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第十八話 彼女の笑顔

よろしくお願いします

そして俺と彼女は目を交差させそして彼女は扉に手を当てる。

「ついに」

とそう小さな声で言って俺の方をじっと見て俺の手を持った。

「え?ど、どうしたんですか?」

「最後くらいは、ね?ほら、一緒に開けようよ!」

と彼女はそう言って俺の手を扉に押し当てる。

俺は彼女の言葉と行動からその意図を察して

「じゃぁ!行きますよ!」

「せーの!」

と彼女がそう言うのに合わせて俺は少しずつ手に力を入れてゆっくりと押す。

案外その扉は見かけとは違い結構軽く押せた。

そして俺の意識はその扉からその扉の奥の景色へと向ける。

「階段?」

彼女も驚いたような表情をするがすぐに駆け上り、

僕もそれを追うようにしてのぼる。

そして僕も彼女も地下施設であったことに驚くがそれよりも光に目がいく。

「久しぶりに光を見た気がします!」

と、俺が言うと彼女は呆然と立っていた。

「どうしたんです?」

と俺がその彼女のおかしな様子を見てそう言う。

彼女はその俺の声に気づいて目元を拭い、そしてまっすぐ前に走り出す。

「ど!どうしたんですか!急に!挙動不審ですよ!」

「そりゃ!そうなるのも普通だって!はじめての光、懐かしの光!を見たのだから!」

と言って彼女はついにまっすぐ前に進みながら体をいっぱいに使って回り出す。

そんなに喜ぶ??でもしかしそう思うのは俺の考えだ。

彼女にとってはそれほど嬉しい事だったのだろう。

そう思い、俺はいつのまにか静止していた彼女の顔を見る。


口角が上がって、俺の見た事ないような満面の笑みだった、でもそれと同時に俺の見た事ないような悲しい表情だった。


「え、、」

俺は小さくそう思わず言ってしまう。

その小さな俺の言葉に気づいたのか、彼女は俺に向けて笑顔を向けてきた。

が、その笑顔は、どこか悲しさが抜けていなかった。

いったい、何をそんなにも喜んで、悲しんでいるのだ、彼女は

ありがとうございます

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