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5 仲間が増えた

ギルド長の部屋には、フードを被った女性がいた。

部屋は割りと広い。中央に机とソファがあった。


「で、Aランクにして貰えるって聞いたんだが」


俺はソファに座り、ギルド長へ言った。

ちなみに少女は俺の膝の上に座っている。


「そうだな。しかし、それは本件では無い。本当は彼女にあわせたかったのだ」


「…どういう事だ?」


「とりあえず、私が手続きをしてくる。ギルドカードを貸してくれ」


「ああ。いいぜ」


俺は、ギルド長にカードを渡した。


「問おう。君がブラッド・エスケープを討伐したのか?」


ギルド長が部屋から出た後、目の前の女性が俺に言った。


「ああ。そういえばそんなやつもいたな」


「そうか。まず、感謝する。あいつは他の魔族と違い、徹底的に人間を殺そうとしていたので、私も困っていたんだ」


「それはいいんだが、君は?」


「ああ。私は大魔王フィーロだ。敵ではないぞ?」


なるほど。あの雑魚の上司ってことか。


「それで、あいつの死体を返してくれないか?」


「もちろんだ。しかし、なぜあの街じゃダメだったんだ?」


1人の少女を救えたから、結果的にこの町に来てよかったけど。


「私はあいつの魔力が消えた事しか分からなかった。とりあえず、魔界に近いこの町に来たんだ」


なるほど。魔族とかは魔界に住んでるのか。そして、この町が魔界に近い…と?


「なるほど?もしかして、ギルドにあの雑魚を倒したらここへ来るように依頼していたのか?」


「おお!その通りだ!…もしかして、君のスキルか?」


いや、そんなスキルは無かったはずだが…

とりあえず、雑魚の死体を返そう。


「これが死体だ」


「おお!ありがとう!」


「一つ質問だが、人間とは争ってないのか?」


魔王って言うと勇者と戦うイメージしかなかった…


「昔はな。でも、私は終わらぬ戦いに飽きたのだよ。だから、100年程度前に、仲良くする事を決めたんだ」


「ほう。すげぇまともだな」


「こう見えても私、強いからね」


フィーロは、にっこり笑った。フードから見える素顔は綺麗だった。


「まあ、それでも君に勝てるビジョンは見えないけど」


「…まあ、否定はしないでおこう」


ステータスがアレ(無限)なだけに否定できない


「見ていたぞ?君の勇姿…」


「あー」


俺はバツが悪そうに頭をかいた。


「恥ずかしい話なんだが、俺激昂すると、体が勝手に動くんだよなぁ…」


「みんなそんなもんじゃない?」


「まぁ、そうなのか?」


「とにかく、かっこよかったぞ」


「照れるんだよなぁ」


俺は照れ隠しで目の前の少女で顔を隠した。


「君はその子と行くのか?」


「ああ?もちろん。そうするつもりだ」


「そうか」


「失礼」


会話の途中にドアが開き、ギルド長が入ってきた。


「ランクアップの作業が終わった。」


ギルド長はそう言い、俺にギルドカードを渡した。


「ありがとう」


ランクのところにはしっかりAと書かれている。


「さて、どこ行こうか…」


この町を出るのはいいが、どこへ行くかはまだ決めてないな…


「やれやれ。先が思いやられるな」


「ハハッ…ギルド長はおすすめの町知らないか?」


「ここから来たの王国へ行けばどうだい?」


「あー悪いがそこから来たんだ」


移動はめんどくさいから、ここの近くが良いなぁ…

具体的に言うと1日以内で行ける場所がいいな


「ムロー町なんてどうだ?」


「ほう。ここから近いのか?」


「そうだぞ。そうだなあ、魔物が多いが、いい町だと聞くぞ?」


まあ、魔王なんだから人間の世界にはあんま詳しくないのか…


「まあ、そこに行くとするよ。ありがとな」


「ああ。じゃあな」


「機会があればまた会おう!」


「ああ。じゃあな〜」


俺はギルドを後にしてとっとと町を出た


………………


〘ギルド長部屋〙


「ククク…あのバカは扱いやすくて助かるな」


「同意見だ。しかし、本当に倒したとは思えないな」


「まあ、人間の実力なんて見ただけじゃ分からないさ。」


「そうだが、魔王様でも勝てないとか言ってなかったか?」


「ふふ。分かりきってるだろう?さて、あのバカを存分に使わせて貰おうかな…」


「鬼畜だな〜」


………………


〘草原〙


今俺らは草原で歩いている


「もう少し…か」


「ねえねえ」


「ん?なんだい?」


「お兄さんの名前は?」


あ……そういや自己紹介もしてないんだったな


「すまん忘れてた。俺の名前は、矢野慎也。シンジって呼んでくれ」


「分かった。シンジさん!私はミラ。よろしくね」


「ああ。よろしくな」


俺はミラの頭を撫でた。


「えへへー」


ミラは何故か俺に抱きついてきた。


「歩きづらいからやめてくれ…」


俺は笑いながらそう言った。

その直後、俺達は自然と立ち止まった。


「早速魔物か?」


「おっきい!!」


その魔物はドラゴンの様で、大きさは木と同じくらいだった。

後ろを向いており、戦闘している声、音が聞こえる。


「ミラは危ないから近付くなよ?」


俺は、苦戦していると悟り、直ぐ魔物へ向かった。


「さてさて、」


一気に魔物との距離を詰める。

そのスピードを殺さぬよう、拳を振る。


別にこんなことしなくても殴っただけで死ぬけどな


「ぜ、絶命した?!」


「大丈夫か?」


俺はドラゴンを飛び越えた。正面には、10人程度の人がいた。

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