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第二十五話「アイシア様の引き篭もり穴蔵生活」③

 お片付けが終わって、何となくお茶を飲んでたら、カティちゃんとサティちゃんがお菓子貰ったとか言いながらやって来て、女の子だけの女子会になってしまった。

 

 どんなのが出てくると思ったら、なんと美味しそうなクッキーがっ!

 ドングリ粉と樹液を煮詰めて作った甘いシロップから作ったクッキーらしいんだけど……。

 意外と美味しくて、控えめながら甘みがあって、最高っ!

 

 シロウくんも食べてけば? って言ったんだけど、なんか逃げられちゃった。

 女の子に囲まれるとか、男子的には嬉しいシチェーションだと思うんだけどな。

 

 そんな訳で、なし崩し的に女子会開催っ!

 ずっと洞窟なんかに引き篭もってると気が滅入ってくるからって、気を利かせてくれたのかな?

 

「アイシア様……奇麗だよね……その髪……あたしらなんか、癖っ毛だから羨ましくって」


 久しぶりの甘いものにすっかりまったりしてたら、サティちゃんがわたしの髪を触ってきた。


 このところ、お風呂行けてなくて、髪の毛もちゃんと洗えてないから、ちょっと荒れてるんだけどね。

 こればっかりは旅先じゃ割りとどうにもならない。

 

 けど、褒められて悪い気はしないねー。

 

「わ、私も触っていいですか?」


 今度はカティちゃん……。

 右と左……おんなじ顔が並んで、まじまじとした顔で髪の毛をさわさわ……。

 

「いいなぁ……黒くて艶があって……でも、珍しいですよね……真っ黒なんて」


「これは……皇族の証でもあるのよね。でも、わたしみたいに真っ黒ってのはホントは珍しいんだよ。大抵、ダークグレイとかそんなもんで、兄上なんて金髪だし、お父様も茶色だしね……歴代皇帝の中には、染めてた人もいたんだって……見栄張って!」


「そうなんですか……けど、こんな奇麗にツヤツヤにまとまるなんて、どうやったら……何か秘密でもあるんですか?」


 ソフィアちゃんまで、わたしの髪の毛サワサワ、ナデナデ……。

 

 なんだろね? これ。

 女の子に囲まれて、わたしモテモテ?

 

 ふと、カティちゃんの方を見ると、髪の毛の隙間から、ちょっと尖りめのお耳が覗いてるんだけど、なんかフサフサしてる。

 何の気もなしに触ってみると、さらさらで上質のシルクみたいな感触! 思わずツイって撫でてしまう。

 

「ふ、ふあぁああんっ! ア、アイシア様、な、なんですかぁ……」


 カティちゃんが、なんとも言えない色っぽい声を出して、お耳に手をやってガードする。

 な、なんかイケナイとこでも触っちゃった感じ……あれー? 予想外の反応。

 

「ご、ごめんね……何か気になっちゃって……つい触っちゃった……痛かった? でも、超触り心地良かったんだけど……」


 とりあえず、頑張ってフォローしつつ、手をワキワキやってみる。

 うう……今の感触……すんごい良かった! できれば、もっと堪能したいなっ!


「だ、駄目です! 私、お耳は弱点なんですぅ! あんまり、触られると、変な声出ておしっこ漏らしちゃいます!」

 

 ……はい?

 ……カ、カティちゃん? 何言ってんの?

 

 ソフィアちゃんなんか、露骨にオロオロして赤い顔してるし……気まずくない? これ。


「え、えっと……?」


「あ、あの……そうじゃなくてっ! 痛いと言うより……ゾワゾワッとして……解ります? 背中ツイッってされたような感じで、いきなりやられると、ちょっとびっくりすると言うか……その……」


 カティちゃんも慌てて、取り繕う。

 うん、今の発言はスルーしよう……わたしは何も聞いてないよー!


「あたしら、獣人の血が混じってるからね……最近、背中とか二の腕とか……妙に毛深くなってきてたんだけど、今度は耳にも毛が生えてきたんだよねぇ……。あたしは別に気にしてないんだけど、カティは気にしちゃってね……こないだ面白がって、触り倒したら、カティったらお漏らししちゃって……!」


「サティっ! それは皆には、黙っててって言ったのにぃ! このバカぁっ!」


 涙目になったカティちゃんがサティちゃんに掴みかかる……けど、そこら辺はさすがサティちゃん!

 正面からかかってこられて、黙って捕まる訳もなく……両手をガッツリ組み合って、割と互角な感じの力比べを始める。

 

「カティ、自分で言ったんじゃないか……あたしは悪くなーいっ!」


「余計なこと言った! 秘密をバラした裏切り者には制裁ですっ! また芋虫みたいにして、転がしてやるんだからっ!」


「んだと! こないだはよくも不意打ちでやってくれたな! ゼッテーやり返してやるっって思ってたんだ! よーっしっ! 同じように肩の関節外して、芋虫状態にして、くすぐり地獄を味あわせてやるっ!」


「やれるもんなら、やってみろーっ! うがーっ!」


 そんな調子で、唐突に姉妹対決が始まってしまった。

 押し倒したり、押し倒されたり……関節技をかけようとしたり、振り払ったり……なんか普通に取っ組み合い。

 

 二人共、さっきまでトレーニングだかなんだかやってたとかで、お揃いの短パンと麻のシャツ……なんてカッコなんだけど……。

 

 色々お構い無しで、取っ組み合ってるから色々下着とか見えてる……。


 うん、うん……女の子だけで良かったねー!

サティ&カティ……いっそ、序盤の描写直して、ケモロリ設定にしようかなとか画策中。

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