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3 町を離れる事になった

「は?」


目の前にいる若いお姉さんが驚いた様子で言った。


「これを買い取って欲しい」


目の前には大量の牛とドラゴンが転がっている。


「雷牛に…ワイバーン…」


「ちなみに牛の方はもっといるぜ」


「まぁ、そいつは群れを作るから大量に討伐されるのは珍しくないけど…」


「あと、100体ぐらいいるんじゃない?」


「は?…いや、でも、魔王が死んだ影響で魔力が満ち溢れてて、」


何やら自分に言い聞かせてるみたいだ。


「終わったか?」


「ええ。とりあえず、雷牛を買い取らせて貰うわ。」


「ワイバーンはどうすればいい?」


「しまってて。ここでは買い取れないから。」


うーむ。そうなのか。このワイバーンってやつ珍しいのか。


「それで、1体銀貨5枚で、えっと数が…」


「何やら大変そうだな」


「ほんとよ。ちょっと…待ってて」


「…ああ」


…数十分後


「ふぅーー終わった〜〜360体だから、金貨18枚!」


「おつかれさん」


「はい!」


「ありがとな」


…さて、もう午後だし帰ろうかな。


「ん〜どうしようかな」


夜飯食って、魔物についての本を読んで寝るか。


「うーん。俺ってば勉強熱心」


………翌日


「……普通に寝ちまった」


今日も魔物をぶっ倒すか


「さーて…ギルドに行くか……」


俺は部屋を出て、階段を降りた。


「あれ?おっちゃんは?」


宿屋のカウンターにおっちゃんが居なかった。


「仕事放棄か?」


俺はそう呟きながら、宿を出た。


「わーお。誰てめえ?」


外へ出ると、知らない人が浮いてて、その下に街の人が集まってる。


「あん?てめぇ、この街のやつか?」


浮いてるやつが俺に話しかけた。


「え、違うけど。てか俺忙しいから。じゃあな」


俺はその場を離れようとした。


「待て待て待て待て。逃がす訳ないだろ。我は魔王直属の四天王の1人!ブラッド・エスケープだ!」


ん?魔王って多分悪いやつだよな?


「雷撃」


雷が集まって、ひとつの対象に当たるイメージでそれを撃った。


「なっ、っざけんな!」


残念ながら当たった。正確には掠っただけだが、俺のステータスから考えると、掠っただけでも死ぬだろうな。


「ふぅ…思いっきりぶっ倒したけど良かったのかこれ」


「はっ、俺は!」


「わ、私は?今何を…」


「大丈夫すか?」


俺は街の人に言った。


「ええ。あ、そう!私はこいつに操られたの!」


目の前の彼女はそう叫んだ。


「とりあえずしまっておこう」


俺は亜空間に雑魚の死体を入れた。

ギルドに持ってけば何かは分かるだろう。


「兄ちゃん!助けてくれてありがとう!!」


「?!」


…ちょっと照れるな


「気にすんな!」


俺は振り向かずにそう叫んだ。


……


「ふぅ…で、いきなり呼び出して何の用だ?」


ギルドに着いた瞬間、ギルドの1番偉い人…ギルド長ってやつに呼ばれた。


「…魔王って知ってるか?」


「知らないな」


そういえばさっきの雑魚も魔王直属って言ってたな。悪いやつなのかな?


「それに関してはこの本を読んでくれれば分かるだろう。」


ギルド長から一冊の本を貰った。


「君はAランクへ昇格なんだが、そのための手続きはこの街では出来ないんだ」


最初の魔王のくだりなんだったんだよ


「じゃあ、どうすればいいんだ?」


「ミノスタ町へ行って欲しい。これが地図だ。」


「なるほどね。ありがとう」


地図を見る。俺がこの国に来た時と逆方向へ進めば着くのか。


「それと、ミノスタ町は割と治安が悪い。無いとは思うが、もし問題を起こしたなら、何とかする」


「随分気前がいいじゃねえか」


「君はSランク相当だからね。こんな所で失う訳にはいかないんだよ」


Sランク相当?

俺が首を傾げると、ギルド長が答えてくれた。


「Sランク相当ってのは、実力ではSランクに届いてるけど、ランクがまだSランクでない事を言う事なんだ」


「…なるほどね」


「それじゃあ。頼んだ」


「……ああ」


俺は部屋を出た。


「…今からでも行けるな」


なるべくやばい方がいいかもしれない。

しかし、例の町に向かう前に、宿屋に行くか。


もう戻らないかもしれないし鍵を返さないとな


………


「おっちゃん」


俺は宿の扉を開けた


「おお!あんちゃんか!さっきは助けてくれてありがとうな」


あの中におっちゃんも混じってたのか。


「いいって。気にすんなよ」


「そうは言うが、俺らにとっては救世主だからなぁ…」


そこまで言うか?


「まぁ、とりあえず、この鍵を渡しに来たんだ」


「おお。どうしたんだ?」


「いや、別の町に行くんだが、もう帰ってこないかもしれない」


「…うーん。その鍵は貰っておいてくれ。あの部屋は何時でも空けて置くからよ!」


「…しかし、いいのか?」


「ああ!助けてくれた礼だ!宿泊料金はいらねえさ!」


おっちゃん……良い奴だな


「ほんと、ありがとな!」


俺はそう言って、宿屋を去った。


まだ会って間もないけど…この国の人達がめちゃめちゃいい奴らなのは分かった。


「だからこそ、次の出会いも楽しみになるんだよな〜」

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