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プロローグ
幸せな結婚生活。
そんな未来が私に起きるはずないと思っていた。
一卵性の双子の妹として生まれ、顔もそっくりだと言われるのに、私は全てお姉様より劣っている出来損ないとして扱われていた。
学力も知力もないのだから、家で掃除でもしていないさい。
家からは出させてもらえず、派手なパーティに参加をするのはいつもお姉様の方。
私に出来ることは、自分の意思を出さず家族の言うことを聞くことだけ。
「必ずキミを幸せにすると誓うよ」
「澪……キミだから選んだ。他の相手なら俺はいらない」
それなのに。
どうしてこの人はこんなに私を愛してくれるのだろう──。