私の正体は
初投稿です。
ジャンルはよくわかってないのですが、温かい目で読んでいってくださると嬉しいです。
(カクヨムでも投稿しております。)
何にも染まらない私に、
真っ赤な口紅が注がれた。
そして貴方の目には、その真っ赤な色が鮮やかに映っていた。
私にも、貴方が映し出されていた。少し、歪んで。
細い、私の足に貴方の手が触れる。
私を揺るがす。
見つめ合った。
そして、キスをした。
私の鮮やかな赤が、貴方に注がれ、移っていく。
少しずつ、私は空になっていく。
貴方の頬は、やがて、赤く染まっていった。
貴方の瞳は、少し潤んでいて、トロンとしていて、
まるで、私に酔っているようだった。
あぁ、貴方はなんてドジで愛おしいのだろう。
貴方の手が私の足を滑った。
視界が大きく動いた。それでも私は、まだ貴方を映し出していた。
その音は、今までのひと時を一瞬で切り裂いてしまった。
散らばった私、まだ残っていた私の赤は、血のように舞い、貴方の足元を濡らした。
ほのかにブドウが香る。
慌てた貴方は、私の一部に触れ、拾い上げようとする。
でも、最後に私は貴方を傷つけた。
さっきまで、私が纏っていた口紅を一滴垂らしたような血が、貴方の指から滴る。
さようなら、
私は、
貴方のお気に入りの、
ワイングラスだった。
どうでしたでょうか?
ぜひ感想をよろしくお願いします。




