作戦が開始します。

 では、お楽しみください。

「ガイズ、分かったな?」


「もちろんだ!」


 俺達二人はルリアーナを救出する為、幽閉されている可能性がある地点をオッサンが印を付け、そこを手分けしてまわろうとしていた。


 オッサンが印を付けたのは全部で3箇所だ。一つ目はネイフィン公国の近くにある森の中にアジトを構える盗賊団の拠点。話によるとオッサンの敵対勢力の下部組織が運営しているらしく、総勢50人は下らないらしい。また、ネイフィン公国近辺では比較的名の知れた連中らしく、注意が必要の事。

 そんな危険な盗賊団へ行くのはガイズだ。俺はガイズにそこまでのルートを伝え、そこにいる奴らは一般市民の生活を脅かしている、悪なる組織の連中だという事を説明すると……


「なに!? そんな連中は生かしておけないな! 俺に任せとけ!」


 と息巻いていた。うん。これで一つは解決したと言っても良いだろう。勿論、ルリアーナが幽閉されている可能性もあるからその事もきちんと伝えておいた。


 二つ目は地方に住むとある貴族の屋敷だ。その屋敷はネイフィン公国近くの町にあるらしく、その町の領主である男はルリアーナに恋している者の一人らしく、これまでに3度、ルリアーナに求婚を申し込んできたのだという。


 より深く話を聞いたところ、毎年ルリアーナの誕生日になると数千文字にもなる恋文と豪華な花束、そして結婚指輪を送ってくるらしく、本人も困っているとの事。しかも、その男の年齢は50に近いと言っていた……


 うん。気持ち悪いし、オッサンがその男を疑う気持ちも分かる。


 勿論それだけでは無く、貴族同士の色々な事情も重なってか、その男の屋敷が怪しいと判断したらしい。


 ここへは俺自ら赴くことにした。他人の屋敷を探るとなると隠密行動が必須だし、何よりガイズに隠密行動が出来る訳が無いからな。


 あいつに任せていいのは純粋な戦闘の仕事だけだ。


 

 最後の任務。三つ目が一番厄介である。それは……


「最後の場所は……ハイランド国の王子が住んでいる屋敷だ」


「何? 王子の屋敷だと?」 


 そう。最後の場所はネイフィン公国にある、ハイランド国第二王子の別邸だ。


 ここはハイランド国第二王子がネイフィン公国に滞在する時に使用する屋敷がある場所であり、今ちょうど滞在しているらしい。

 ルリアーナ誘拐の動機として、王子はルリアーナに求婚して振られた。一度狙った獲物は逃がさないような性格(オッサン情報)らしいので十分あり得るだろう。

 

 また、王子は明日の朝にハイランド国に帰還するらしいとの情報を前もって入手していたので、俺はあるプランを考えた。

 そのプランとは……


「王子の帰還途中を狙う」


「帰還途中を? どうするつもりだ?」


「あぁ、まず俺達がそれぞれの任務を完了させて明日の朝までにネイフィン公国に戻ってくる。そして、王子の帰還の際に結成される護衛隊に俺が侵入し、内部を調べてくるからガイズはそれまで見つからないように、護衛隊の馬車と距離を保って追ってこい」


「バレないように馬車を追えばいいんだな!」


 ガイズにしては物分かりが良いな。


「そうだ。これまでの事で分からないことは無いか? 無いなら今すぐにでも別行動にしようと思うが……いけるか?」


「大丈夫だ」


「よし。じゃあ最後に。今回の任務はスピード勝負だ。()()でいけ」


 本気という言葉にガイズが眉をピクリと動かす。


「いいのか?」


「今回は特別だ」


 するとガイズは見る見るうちに表情を緩めていき。


「よっしゃあ! じゃあ行ってくる!」


 喜んで飛び出していった。


 久しぶりに本気を出せるからって、やりすぎなければいいが……


 俺は不安に思いながらも自分がするべき事に思考を切り替え、行動を開始した。




 もう2時間経ったか……


 ネイフィン公国を出発して2時間が経過した頃。俺は森の中を全力で駆け抜けていた。


 無論、全力と言っても本気を出しているわけでは無く、目的地に時間通りに到着するペースで全力を尽くすという事だが。


 今の俺の体は全身を薄い膜のような魔力で覆い、足の筋肉へ魔力による強化を施してある。こうする事で森の中で全力で走り抜けたとしても、木々の枝や葉などによる体への接触によって起こりえる些細な衝撃を緩和し、この様に森の中を高速で駆け抜けるという芸当が可能になっている。


 ガイズはもう着いた頃か。俺も予定通りにいけばあと1時間と少しで着くはず。


 俺は空を見上げ、木々の葉の合間からチラチラと星が見えることを確認する。


 空が段々と暗くなってきた。それに星が見える。


 俺は辺りが暗くなることを見越して、目に魔力を集中させる。こうする事で暗闇の中でも昼間の世界にいるかのような視野の明るさを確保できる。


 

~1時間後~


 俺は予定よりも少し早く目的地へと到着していた。


 もうすでに日は落ち、周辺は暗闇の世界に包まれていたが、前方にある町だけは光が満ちており綺麗な姿を映し出していた。


 ここが問題の屋敷がある町か。


 俺は町の検問所を問題なく通り抜け、目的の屋敷を探して町の中を歩いていく。すると、探し始めて数分で目的の屋敷が顔を見せた。


 その屋敷を目視すると、俺は全身から微量に漏れ出る魔力を完全に止める。こうする事で侵入者を探知する魔道具があった際に発見させる危険性をほぼゼロにする事が出来る。


 魔道具というのは魔力だよりに運用しているから、魔力を感知出来なかったら反応すらしない。

 つまり、魔力を備えていない奴は魔道具を使うことが出来ないという事だ。


 そんな奴がいるはずもないし、俺みたく魔力を無理やり放出しないみたいな芸当をしなければ魔道具を使えない……なんてことにはならないだろう。まぁ、普通の奴なら魔力の放出をゼロにするどころか減少させる事すら困難だけどな。


 それ以前に魔力を完全にシャットアウトするなんて芸当をしている奴を俺以外に見たことも無い。

 

 俺は自分から放出される魔力がゼロになった事を確認すると、ゆっくり屋敷の中へと侵入を開始した。


 ここは地下ありの2階建てか……。俺が人を隠すとしたら地下にするし、地下から見て回るか。


 時々屋敷の使用人が廊下を通るので、周囲の警戒を忘れずに地下へと繋がる階段を探す。初めは難航するかと思われていた地下探しだが、意外と分かりやすい場所に階段が露出しており難なく地下へと降りることに成功。


 この屋敷……侵入者対策の魔道具、一つすら設置していない。それに加え、数人いた警備兵も寝ている奴やボーっとしている奴らばっかりで、酷い警備体制だった。


 俺は地下を調べ終え、1階、2階へと足を運ぶが何も手がかりを得られず、一番の収穫が得られそうな領主の部屋へと侵入を試みる。


 一瞬俺は中に人が居ないかを確認する為、魔力を部屋の中へ向かって放出。無人だという事を確認したので、堂々と扉を開け侵入する。


 散らかった部屋だな。掃除はしてないのか?


 部屋の中は領主の私物と思われる物が散らかっており、足の踏み場もない。


 俺は物を踏まないように細心の注意を払って仕事用の机まで到着すると、今回の件と何も関係が無いかを突き止めるため、書類をチェックしていく。


 確認した限りでは何の関係もなさそうだな。ここは外れか。


 俺はもう一度部屋の中を確認してまわったが、やはりルリアーナ誘拐に関する証拠が一つも発見できなかったので、颯爽と脱出を試みその屋敷を後にした。

 お読みいただきありがとうございました。

 今回の話が面白いと思っていただけましたら、高評価、ブックマークをしてもらえると嬉しいです。

 では、また次回お会いしましょう。

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