第二十七話 用意周到と対極な人物
よろしくお願いします
(大丈夫なんですか?まだ連絡してませんが)
(大丈夫!俺様がまた負けるわけないだろ?)
などと降りてきたやつと不安げな会話をしていた。
つまりはだ、こいつらは俺たちを見つけたがまだ仲間に連絡していないということになる。
これ、結構俺たち運良くね?良かったぁ見つかったのがコイツらでと俺は心の中から喜んだ。コイツら以外だったらこんなところで囲まれてしまったら終わりだ。折角施設が出たというのにまた施設に逆戻りになってしまうだなんて俺は嫌だね!
しかしだ、コイツらに勝てなければ、そのラッキーな状況も何も意味がないのだ。
兎に角、勝たなければならないそのために俺は何ができる?
一緒に戦うか?いや、それは俺が足を引っ張りそうだ。
では、サポートか?それもアイカさんに逆に攻撃してしまいそうだ。
俺って一体何ができるんだ??
と俺が考えていたら。
睨み合っていた戦況が一変した。
アイカさんは未だに動いていないのだが、相手が痺れを切らして突進する。
それはまるで牛のようで俺は足がガクガクする。
一歩も動けない、今更なんなんだよ、俺はここまで数々の敵を、、それらは、ほぼアイカさんがやったのだ。
俺はここまでせいぜいやってきたことと言われれば、、
(ハハ!俺最強!!お前が動こうとすれば俺の聴覚が察知する、すなわちお前はそこから動けなくて俺にぶつかられるのさ!!へへーん!)
「や!やばい!、いや!それも私の予想通り!君ならそうしてくれると信じてたよ」
と言ってアイカさんは素早くホッチキスやらなどを取り出してそれを擦り合わせる。
キーーーーーーーン
「ひぎぃ!な!なんなんだ!?」
(いぎゃぁ!!)
俺の声と共にアイカさん以外の皆がその音にやられてしまう。
そして先程まで突撃していた奴は大きく軌道がずれてしまい壁に激突する。
そう、つまりアイカさんは突進してくることを予測して、ソイツの耳が良いという特性をも逆手に取り、逆に高音を鳴らすことによってダメージを与えたのだった。しかも相手はアイカさんの動きを耳で感じ取っていたのだが、まだ遠くにいることによって手出しが出来ないと、戦場までもを完全に把握してみせたのだった。
凄い、凄すぎる、これこそが戦場における才能というやつか、と俺はつくづく感心させられた。
だが、しかし耳が痛すぎる。
味方にもダメージ入るのだから事前に合図してくださいよぉ!!
と俺は心の中でそう愚痴を漏らすが、突然のことだったので今回ばかしは、仕方がないと、自己完結したのだった。
ありがとうございました!