紗綾の疑問

作者：心太河

たまにはこんなのも書いてみたいです（笑）

　「ねぇ、何で空って青いの？」

「青いからでしょ」

「どうして青いからなの？」

「黄色じゃダメだからだよ」

「黄色じゃどうしてダメなの？」

「黄色は青の補色だから」

「どうして補色だとダメなの？」

「色相環…ていうかグラデーション的な物の中で一番遠い色だからだよ」

「遠いとダメなの？」

「うん」

「じゃあ今度いつもの遊園地に連れてって」

「…急に何で？」

「遠いところはダメなんでしょ？　あそこは近いからいいよね？」

「話の繋げ方が微妙だけど…いいよ？」

「…ありがとう…。…どうして人間って生きてるんだろう？」

「…生きたいからでしょ」

「どうして生きたいって思うの？」

「人間には生来生存本能があるからだよ」

「…でもどうして昔の武将さんとかは死ぬ覚悟でドウタラコウタラって言ってるの？」

「……己の生存本能を超越して自分の身を削ってまで守りたいものがあったからじゃないの？」

「…じゃあ文康は私のことを身を削ってまで守ってくれ…」

「死ねってか？　俺に死ねってか？」

「……人間って、生きてる意味あるのかなぁ…？　…環境破壊だとかでなんだとかで…人間がいなければこんなことにならなかったのに…地球さん、かわいそう…。…ねぇ、どうして？」

「うぅむ……まずそもそも、人間の存在を否定することは、他の動物を否定することになるんじゃない？」

「どうして？」

「動物は自然から生まれたもの。人間とて例外じゃない。人間が自然を壊してるとか言ってるけど……確かに言ってることは合ってるかもしれない。俺も否定しない。けど、人間も自然から生まれたんだ。俺的には、人間も自然と共存することが第一だと思うんだ」

「ふぅん……なんで人間って、他者と争ったりするんだろう…？」

「人には欲望というものがあるからだよ」

「どうして欲望があると争うの？」

「その他者の持っているものが欲しいという欲望に駆り立てられるからだよ。別のケースもあるかもしれないけど…」

「…どうしてアルフレッド・ノーベルはダイナマイトを発明したの…？」

「あれは…未開の地の開発のために岩山を爆破して開発を進めたりするもの……だった気がする」

「…どうして戦争に使われちゃったの？」

「ダイナマイトの所有者、及びその関係者が悪用したからだよ」

「どうして悪用したの？」

「戦争に勝つため、だろうね」

「…醜い」

「人間はどんな風にもなれる。君みたいに賢い人にもなれるし、さっき言ったように残酷で醜くもなれるのさ」

「……クンクン、……文康、手臭い。撫でないで」

「えっ？　…マジで？」