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第二十二話 正と負

よろしくお願いします

それを思い出しながらアイカは星空を見上げていた。

「綺麗じゃない?」

と、なんとなく隣で寝ているソウマに言ってみる。

返ってくるはずのない返事を期待して、知らない自分の昔の友達について励ましの言葉を貰えることを何故か期待して


「街の光がなかったらこんなにも綺麗なんですね」


と、突然返ってきた期待していた返事が返ってきた。

「え!?お、起きてたの!?ご、ごめんなんだか」

「なんで謝るんですか!」

と言ってソウマはまた寝た。

「私も寝よう」

と言って私はその場で横になり目を閉じる。

そして私はまた兄弟の夢を見るのだった。


そして私の朝は痛みから始まる。

それは私も初めて経験したことだったのでもの凄く驚きと激痛で頭がいっぱいになる。

私は目を開けたと同時に痛みに襲われて、その痛みの箇所、下半身を勢いよく飛び起きるようにして見る。

「な、なんともない」

と、私がそう発した時には私の下半身の痛みも引いていた。


俺は隣でものすごい音がしたので飛び跳ねるように起き上がる。

「な!?い、一体何事!?」

と、俺がそう言いながらその音の発信源を見つめると、アイカさんがものすごく驚いたような顔をしていた。

驚くのはこっちだよ!と頭の中でそうツッコミを入れながら聞く。

「ど、どしたんです?」

「いや、なんでもない、ごめん、起こしちゃったよね」

「いや大丈、、」

と、俺がそこまでいった頃に、俺のお腹がギュルルルと音を立てて俺たちの会話に割り込んできた。

脱出してから丸一日たったが、未だに何も口にしていない、今までは色々な興奮や焦りなどでなんとかお腹が空いたと言うのから目を背けることができていたが、今は違う、あの地下施設からまっすぐ進んで、追っ手がなかなか来れないように俺の案でいろんな方向にジグザグに進んでいった。

そして俺たちは疲れ切り寝て今に至ると言うわけだ。

「お腹、空きましたね」

と俺が言うと、彼女はコクリと頷く。

そして俺たちは食料をどうするか、と二人で考えていると、俺の鼻頭にポツリと雫が落ちてきたと思って俺は上を向くと、スッカリ今さっきまでの天気が曇りへと変化していた。

「あ、雨」

すると、最初はポツリポツリとだった雨が土砂降りになる。

「わぁ、大分振りましたねぇ、びしょ濡れですよ、ハハ」

と俺はなんとなく彼女にそう言うと彼女は

「何これ!上から水が降ってくる!」

などと言ってぴょんぴょんと飛び跳ねている。

「なんです?初めて雨経験するんです?そんな人初めて見ましたよ!ハハ!」

と俺もなんだか笑えてきた。

思えてみたらこの世界にきてはじめての雨だ。

「凄い!凄い!」

と彼女は飛び跳ねている。

「考えてみたら、俺もある意味初めてだ!」

と俺がそう言うと彼女は上を向いて顔面に雨をくらっている。

それをみて俺は思いつく。

「上を向いて口、開けてみてください!」

と俺が言い、彼女は俺の言う通りそうする。

「わ!口の中に水が!」

と、彼女はそんな当然のことに今更驚いていた。

俺も昔、そんな風に、、と思い出し俺もそうする。

「こうすれば!自然の水分補給です!へへ!」

と俺と彼女はまるで小学生のようにバカはしゃぎした。

今の若者は、雨というものは人に負の感情ばかり運んでくる悪いものと、考えがちだが、昔の人間や俺のようにこうして異世界という非日常や水のありがたみが分かる人間からしたら、この雨という天候は何よりも嬉しい、正の天候とも考えることができるのだ。

だから皆にはこの雨という天候を、ただ単に外で遊べない、暗い気持ちになるという天候だけで終わらせるではなく、雨の日でも外に出て、俺たちのように、バカはしゃぎすることもありかもしれない。

それが案外、負の感情ばかりの天気だと思っていたのが、正の天気という場合もあるのだから。

ありがとうございます

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