4 激怒
………
数日間歩き続けた後、ようやくミノスタ町に着いた。
もちろん24時間歩き続けた訳じゃないけどな
「あ〜疲れた」
やっぱりさっきまでいた所と比べると、壁は弱いが、それでも結構な大きさの町だ。
「治安は悪いと言ってたな…少し心配だが…」
門には兵士がいた。入る人は少ない様だな。
「ギルドカードはもってるか?」
「ああ」
「ほいよ。ああ、一応注意だが、ここは18時を過ぎると閉まるからな」
「へぇ〜…ありがとう」
てか今何時だよ。
まあ、夕方頃には閉まると思っておこう。
「ふぅ…思ったより疲れたからとりあえず休みたいな」
とりあえず宿をとって休んでからギルドに行くか
………翌日
しっかり休んだから気分がいいなぁっ
「ふぅ…気力がある内に行くか」
俺は町のギルドへ向かった。大きさは相変わらずデカイな。
この前まで居た町と同じくらいデカイな。
「あんま伝わらなさそうな例えは置いておいて…さっさと用事を済ませるか」
ギルドの扉を開けた。
そして受付へ向かった。
心なしか、周りの人は苦い顔をしていた。
「おっ、お前新顔か?見ねぇ顔だな」
やけにフレンドリーだな。
「まあ、そうだが」
「そうかそうか。じゃあこの俺が色々教えてやるよ」
「いや、遠慮しておこう」
悪いけど、早く用事を済ませておきたいんだ。
「なぁんだと?」
「おおい!このバカが!!」
突如、ギルドの奥から、大きな声が聞こえて来た。
「ちっ。ドラー隊長か…おい新顔!やつには手ェ付けるなよ」
「ドラー隊長?」
「ああ。ここら辺で最も強いCランクだ。誰も勝てやしないさ」
ふうん…いや、今の俺より下だからって、見下すのは良くないな
「ほう。しかし、怒鳴られてる方は?」
「ああ?誰もあいつを気にしねぇさ」
まあ、可哀想だが、俺がいちいち関与する事でもないな。
「まあ、色々教えてくれてありがとう」
俺は改めて、受付へ向かった。
俺の番が近付いた時、俺は殴られていた人を見てしまった。
それは、「少女」だった。
見た目は十数歳程のように見えた。
彼女は、何をされてもニコニコしていた。
そう思ってる俺は、頭は驚くほど冷静だが、体が勝手に動いていた。
「まあいい。今夜も俺の部屋に来いよ」
男の方は見えなかったから、どんな表情をしていたのかは分からない。
が、どうせ下劣な顔をしているんだろう。
そして、男の言葉は、今まで少女がされてきた事を示していた。
「………カ」
言葉にならない言葉で、最弱化と呟いた。
次の瞬間、俺の拳は男の顎を砕き、その勢いで男はギルドの屋根に穴を開けた
落ちる男の○玉めがけ、パンチを放つ。
「いでぇぇぇぇぇぇ!!!」
男は、50mほど吹き飛んだ。
周囲が唖然とする。当然俺は気にしない。
「な、なぜ俺を…く、来るなァ!!」
「そんなの分かりきってんだろ」
そう言いつつ、男へ近付く。
「黙れぇ!!俺は、俺が、俺が正義なんだ!!強い者が全てを手に入れるんだ!!だから、その女が俺に食われたのも…」
息を吐く。これは自分を落ち着かせるためだ。
「バッド・ステータス…いいか、俺は強者には弱者を守る。義務があると思っている」
「つまり、俺はお前を殺す」
息を吸う。これは、力を溜めるために…
「それに、弱肉強食なら俺より弱いお前は、何されても文句言えないだろ?」
「あっ……ひっ……ぐっ、来るなぁァァ!!!」
俺は歩みを止めた。
男との距離は、2m
男の顔面目掛けて拳を打つ
男の顔面に目掛けて拳を打つ
男の顔面に拳を打つ
男の顔面に打つ
打つ。打つ。打つ。打つ。打つ。
しかし、最弱化のせいで、男はそう簡単に死なない。
「ふぅ…コレ。貰うわ」
俺は男が持っていた剣を奪い、男の目に刺した。
男の喉に刺した。男の腹に刺した。
…もう男は、息をしていなかった。
バッド・ステータスで痛覚を2倍にしたからな。
ショック死したかもな。
「ふぅ………」
ようやく体が自由に動いた。
振り向くと、なんとも言えない顔をした人達と、泣いている少女がいた。
「大丈夫か?」
俺は少女の元へ行き、そういった。
「あっ……た、助けてくれてありがとう……」
泣きながらそう言っていた。
彼女はどれだけ苦しんだんだろう。
彼女はどうして笑えたのだろうか。
そんなこと分からないが、一つだけ分かる。
「俺に着いてこい。強制な」
ここにいる限り彼女は幸せにはなれないだろう。
「君。ちょっといいかね?」
1人の中年程の男が俺に近付いた。
「なんだ?つーか誰だ?」
「私は、このギルドのギルド長または、ギルドマスターのラヴォンだ。」
「おお。ちょうどギルド長に用があったんだ」
「とりあえず部屋に来なさい。話はそこでしよう」
俺はギルド長に連れられ、ギルド長の部屋へ来た。






