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朝焼色の悪魔-第5部-  作者: 黒木 燐
第1章 禍神(マガカミ) 
1/13

【幕間】ウイルス・ジャーニー

【サイキウイルス発生地域】


 中央アフリカの風土病と思われたが、実は、中国奥地に生息していた未発見のウイルスである。


1.中国でのウイルス発生


 もともと中国奥地でひっそりと暮らす、固有種のサルを宿主とするウイルスだったが、急速に発展する中国の環境破壊のため宿主が絶滅寸前となり、生き残りをかけたウイルスが無差別に感染、偶然ヒトに感染することが出来た。しかし宿主でないヒトには強毒性を発揮し、少数民族が住む一部地域で感染爆発が起こった。


 中国政府は殺人ウイルスの発生を知っていたが、風評被害や経済への影響を恐れ、へき地をいいことにWHOへの報告を怠り、対策もろくに取らなかった。感染者の出た村落の住民を地域内の大型建物に全員隔離、放置した上で全滅を待ち、建物を爆破した後地中に埋めてしまった。


 感染者殲滅の村の近くを通りかかった季節労働者が、森の入り口でうずくまる子ザルを発見。経緯を知らない男は愛らしい子ザルを保護したが、子ザル連れでは仕事がもらえないためにペットショップに売ってしまう。子ザルはペットショップで元気を取り戻し、愛らしい姿で客の人気者に。そこを訪れた富裕層らしい紳士が高額で子ザルを買っていった。


2.アフリカでの発生


 2-1 アフリカへの上陸


 中央アフリカの某独裁国の貧しい村落で感染者発生。マラリアと診断されキニーネを処方されるも病状悪化のため死亡。慢性的な栄養失調で抵抗力の弱まっていた住民の間でたちまち流行した。政府はラッサ熱やエボラ等の殺人ウイルスと断定、クーデターに怯える独裁者はウイルスの拡散を恐れ、村を秘密裏に殲滅し、火を放つ。その暴挙で感染爆発は免れたがウイルス自体はアフリカの奥地で生き延びた。そこで変異を繰り返し、何度か小さい(主に集落での)流行を繰り返していた。


 2-2 アフリカ大陸上陸の経緯について


 子ザルを買った紳士は、アフリカを拠点とする会社のCEOだった。彼は子ザルをたいそう可愛がりアフリカの自宅まで連れて行ったが、成長したサルは野生の本能に目覚め、使用人の隙を見て逃走してしまう。

 そのサルはウイルスを保有していたが、正当な宿主の中でウイルスは平和に暮らしていた。しかし、逃走中のサルがジャングルの中でチンパンジーに捕らえられ殺され食われたことから、宿主を失ったウイルスが狂暴化しチンパンジーの群れは全滅。その死体を近隣村人が食肉として持ち帰ったために、感染が広がった。


 199X年、ついにアフリカの小国で感染爆発が起きてしまい、救援に向かったギルフォードたちや碧珠善心教会教祖親子も感染し倒れる。


 救助に来た米軍にギルフォードと教祖の息子は米国に搬送され九死に一生を得る。しかし、ウイルスについてはその脅威的な性質に悪用を恐れた米軍により軍事機密とされ、新型のラッサウイルスと虚偽の発表をされた。


 その後秘密裏に研究されていたウイルスは、ワクチンの研究中に研究員が針刺し事故で感染したことから運命が急変する。件の研究員の妹が姉を救いたいがために、ウイルスを持ち出し同じウイルス学者である父のもとに身を隠したのだ。その父は当時大学の関係でカナダに住んでいたからだ。妹はそこで父と共に密かに研究を続けていた。しかし、新種ウイルスについて公表したい誘惑にかられた父は、妹との約束を破ってこっそり論文を発表してしまう。それにより妹は危険を感じてウイルス検体とともに姿を消し、父は論文の捏造を疑われて失脚した。

 その後、縁あって碧珠善心教会に援けを求めた妹により、 米軍によりコードネーム「タナトス」とつけられた、最悪のウイルスが教団に渡った。

 そして、妹の手によってさらに強力なウイルスに進化し、彼女の夫により市中にばら撒かれることとなったのである。

 ウイルス設定については、漠然と考えていたものを第3部執筆中に正式な設定としてまとめていたものです。

 この「ウイルス・ジャーニー」は、もっと後の方でネタバレするつもりでしたが、リアルパンデミックの今、敢えて最終部の冒頭に持ってきました。

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