おさななじみ
「ねぇ、貴緒」
学校に行く途中―――……
「ん?どしたの、砂由ちゃん?」
その質問はされた―――……
「貴緒と神崎君が付き合ってるって本当なの?」
うっ、またか。この質問これで何回目だー?
「あたしと、亮ちゃんは別にそーゆー関係じゃないよ」
あたし、向本 貴緒[こうもと たかお]と神崎 亮[かんざき りょう]は5歳の時からの幼馴染です。
11年前あたしが、引っ越してきた家の向かい側が亮ちゃんのお家で、
同い年の子供がいるということで、あたしのママと亮ちゃんのママが仲良くなったという。
本当に極々普通の幼馴染なのです。
「じゃぁ、どうゆう関係なのさ?」
「幼馴染」
「おさななじみー!?本当にそれだけの関係なのー?」
「そうだよ。あたしと亮ちゃんはこの先何があってもズットズット幼馴染なの」
「本当に?」
「しつこいなー。本当に本当なんだってば」
そう、あたしと亮ちゃんはどんなことがあっても、これ以上にもならないし、これ以下にもならない。
この時まではずっとそう思っていた―――……
その間、砂由ちゃんが小さな声で
「なんだか面白い事になりそう」と言ったことにあたしはまったく気付かずにいた―――……
前回の作品とあまり進歩は見当たりませんね…。すいません。
“幼馴染”の恋愛小説は王道だけど、小井草は書いてみたかったのですよ。はい。
あと、貴緒は男みたいな名前だけど女の子です。よろしくお願いします。