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79話 今回のパーティーメンバー!!

 どこまでも高く、どこまでも遠く、雄大に広がる綺麗な青空。

 ユーディリアの城下町から東の方に出たあぜ道で、そんな晴れやかな空を眺めながら……俺は首に巻いた赤いマフラーをギュッと結び直す。

 

「よし……! いよいよ、出発だ」


 凶暴な獣人達が暮らす大国レオアードによって、侵攻されてしまったエルフ達の国ヴァルゴルを救う為に、行動を起こす事にした俺達。

 色々と紆余曲折はあったが、最終的には必要最低限の数で制圧されたヴァルゴルへと潜入し……捕らわれているヴァルゴルの民達を救出する作戦が選ばれた。

 俺のハーレム候補である可愛い魔神少女達と、沢山のエルフ達の身を守る為の作戦だ。決して、失敗は許されない。

 

「というわけで、お前達……よろしく頼むぜ」


 俺は気を引き締め直すと、後方で控える……今回の作戦に同行する魔神少女達へと視線を向ける。

 ヴァルゴルを襲撃したのが武闘派の支配者クラス・公爵クラスの魔神である以上、こちらの動きがバレて戦闘にでも発展してしまえば――その時点で、俺達の敗北は決定的だ。

 その為、今回の作戦に同行させる魔神は俺なりに……慎重に選び出した。

 

「うむ。儂がいれば、何も問題はあるまい」


「うげぇ……あんな化物がいる場所に戻るなんて、正直最悪かもぉ」


 まずはベリアルとカイム。

 俺の頭に乗せていける参謀役のベリアルと、ヴァルゴルの森を抜ける為に必要な道案内役のカイムは欠かすわけにはいかない。

 そして、続くのは――


「きゅふっ、きゅふふふふふふっ……私が、遂にこの私がダーリンのお供に選ばれちゃったんですねぇっ!! あああんっ!! 命を掛けて頑張りますぅっ!」


 同行に選ばれた事で喜色満面。

 両手を顔の前で合わせて、くねくねと身悶えしているハルるん。

 彼女を選んだのにはそれなりの理由があるのだが、これだけ喜んで貰えるのなら選んだ甲斐があったというものだ。


「まぁ、逆に選ばなかった子達には凄く申し訳ないんだけどな」


 選ばれた子がいるという事はその裏で……選ばれなかった子達もいるわけで。

 俺が同行に選んだ3柱の名前を口にした後、泣きじゃくりながら駄々をこねていた一部の女の子達の姿には、とても心を痛めたものだ。

 しかしそれでも、俺は自分の選択が間違っていたとは思わない。

 ベリアル、カイム、ハルるん。

 そして、不可解そうに俺の顔を見つめている……残り2柱の魔神少女。


「新マスター君も変わってるね。まさか、このボク達をお供に選ぶなんてさ。泣き顔のフルカス達が交代にやってきた時はびっくりしたよ」


「がうがうがうっ!!」


「そうかな? 俺はお前達が適任だと思うぞ」


 ラウムとフロン。

 今朝の食堂でのやり取りの際に不在だった彼女達こそ、俺が今回の救出作戦において必要だと判断したメンバーである。


「そんな事言っちゃってさー。本当はこの作戦のドサクサで、あわよくばボク達と契約を交わしちゃおうって思ってるんじゃないの?」


 ボーイッシュな顔立ちをした、緑色ショートカットヘアー。

 見た目は中学生程の華奢な少女だが、膨らみかけの胸を強調するようなチューブトップ風の服と、肉付きの慎ましやかな脚線美を振りまく為のホットパンツ。

 そんな外見年齢に不相応なエロスを振りまいている、このボクっ娘の方がラウム。横に並ぶフロンと共に……未だ、俺と契約を交わしていない魔神である。 


「がうぅ!? ががうがうがう!!」


 そしてこちらの、グラマラス過ぎるボンキュッボンのナイスバディを持つ方の少女がフロン。

 ふわふわウェーブの茶髪セミロングで、華やかな美女の印象を強く抱かせる彼女だが、残念な事にその素顔は無機質な白い仮面によって覆い隠されている。

 なんでも、彼女は極度の恥ずかしがり屋であるらしく、自分の醜い素顔を誰かに見られるのが嫌だそうだが……とてもそんな風には見えないんだよなぁ。


「あはははは、ビフロンスも驚いてるよ! これから新マスター君に、えっちな契約をさせられるんじゃないかってさ!」


「いやいや、そんな事は少ししか企んでいないって。単純に、お前達の魔神装具の能力が他の子達よりも救出作戦に向いていると思ったんだ」


 ラウムの言葉を僅かにだけ肯定しつつ、俺は彼女達を選んだ理由についてしっかりと説明を行う事にした。

 変に誤解をさせたままだと、後々面倒な事になりかねないし。


「まずラウム。確かお前の魔神装具は、どんな鍵でも開錠できる能力だろ?」


「うん、そうだよ。ボクの宝盗鍵テサラムキーは、いかなる鍵でもあっという間に開いちゃうんだ。たとえ、鍵穴が合っていなくてもね」


 そう答えて、ラウムは右の手のひらの上に銀色の鍵をポンッと出現させる。

 ファンタジーでよく見かける、歯ブラシのような形状の鍵は、かなり古びていて、ところどころ錆びて黒ずんでいた。


「ヴァルゴルではムルムル達を始め、多くの者が囚われておるからのぅ。そやつらを開放する為に、手錠や牢の鍵を開く能力は必要じゃな」


「ベリアルの言う通り、鍵を開ける能力は助かるかなーって」


 俺はまだラウムとフロンとは契約を交わしていないが、その能力については既にベリアルから説明を受けていた。

 だからこそ、ラウムの鍵開けの能力が必要になると判断できたわけだ。


「それとフロンの能力……幻影を操る力も役に立ってくれると思うんだ」


「がうー!! ががうがうがーう!!」


「幻影面イリュージョラルヴァ。ビフロンスが顔を隠す為に使っているこのお面が生み出す幻影は、並の魔神程度なら簡単に惑わせる程の力だからね」


 犬の鳴き声のような会話しか行えないフロンに代わって、いつも通訳を引き受けてくれているラウム。

 彼女の言う通り、フロンは顔に付けている仮面の力を用いて幻影を生み出し、自在に操る事ができるのだという。


「敵に見つかりそうになった時に幻影で惑わせたり、身を隠したりするのに有用な能力だからな。フロンの役目は特に重要になってくるぞ」


「ががうががが、ががうがーうーっ!」


「私を頼って頂けて嬉しいです。必ず、お役に立ってみせますね! だってさ」


 俺に頼られた事が嬉しいようで、フロンはその場でぴょんぴょんと、大きな胸を揺らしながら飛び跳ねてみせる。

 うーん、デカイ。俺が知る限り、魔神の中で一番大きな胸だからな……ふぅ。

いつもご覧頂いたり、ブクマ登録などして頂いてありがとうございます。

後少しで、目標だったブクマ100件に届きそうです!

今後も少しでも面白いお話を投稿できるように頑張って参りますので、今後ともご支援の方をお願い致します。

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