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89話 美少女が出ました!


 捕虜を幽閉している牢屋に見張りを配置しない事など、常識的にありえない。

 数人とまでは言わないが、最低でも一人くらいは見張りがいるものだ。


「えーっと……?」


 だから俺達は、この異常な展開に……ただただ、困惑するしかなかった。


「ふ、ふひぃ、ふひぃ……!」


 まさか。

 あれだけ、何かが起こると警戒しながら突入したこの屋敷に――


「こっちのみんなも、無事で本当に良かったかもぉ!!」


「カイム!? ああっ、よくぞ舞い戻ってくれました!!」


「こ、こここ、これは夢なのだわ! だって、あのカイムがボティ達を助けに来るなんて、ありえないのだわ! 希望なんてこの世には存在しないのだわぁー!」


「フッ、小生は信じていたさ。我が呪われし邪眼の力が如何に強大であろうとも、それを上回るのが仲間との絆! そう! 小生達の絆は永遠に不滅!」


 本当に何の罠も存在せず、こうして無事に――彼女達と出会えた事に。


「少し、調子狂っちゃったな」


「うむ。しかし、これは僥倖だと思うしかあるまい」


 ちょっぴり拍子抜けはしたものの、ベリアルの言うように、これは僥倖だ。

 敵に発見される事なく、捕虜となっている彼女達を助け出せるのだから。


「さて、じゃあ……改めて、現状を確認しようか」


 空振ってしまった意気込が冷めないように、パンッと頬を叩いてから……俺は目の前に広がっている状況を整理する。


「ふひひひぃ、ボクちゃんだって! やればできる子かも!!」


 建物に突入してすぐに、捕われの仲間達の姿を見つけて、喜んでいるカイム。

 そして、そんな彼女の前で身を寄せ合うようにして集まっているのが――3柱の魔神少女と、数十人のエルフ達だ。

 全員、両手両足に拘束の鎖が繋がれているせいもあってか、床の上に腰を下ろしている。


「ええ。本当によくやり遂げたわね、カイム。まさか本当に舞い戻っ……!? その後ろにいるお方は、もしや……!?」


「ぎょぇあー!! 幽霊なのだわ!! 幽霊としか考えられないのだわ!! ソロモン様とラウムの亡霊が襲ってきたのだわぁー!!」


「おおっ!! そこにいるのは盟友ではないか!? 久しいな、君と過ごした日々は今でも小生の胸の中で美しい光景として輝きを増し続けて――」


「え、えっと?」


 3柱の魔神少女達は俺の姿を見つけるなり、それぞれ特徴的な反応を見せる。

 勿論、全員ソロモン72柱の魔神の例に漏れる事なく――絶世の美少女なので、その独特な反応も大変可愛らしい。


「酷いなー。新マスター君はともかく、ボクまで亡霊扱いなんてさ」


「あははははっ、こういう反応も久しぶりだな」


 思えば最後に、俺の顔を見て驚いてくれたのはラウム達とユーディリア城で初めて出会った時以来か。

 あの時もあの時で、新たな美少女との出会いに歓喜していたものだが――


「やぁ、初めまして。俺は根来尊、一応ソロモン王の生まれ変わりって事になっていて――今は未熟ながら、ユーディリアの再興を頑張ってるよ」


 そう自己紹介しながら、俺はソロモンの証とも言うべきソロモンの指輪を、目の前の彼女達に見せる。

 赤紫色の宝玉の付いた指輪は、久しぶりの再会を喜んでいるのか、いつもよりも一層その輝きを増しているようだった。


「その声、お顔、お召し物、そして……ソロモンの指輪。本当にソロモン王の生まれ変わりが、今世に降誕されたのね」


 俺の自己紹介を受けて、最初に口を開いたのは中央に座っていた魔神少女だ。

 服装はゆったりとした形状の緑色のドレスで、足元のスカート部分だけ短く切り揃えられていて、そこから覗く生足が実に眩しい。

 水色の長いストレートヘアーに映える、赤い花冠を被った彼女の外見年齢は……その落ち着いた言動とは裏腹に、小学生低学年くらいである。

 これまでに数多の魔神少女と出会い、契約を交わしてきた俺であるが……ランドセルが似合いそうなロリ魔神がいるとは思わなかった。


「ロリ、ロリかぁ……いや、実年齢は18歳を絶対越えてるから問題無いよな。それにこれだけ可愛いなら全然イケる……でも、背徳感というか倫理観が……」


「ロリ……?」


 魔神である彼女が、現在の幼児体型から肉体的成長を遂げる事は無いだろう。

 つまりは永遠の合法ロリという事になるのだけど、元は児童ポルノが厳しい世界で暮らしてきた俺にとって――彼女に手を出す事は少々、憚られてしまう。


「ほ、本当に本物のソロモン様……? だ、だったらもうボティ達は助かるのね!? だってソロモン様は無敵で最強! 誰にも負ける筈が無いのだわ!!」


 と、俺が合法ロリについて脳内会議を繰り広げていると――俺達がこの建物に入ってきた時からずっと震えていた魔神少女が声を張り上げる。

 セリフとは裏腹に、クリクリとした大きい瞳に涙を溜めて不安げな表情の彼女の特徴は……やはり、おっぱいだろう。

 うーん、でかい。これはサイズ的にはフロンに劣るが……身長差の関係からカップ数は勝利していてもおかしくない。

 シャギーがかった薄紅色のロングヘアーの束は、左右の肩口から巨大なおっぱいに沿うようにして、綺麗に内寄りに流れている。

 今にも胸元がはち切れそうなパツパツの黒いドレスと、蠱惑的な絶対領域を醸し出すニーハイブーツの存在がなんとも――イイ。


「盟友よ! ああ、永遠の盟友よ! またこうして、今世でも出会えるとは思わなかった!! 我が呪われし邪眼も、君との再会を喜んで疼いている!!」


 そして残るは、最後の1柱。

 黒白いリボンを用いて艶やかな黒い長髪を、オーソドックスなツインテールに結んでいる彼女の特徴的な部分は――やはり、右目を隠している桃色の眼帯だ。

 白や黒なら馴染みがある眼帯だけど、ピンクというのは俺も初めて見る、

 まぁ、彼女の愛らしい顔に似合っているし、メイド服に似たフリフリのゴスロリ服ともマッチしているから気にならないんだけど。

 体のスタイルは、ぼんっきゅっきゅっといった感じで……お尻のボリュームは控えめだけど、胸はしっかりと膨らみを主張している。


「ありがとう。こんな状況で言うのもなんだけど、俺も君達に会えて嬉しいよ」


 俺は彼女達の顔を見つめながら、優しく微笑みかける。

 こうして、彼女達と出会えた事は喜ばしい事だけど……まだ気は抜けない。

 だから今は、再会を喜び合う事よりも――

 

「それじゃあ、とりあえず――君達を助けてもいいか?」


 まずは、やる事をやっておかないとな。

いつもご覧頂いたり、ブクマ登録などして頂いてありがとうございます。

大人びていて落ち着きのある美少女ロリがお好きな紳士は是非、ブクマやポイント評価をお願いします。

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