第六話 豪華な部屋と俺
よろしくお願いします
丁寧にもてなされる、俺はそれをお茶か何かをもらえる程度のものだと思っていた。
それは俺の勝手な思い込みで合って、それを主人様などが、そうと言ったわけではないのである。
主人様は丁寧にもてなせと言っただけであって、お茶をあげろと言ったわけではない。
「え!?こ、これは一体、、すげぇーー!」
僕が連れてこられた場所は、そんなお茶とか飲む部屋ではなく、いきなり大きなソファーとベットがあって、その奥には、大きなドアがさらにあった。
ということは、この奥にまだまだ部屋があるということか!
「おーーー!」
主人様ありがとうございます!
(ど、どうぞ、、)
と、今さっきまで僕を引きずって主人の部屋に連れてきたり、研究みたいなことをしていたやつが、なんとも悔しそうに言う。
「おう、よろしい!」
と言って、僕はふんぞりかえる。
なんとも気持ちのいいことか!
一通り見たが、大きな扉は閉まっており、そこから先へはいけないようになっていた。
そして俺は退屈になり大きなベットに横たわった。
「一体、俺はこれからどうすれば、いいのだろうか、、アニメとかの主人公なら、どうするのだろうなぁ、、」
と僕は考える。
剣を振り回したり、魔法を撃ちまくって、敵をバッタバッタ倒していったり、、
「そんな、世界が待っているのだと思ってたのに」
なんなんだこの世界は、、いきなり変な羊みたいなのに襲われるし、連れ去られて、実験みたいなのされるし、それに、それに、、今の状況だって、ほぼ監禁じゃないか!
「監禁?」
俺、、閉じ込められてね?
「ヤベェ、いつのまにか、敵の罠にかかっていたのか俺は、、、、ハハ」
と俺は最後は笑って、自分何言ってんだろと、笑い流した。
そう、つまり俺は目を逸らしたのである。
「何いってんだろ俺」
何考えてるんだろ俺
俺はいつのまにか瞼を瞑って夢の中に沈んでいった。
夢に見たのはかつての俺の日常だった。
なんとも懐かしくて、なんとも楽しい日常
「戻りたい」
俺はそう、小さく呟いたと同時に声が頭に流れてきた。
いや、ただ単に聞こえただけか、、
「ご主人、ハンカチをお貸ししましょうか?」
俺は起き上がって今の状況を確認する。
目の前というか、声の方向にいたのは、執事服に身を包んだ黒髪の少女だった。
「あ、あ、あ、あ、」
と俺が固まっていると
「どうかされたのですか?」
と、聞こえた、聞こえたのだった。
「え、あ、あ、、ありがとうございます」
俺はとりあえず、差し出されたハンカチをなんとなく流れで受け取った。
「こ、これ、」
と俺が問うと彼女は自分の目元を指差して
「涙、拭かれないのですか?」
と聞いてくるそれに驚いて、自分の目元を触ると、いつのまにか涙が出ていた。
「あ、あ、ありがとう」
一体、、何故
ありがとうございます