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私の正体は

作者: KUZIRA no KO
掲載日:2026/10/24

初投稿です。

ジャンルはよくわかってないのですが、温かい目で読んでいってくださると嬉しいです。

(カクヨムでも投稿しております。)

 何にも染まらない私に、

 真っ赤な口紅が注がれた。

 そして貴方の目には、その真っ赤な色が鮮やかに映っていた。

 私にも、貴方が映し出されていた。少し、歪んで。

 細い、私の足に貴方の手が触れる。

 私を揺るがす。

 見つめ合った。

 そして、キスをした。

 私の鮮やかな赤が、貴方に注がれ、移っていく。

 少しずつ、私は空になっていく。

 貴方の頬は、やがて、赤く染まっていった。

 貴方の瞳は、少し潤んでいて、トロンとしていて、

 まるで、私に酔っているようだった。


 あぁ、貴方はなんてドジで愛おしいのだろう。


 貴方の手が私の足を滑った。

 視界が大きく動いた。それでも私は、まだ貴方を映し出していた。


 その音は、今までのひと時を一瞬で切り裂いてしまった。

 散らばった私、まだ残っていた私の赤は、血のように舞い、貴方の足元を濡らした。

 ほのかにブドウが香る。

 慌てた貴方は、私の一部に触れ、拾い上げようとする。

 でも、最後に私は貴方を傷つけた。

 さっきまで、私が纏っていた口紅を一滴垂らしたような血が、貴方の指から滴る。

 さようなら、

 私は、

 貴方のお気に入りの、


 ワイングラスだった。

  

どうでしたでょうか?

ぜひ感想をよろしくお願いします。

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