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第十九話 アイカと兄弟

よろしくお願いします

ここは私の一番幸せな場所、そしてみんなは私の友人であり家族だと私はこの時は思っていた。

「え!?アイツら主人の一番大切にしていたアレ、壊しちゃったの!?」

と、お兄ちゃんがそう言う。

「え?どうしたのお兄ちゃん?」

と私が聞くがお兄ちゃんは青ざめた顔をして私の声が聞こえていないようで、お兄ちゃん達で悩んでいた。

「どうなるんだろ」

「これは、ヤバいかもしれないよ?」

「うん、これはかなりヤバいね」

と、言うお兄ちゃん達

「だから!何がヤバいの?」

「アイカ!お前はまだ小さいからこの話には関わるな!それにお前は主人のお気に入りだろ?なら余計に聞かないほうがいい」

その口ぶりはまるで何か知っているような言い方。

それゆえに私は幼いというのもあって余計にその事について知りたくなる。

「噂で聞いたんだけどさぁ、ここでやらかしたら、獣に食べられるんだってよ!それもぐちゃぐちゃに引き裂かれながら悲鳴もあげる余裕がないくらいのスピードで!」

と、またお兄ちゃん達は自分たちの輪だけで話し出す。

この、お兄ちゃん達が言っている噂は、ここに昔っから私たちの間だけで密かに言い伝えられてきた。

誰が言い出したかは、それも噂なのだが、私と同じ主人専属の人間だったらしい、というわけで私は周りから少し怪しいというような目線を向けられていた。

これはその仕事についた人間が絶対に向けられる目線だ。

なので私は結構しかたのない事だと割り切っていた。

そんな私にもまだ幼い子達はそんな噂も知らずに《まだ》懐いてくれている。

「お姉ちゃん!」

そう言って近寄ってくるこの子こそが私に一番懐いてくれている子だ!

「どうしたの?イオキ?」

彼女は男のような名前だが女の子だ。

ここでは案外そんな感じの名前が多いのだ。

「お姉ちゃんが悲しい顔してたから」

子供にはバレてしまうということか、私も言えないくらい子供だけど、

「へへへ、ばれちゃったか!お兄ちゃん達が話、教えてくれなくてね!」

と私はふざけていうと

「お兄ちゃんに怒ってくる!」

と言って突っ込んでいって、納得のいかない結果になって泣く。

それが私の可愛い妹分で、一番の友人だ!

ありがとうございます

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