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勘違いとは

 皆さんどうもガクーンです。

 初めは勘違い要素少ないですが、後々増えていくと思いますのでよろしくお願いします。

 では、お楽しみください。

 皆は『勘違い』について考えたことあるだろうか? 


 勘違いとは物事をうっかり間違って思い込むこと……と定義されており、普段の日常生活においても度々起きる事がある。

 それは両者の認識の違いであったり、ただの間違いや言葉足らずによって引き起こされた事かもしれない。


 そんな勘違い。名前の呼び間違い……ぐらいなら、誰だって顔色ひとつ変えずに笑って許せるだろう。もちろん俺だって許せるし、何だったら待ち合わせの場所に1時間、2時間経っても待ち人が現れず、3時間後にようやく現れた。という状況になっても許せる自信さえ俺、マインにはある。


 そんな寛大な俺だが、最近悩みの種が出来た。というより、元々あった種が大きく大きく膨らみつつある。

 

 その種とは……


「ここにいたのか。探したぞ」

 マインの目の前には、軟らかそうな金髪を揺らし、二重瞼が印象的の大きな目をした快活そうな少年が現れた。


 そうこいつだ。こいつの名前はカイズ。性格は見た目通りの奴で、何でも全力。また、非常に活発的で社交性もあり、正義感溢れる……どころか吹き出す程にある若者だ。


 そんな探せば何処にでもいそうな若者に見えるガイズだが、こいつには他の者たちには無いある厄介な問題がある。

 

 それは……


「そういえば、さっき道を歩いている途中に男性から()()()()()()()()()()()()()()()とお願いされたのだが、マインも一緒にどうだ?」


 ほらまた始まった。


 まず、道行く人からお願いされる……のは良いとして、盗賊に捕まった家族を助けてくださいってどういう事だ? そういうのは衛兵さんや自警団がどうにかするもんじゃ無いのか?

 それに、そんな危ない事件に俺まで巻き込むのは止めてほしいんだが。


 こいつの問題……それは厄介な問題事を他人からすぐ引き受けてしまうこと。


 つまり、すぐ問題事に顔を突っ込んでしまうのだ。


「……カイズ。それは衛兵さんや自警団の皆さんにお願いするのが「今すぐ助けてやらなければ可哀そうだろう!?」……そうだな」

 カイズは俺の両肩を掴み、唾が顔に飛ぶ位置まで近づくと鼓膜が破けそうな声量で話す。


 いつもそうだ。週に一回以上のペースで何かしらの問題を俺に持ってくる。自分で解決するなら良い。俺に迷惑を掛けないからな。


 でも、俺に頼るのは勘弁願いたい。何が魔物討伐だ。何が盗賊討伐だ。こんなモノは一般市民の俺がする事じゃないだろう! 


 そんな危ない事に毎回首を突っ込んでいたら命が何個あっても足りやしない。


 そうなのだ。毎回こいつが持ってくる問題は何か複雑な事情を抱えたモノが多いのだ。最初の方は良かった。無くした鍵を探したり、庭の草むしりを手伝ったりと危ない事をする訳じゃ無かったからな。


 でも、今はどうだ? 盗賊を撃退したり魔物を倒したりと、命が脅かされるような問題が多くなってきたではないか。


 何より俺がやりたいと思ってやってることじゃ無いのが一番つらい。

 

 俺がやりたいのはゆったり気ままに田舎で畑を耕して、のどかな景色をつまみに一人酒を飲む。まぁ、俺はまだ成人していないから酒は飲めないがな……ってそんな事はどうでもいい。


 別に俺は人を助けて感謝されたいとか、英雄の真似事をしたいとかいう願望はこれっぽっちも持ち合わせていないんだ。


 俺は脇役的な存在……そう。モブみたいな存在がいいな。主人公みたいに活躍するんじゃなくて……浮き沈みの少ない人生を歩む事が決定されてる存在のように。



 そんな物語の主人公のように問題事が沸いてくるガイズだが、小さい頃はそんな奴じゃ無かった。 


 今よりもっと可愛げがあり、分別がつく子供だったのに、こんな問題児になり始めたのは数年前に遡る。


 元々こいつと俺の実家が目の前同士という事もあってか、必然と腐れ縁的な存在になって12歳を過ぎた頃だろう。日差しが爛々と照る昼間だった。


 俺は家で静かに読書を決め込んでいたら突然こいつは俺の家に上がり込んできて。


「マイン! 俺はやる……世界中にたくさんいる問題を抱えた人たちを救うぞ!」


 って突然宣言を俺の目の前でしたんだ。


 別に俺は人の考えを否定するような奴じゃなかったから。


「おぉ、そうか……頑張れ」


 って心底からの応援をしてあげたら……


「よし! そうとなったら今から町に出向くぞ!」


 と言って、俺の手を引いて町へ繰り出そうとしたんだ。


 俺は慌ててガイズを止め、何故俺まで連れて行こうとしたのか話を聞いたら。


「何故って……そのほうが楽しいだろう?」


 とか意味の分からない事を言い始めたんだ。


 それから数十分話し合いをしたんだが、俺とあいつの考えはずっと平行線を辿っていたから、仕方なくその時は俺が折れてやったんだが……それから何回も何回も同じ事を繰り返す内に今日まで続いてきてしまった。


 という感じで、俺とこいつとの腐れ縁が続いているって感じだ。



 うん。今一度よく考えても意味が分からないな。何故その様な考えに行き着いたのかも分からないし、どうして俺まで巻き込んだのかはもっと分からない。

 駄目だ……これ以上考えるとこれまでの嫌な出来事まで思い出しちまう。


 一旦俺は考えるのを止めて、今直面している問題事に目を向けることにした。


「で……今回は何処へ討伐しに行けばいいんだ?」


「分からん!」

 ガイズは自身満々に答える。


 はぁ、いつもの事だから構わないが……こいつは考える事を知らないのか?


「そうか。依頼主は何処にいるんだ?」

 そう言って俺はこの町の地図を広げる。


 ガイズはいつも行き当たりばったりで、依頼者から何も聞かずに直感的に動こうとする。そんなガイズに付き添っていたら日が暮れてしまうので、最近は依頼主の住んでいる家を予めガイズに聞くように躾……ゴホン。お願いしている。


 ガイズは悩む素振りを見せたが、ある個所に視線を落し指をさす。


 ガイズの指先が指示した場所と言うのは……


「本当にここか?」


「間違いない!」


「そうか……」


 この国、ネイフィン公国の貴族の一つ。ブラディール家の屋敷であった。


 ブラディール家。ネイフィン公国の中でも非常に大きい影響力や発言力を持ち、保有する金銀財宝等も少なくない。

 そんなブラディール家の中でも特に有名なのは……


「傾国の美女。ルリアーナか……」


 ルリアーナ。ブラディール家の長女で、俺達と同じ18歳。成績優秀で見たものを虜にするほどの美貌を兼ね備えていると専らの噂であり、つい最近では他国の王子の求婚を断った事で一際噂になりつつあり、一躍時の人となっている。


 そんな家の家族が攫われたって? 


「頼む相手間違ってるだろう……」

 俺は頭を手で押さえる。


「大丈夫だ。マインなら出来る」


 こいつ! まじで一発ぶん殴ってやんないと気が済まん……


 右手の拳を左手で押さえながら理性と本能の間で葛藤していると、とある事に気が付く。


 おかしくないか? 貴族がガイズに頼むだと? こんな厄介な問題を?


「どうしてガイズなんかに……」

 そうだ。あり得ないだろう。道端で出会った人にこんなこと頼むか? しかも相手は貴族だ。自分達で何とかするに決まってるだろう。そんな状況でガイズに頼むとは……何かあるな。


「そういえば……実力がどうとか言ってたな」


 実力? まさか……力量で頼む相手を図っていた?


 もちろん俺達は謙遜抜きで強い部類に入ると思うが……そうなると面倒だぞ。


 うん? 俺達が何故強いと断言できるかって? それは……この数年の間に色々な問題に直面したことで、必然と強くなっていったと言うしかないのだが……。


 と言っても、全てガイズのせいだがな。

 こいつはお願いされたことは何でも引き受けてしまう、超がつく程のお人好しで、これまでに引き受けた問題は、下は家の鍵探しから上はドラゴン……竜討伐。


 ここまでしておいて、俺達が弱いというのは流石に……な。


「ふむ……」

 マインは少ない情報の中、脳をフル回転させて思考する。

 ありとあらゆるパターンを想定し、取り巻く環境を考察していくが、ある所でどうしても詰まる。


 駄目だ。ある程度状況は理解したがこれ以上は分かりようがないな。


「よし。一度貴族様へ会いに行くぞ」


 そうすれば事の顛末が分かる。


「おう!」


 こうして、マインの不本意な勘違い騒動が幕を開けるのである。

 お読みいただきありがとうございました。

 この話が面白いと思ってもらえたら高評価等をしてもらえると執筆活動の励みになります。

 では、また次回にお会いしましょう。

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