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第十五話 もう一人の

よろしくお願いします

その戦いは敵の言葉によって始まった。

いや、敵の鳴き声によって始まったの方が近いであろうと俺は頭の中で修正ペンでその部分を白く塗りつぶすかのように訂正する。又は戦後の子供達のように墨でその部分を塗りつぶし、その下にそう書き直す。


その声が聞こえた瞬間とほぼ同時に、彼女が俺の隣から、地を蹴る音と共に消える。

そしてその数秒後にこちらまで聞こえる音で電流の流れる音がして、いつのまにか敵の目の前まで行き、先制攻撃を仕掛けていた彼女が俺の方を見て顎でクイクイと何か指示を出しているが、その意味はいまいち俺には伝わっていなかった。

「え?こ、こっち側に進めってこと?」

俺は適当に何となく直感で思った事をそのまま口に出しながらその行動をする。

そしてそれと同時に爆音の息を吸う音がして、更にそれを上回る音で

「ちがーーーーう!」

という言葉が聞こえたと同時に俺は右手を上げて、左足を上げた状態、つまり走っている最中の姿で停止した。

「へ?ち、違うの?」

「もういい!私が!やる!」

と言って彼女はその言葉の通り、無茶な人間に無理そうな動きをしてその魔獣の首に左手に持ったホッチキスのようなものを当ててねじ込む。

「うわ!いったそぉ」

と俺が小声で言った事は内緒事だ。


「もう、倒したんですか?」

と俺は恐る恐る最後のトドメを刺した状態で固まっていた彼女と魔獣の方へと、忍足で近寄りながらそう言う。

「倒したよ、ふう!疲れた」

と言って彼女は地面に仰向けに倒れる。

その瞬間ゴツ!という音とベチャという音がした。

「だ!大丈夫です?」

「うん、一応ね」

「なら良かった、早く先に進まないと行けませんが、少し休んでいきます?」

と俺がいうと彼女は首を大きく横に振って、素早く立ち上がる。

「私たちは、早く脱出しないと!」

(ここに居たか!逃がさない!)

その二つの声は重なって同時に脳内と鼓膜から流れてきた。

「へ?また敵ですか?かんべんしてくだせぇよぉ!神様!」

と俺は空を見上げてそう言った。

「あ!あなたは!」

と彼女は驚く

(知ってはいたが、まさか本当に逃げようとするとは、あの時の戦いは無駄だったというのか、ハァ)

と、そいつは形を人間体へと変化させて、頭を抱える。

「な!?アイカさん?まさか誰かにバレてたり、してませんよね!!そしたらこの計画は失敗に近づいて、、」

と、俺が必死の形相で彼女にそう言うと


「ごめん、ソウマ、、」


と、彼女はそう、静かに返して


「だから!その情報を持っているやつを、いま!ここで!私が倒す!」


ありがとうございます

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