#2 好敵手
放課後、学校近くの河川敷に3人は居た。
尚、優作は少し怒っていた。
「おい、放課後はゲームするって話やったよな?なんでお前ら戦う準備始めてんねん!」
「だって河川敷がまるっと空いてるなら戦うしかないだろ!」
「1戦手合わせするだけだ、そこまで時間は取らない」
2人は真剣な眼差しで優作の方を向いた。優作は2人の圧に押され、怒り顔は呆れ顔に変わった。
「はぁー分かった分かった、もう好きにしてくれ…」
そう言いながら優作は2人から距離を取った。
「よっしゃ!久々だな龍司と戦うのは」とシルバーはウッキウキで準備を進める。
シルバーと龍司は準備を終え、ある程度の距離を取るために離れてそれぞれ構えた。シルバーは、刀を前に構え、龍司は刀を鞘に納める、優作が審判となり、ルールを【一撃勝利】と定めて「ほいじゃーいくでー」
(また構えが違うのか、色々試すのは良いが鬼が出るか蛇が出るか)
(龍司から感じるこの”龍”に睨まれているような独特の寒気はいつになっても慣れねぇな)
「試合開始!!」
合図を皮切りにシルバーは龍司に素早く近づき連続攻撃を仕掛ける。怒涛の攻撃にも関わらず、龍司は顔色1つ変えずに捌き切る。シルバーは最後の一撃が捌かれると共に後ろに飛んで間合いを取った。
「ふぅー当たらんかー」シルバーは一言呟いた。
それが聞えた龍司が一言飛ばす「何度お前と戦ってきたと思ってんだ、構えを変えた所で攻撃時の癖はさほど変わらん、予測など容易だ」
「それって…俺に勝ち目なくね?」と少し落胆するシルバー
それに対し龍司は「お前がお前じゃ無くなればいいだけだけだろ」と言い放つ
「無理難題を言ってくれるねっ」言葉の終わりと同時にシルバーは攻撃を仕掛ける。
龍司は少し反応に遅れたが攻撃を防ぎ、激しい鍔迫り合いが行われる。
「結局…ゴリ押しよぉぉ!!」
「できるもんらぁやってみろぉぉ!!」
その勢いで鍔迫り合いは龍司が制し、シルバーを押し退けて攻撃に転ずる。
(掛かった!)体制を崩したように見えたシルバーだったが、即座に体制を立て直し、突き攻撃を繰り出そうとした。実は、鍔迫り合いを敢えて負け、龍司に攻撃させてその隙を狩るという作戦だった。
突き攻撃は龍司の心臓を捉えるように繰り出した。しかし、龍司の体は少しだけ横に傾いていた。その瞬間シルバーは負けを察したのだった。
(マジかよ…ここまで読まれてたのかよ…ハハ)
龍司は最低限の動作で、突き攻撃をギリギリで躱しながら、シルバーの脇腹に攻撃を当て、戦いに決着がついた。
至らぬ点も多々あると思いますが、「初心者が頑張ってるな」みたいな感じで読んでいただければ幸いです。