1 神も間違う時はある
どこだここ?
たしか、俺は部活の帰り道で…
「マジでどこだよここ。」
そう呟いてから気づいた。
あれ?
「服変わってね?!」
さっきまで制服だったはずの俺は、青いシャツの上に、ゲームで見たようなレザーアーマー。
それと黒のズボン。
「財布もも無くなってるじゃん………」
まぁ、200円しか入ってないからいいけど。
「しかし、どうしようか…」
そういえば目の前に紙が落ちてるな。
「なんだこれ?」
俺は紙を開いた。
「あ、手紙か?」
矢野慎也へ
って、俺宛の手紙かよ。
「えーっと、なになに?
間違えて君を異世界に飛ばしてしまった?
非常に申し訳ないから、全てのステータスを上げさせてもらった。
元の世界に戻る手段は見つかっていないから、その世界で生きて欲しい。君の目の前に落ちている袋にこの世界の通貨が入っている
その金があれば、生活に困ることは無いだろう。
本当に申し訳ない。
By 神様」
うーん。ふざけてんのか?
まぁ、俺が実際にここにいるから書いてある事は事実なのだろう。
「ステータスって、ゲームのあれか?」
俺がそう言うとステータスが出てきた。
ステータスと言うしかない画面が出てきた。
矢野慎也
Lv:1
HP:△
MP:△
攻撃力:△
防御力:△
魔法攻撃力:△
魔法防御力:△
敏捷性:△
精神力:△
スキル
天性のバカ 魔法創造
△ってなんだよ。
「いや、天性のバカってなんだよ!!!!!」
まぁいい。それより、手紙に何か書いてないかな?
あ、手紙に裏があった。
「えーっと、ps △ってのはこの世界で無限という事を意味する記号だよ」
へー
「いや、それより天性のバカについて聞きたいんだが…」
ん?俺の前にまた違う画面が現れた。
スキル
天性のバカ 戦闘に関する技術的な動きが出来ない。
魔法創造 通常より多くmpを消費代わりにどんな魔法でも創造できる。
「技術的な動きってなんだよ!!!」
疑問がどんどん出てくるな。
もう考えるのはやめておこう。
そのまま、受け止めるしかないな。
「で、どうすればいいんだ?」
とりあえず、目の前の階段を降りるか
「ここは塔なのかな?」
階段を降りた時、目の前に階段があった。心なしか、部屋が広くなったようだ。
さっきの部屋が最上階って訳か。
「超スピードで降りるか」
数分…経った位かな。
思ったより時間がかかったが、扉が見えた。
「おぉ…現代では中々見ることの出来ないレベルの草原だな」
まずはこの世界がどんな世界なのかを知る必要があるな
「恐らく村や町の1つはあるだろう。」
だけど、どこに進めばいいか分かんねぇな〜
「と、とりあえず真っ直ぐに進んでみるか」
数分後
舗装されてない道を見つけることが出来た。
「ここを進むと何処かには着くだろうな」
ちゃんとした街に着けると信じて、道を進んだ。
歩いて数十分。
その間ずっと独り言を言っていた。
もし人がいたら恥ずかしいな…
「思ったよりデカい街…いや、国が見えてきたな…」
歴史の授業で見た事あるような洋風の城が見えるな…
門には人の列があるが、すぐに短くなっていく。
あそこが入口か。
「ギルドカードは持ってますか?」
俺が近づく頃には列が無くなっていた。
「いや、持ってない」
「それじゃあ、通行料の銅貨5枚を」
どどど、銅貨だと?
いや、そういえば神が、金が入った袋をくれたんだったな。
「これか。」
俺は袋から茶色のコインを5枚取り出した。
「どうぞお通りください」
どうでもいい事だが、今この袋に手を入れたんだが、底がないな。
何とかえもんの数次元ポケッツの袋バージョンかな?
この世界の物価はわからんが、生活には困らない金って言ってるから、相当入ってるんだろうな。
「…つーか結局街に来たけど何すりゃいいか分からんな。」
自由に過ごせば良いし、そうするだけの金はあるんだろうけど、それだとヌルゲー過ぎるからな…
「この袋の金に頼るのはやめておこうかな」
となれば働き口を探さないと。
「とりあえずは住む所だな」
宿屋って書いてある。ほんとにRPG見たいだな。
「失礼」
「いらっしゃい!」
小太りの優しそうなおっさんが居た。
「お泊まりですかい?」
「おう。とりあえず1週間程で」
「それだと、銀貨5枚だぜ」
銀貨はこれか。
俺は銀色のコインを5枚渡した。
「こいつが鍵だ。お客さんの部屋は2階の3号室だよ」
「ありがとな!」
俺は早速部屋に入らず、外へ出た。
「あ、待てよ。今のおっさんに聞けば良かったじゃん」
出て2秒でUターンした。
「なぁ、おっさん」
「お、おっさん…」
「働く場所を知らないか?」
「ああ。そうだな。俺としてはオススメはしないが、ギルドに行けば、魔物討伐の仕事が受けられる。実力に自信があるならオススメだが。」
「そうか。ありがとう!で、ギルドってどこだ?」
「戦士ギルドとか魔術ギルドとかあるからな。それぞれ入る条件は違うが。」
割とめんどくさいな…
「へ〜」
「戦士ギルドなら、ここを出て、真っ直ぐ行けばデカい建物があるから分かりやすいだろう」
「じゃあそれでいいや」
そういえば魔物って言ったか?
まぁ、こんな世界だからいるだろうとは思ったが
「ふぅ。行くか」
俺は宿を出て、戦士ギルドへ向かった。
数分後。
「学校ぐらいデケェな」
ほんとに宿から近かったな。
俺はギルドに入った。