表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
伝説のレフリー津久田健次郎、悪役令嬢に転生す。  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/82

各国本国へ緊急通信が送られる

王都の夜空には、古代魔導式の通信塔が複数そびえ立つ。

塔の頂に刻まれた魔法陣が淡く輝き、

外交官たちの焦りを映すように脈動を早めていた。


その光が示すのは――

“緊急通信・優先度Ⅱ”

本国の軍事報告に匹敵する規模の報告だ。


各国の使節は、ほぼ同時に文書を魔導端末へ押し込むように送信した。


淡い蒼光が走り、魔力の回線を通って情報が瞬く間に世界へ散る。


◆北方連邦・中央情報局


重厚な石造りの局舎。

極寒の空気に包まれた中で、受信室の魔導板が突然眩く光った。


オペレーター

「……王国大使館から緊急報告です!

 キーワード多数――“因果の逸脱”“王太子暴走制止”“少女レティシア”……!」


上層部の席に座る局長が書面を受け取り、一読して目を細める。


局長

「……無名の少女?

 王国学院で“因果逸脱”の現象中心に?」


部下

「宗教勢力も学院に投入された模様です」


局長は長い沈黙のあと、言った。


「……つまり、王国は不安定化している可能性が高い。

 これは、国境政策にも影響する」


紙束の最後に刻まれたレティシアの名を、指で軽く叩く。


「この少女は誰だ?

 なぜ彼女が“逸脱”の中心にいる?」


「……重要因子として再分類しますか?」


局長

「当然だ」


その声は低く、しかし部屋全体に響き渡った。


◆南方帝国・外務省・情報解析室


帝都の中央塔。

煌びやかな魔導通信室の床に黒い線が走り、

その上に魔導光の文字が次々と浮かび上がる。


解析官

「王国学院で“裁きの書き換え”が起きた……?

 本気か……これは予兆では?」


皇帝直属の特務顧問が報告を奪い取るように読む。


顧問

「……レティシア。名前に覚えはないな」


「家柄は下級貴族。政治的影響力は皆無。

 にもかかわらず、この事件の中心に?」


顧問の目が鋭くなる。


「――ならば、逆に危険だ。

 『無名なのに事象を動かす者』ほど予測しづらい存在はない」


最後のページに書かれた一行に視線が止まる。


“学院に宗教勢力が踏み込んだ可能性あり”


顧問

「……王国は均衡を崩し始めた。

 今のうちに手を打つ必要がある」


解析官

「レティシアの分類は?」


顧問

「“重要因子”。

 以後、彼女に関する報告はすべて私の机に直接送れ」


◆王国を取り巻く諸国の結論


通信塔の光は消え、夜に沈む。


だが、各国の情報局はすでに決断していた。


――王国学院の少女レティシア。

 この名を持つ者は、もはや無名ではない。


・因果の逸脱

・王太子の暴走制止

・宗教勢力の介入


それらが複雑に絡み合い、

彼女は見知らぬ国々の机の上で“重要因子”として印字された。


本人がまだ寮の部屋で夕食を考えている頃――

世界は、ひっそりとレティシアを中心に動き始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ