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【完結】決戦世界のダンジョンマスター【書籍一巻発売中】  作者: 鋼我
四章 汝、味方を欲すならば迷宮の外を見よ
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ヤルヴェンパーの名を預かる者達

 俺は手持ちのコインを数えて、間違いがないことを確認した。


「よし、おしまい。……いやあ、稼いだ。そして使った」


 最初の流民を受け入れてから、二週間が経過している。合計二度のグランドコアへの要請。そして一回の襲撃。それらを盛大に突っ込んでダンジョンを強化した。


 なにをしたか。新規モンスターの獲得である。



・収入



初期 五十枚


過去襲撃 合計 五百八枚


襲撃十四 ゼノスライム 二十枚


襲撃十五 殺戮機械 三体 三十枚


襲撃十六 地下モンスター複数 十六枚


収入合計 六百二十四枚



・支出


過去合計 五百三十枚


新規モンスター


コボルト 三十匹 六枚


コボルト教育費 十枚


スライムクリーナー 十二匹 二十四枚


マッドマン 七体 三十五枚


ゴーレムサーバント 八体 八枚


支出合計 六百十三枚



合計 十一枚



 まず、圧倒的人手不足を補うためにコボルトを増やした。ほぼ倍である。それほどまでに、マンパワーが足りなかった。なのでワンパワーを追加したというわけである。……人前で言ったら滑るかな。黙っていよう。


 さらに。この間、先輩に進められたコボルト強化プラン。その為の第一陣を帝都に送った。今頃、コボルト幸せ社で頑張っているはずである。あいつらならきっとやり遂げてくれるだろう。……別れる時に、めっちゃ鳴かれた。


 このメンバーの中に、クロマルをくわえてやった。正直どんなスキルを覚えて来るかさっぱりわからないが……思い人の近くに行けるのだ。何かしら頑張ってほしい。


 そうそう。この時一緒に、シュロムを帝都に送った。流石にアルケミストの手に負えないほどのダメージをもらっていたようだ。専門の工房でフルメンテナンスである。早く元気になってほしい。


 続いて、ダンジョンが広がった事で清掃の行き届かない場所が多くなった。ので、クリーナーを追加。おかげで、この間のスス汚れもきれいさっぱりである。流石だ。


 マッドマンの追加は純粋戦力を求めて……だけでなく、やはり風呂である。流民たちを清潔に保つため、ではない。それは個々人が水洗いすることで解決している。


 だが身体を温めることによる健康効果は、やはり風呂でなくてはならない。ここまでの長旅で体調を崩している者もいる。元々栄養状態が悪かった事もあり、ホーリー・トレントの力をもってしても復調には時間がかかっている。


 だからこその、風呂である。幸いにも、順調に回復していっている。……最初は、思いっきり悲鳴を上げていた事に関しては、あえて忘れておく。


 ゴーレムサーバントに関しても、お客様への対応の為だ。現在は、調査隊の身の回りの世話に半分派遣している。


 なお、当然のことながら名前付けはほぼできていない。見分けを付けるために、ゴーレームサーバント達だけは色違いのリボンを渡したが。


 とまあ、このように大量の人員増加を行った。行ざわるを得なかった。何故かといえば……流民の第二陣が、到達したからだ。


「……ふう」


 自室のある二階から、窓の外を見る。明らかに、人通りが多くなっている。当然だ。現在の流民は合計で三百人を超えている。今までのハイロウの来訪で蓄えていた資金は、最初の物資購入で底をついている。今でも若干ながら収入はあるが、それはダンジョンメンバーの生活費だけで手いっぱい。


 というわけで、めでたく借金生活に突入した。都市運営用の帳簿を付け始めたが、まあひどい。日々出費が増えていく。収入など欠片もないのだから当然だ。


 彼ら彼女らが何もしていないわけでは無い。ダンジョンメンバーに連れられて森に入り、薪や食べられる食材を集めている。狩りだってしている。だがそれらは、この人数の生活の中で消費されていく。出費を若干緩和する程度にしかなっていないのだ。


 この膨大な資金不足は、ブラントーム家から借りることで補っている。このドデカい借りは、家を貸すだけではぜんぜん足りていない。これからも積極的に縁者を雇用していく必要がある。


 あの監査部の白コボルトの言っていたことが頭によぎる。主導権は俺が握っていなければならない。それが失われれば、たとえハイロウ達が望まなくてもダンジョンは滅びる。ダンジョンを求めるその心によって。


 これもまたダンジョンマスターの責任。その為の一環として、人員を補強した。さらにもう一つ、やるべき事が有る。


 この状況を変える事である。どうにも、うちのダンジョンに流民を送り込んでいる誰かがいるらしい。その調査をブラントーム家とヨルマに依頼している。この間こちらに顔を出した時に、多少は聞かせてもらった。


 どうにも、ヨルマが前に所属していた商業派閥がこの辺りにちょっかいをかけているらしい。この辺りをまとめている帝国貴族がいて、そっち側とズブズブだったとか。だがその貴族、この間のダンジョン監査で不味い事が見つかって帝都にしょっ引かれたとの事。例の悪ダンジョンは本当にひどい所だったんだなぁ……。


 ともあれ、監査の仕事によってここいらの商業派閥のデカいのが消えている。しかしヨルマ曰く、バルコ国にも連中の手が伸びてる。俺のダンジョンの位置を知っている連中は限られている……いや、最近はそうでもないか?


 しかし、わざわざ手を出す者は本当に限られている。ダリオが俺のダンジョンに冒険者を差し向けた時にも商業派閥がいたらしいし。今回もその線であると思われる。……俺の知らないところで恨みを買っている場合もなくはない。だけど、ここまで大きな事ができる組織って本当に限られているからなぁ。


 ともあれ、調査は任せてある。後は抜本的な解決を帝国にお願いするだけ。そしてそのための話を、今日行う。


 本日は、エドヴァルド・ヤルヴェンパー公爵閣下がお見えになるのだ。


「失礼します、主様。ヤルヴェンパー御一行様が到着されました」

「わかった。今行くよ」


 ノックの後にゴーレム・サーバントのルージュの声。それに応えて席を立つ。今回は三名のご来客だと聞いている。エドヴァルド殿と、イルマさん。そしてもう一人。


 一階、応接室の前に到着する。ルージュがドアをノックする。


「失礼いたします。ダンジョンマスター、ナツオ・ミヤマ様。ご入室いたします」


 従者の開けたドアに入る。ヤルヴェンパー家のお三方が、席を立って迎えてくれた。


「いらっしゃいませ、エドヴァルド殿、イルマさんも」

「お久しぶりです、ナツオ殿」

「お招きいただきありがとうございます」


 二人に笑顔で挨拶。エドヴァルド殿が、もう一人の男性に目を向ける。


「ご紹介いたします。我が弟のウルマス・ヤルヴェンパー。普段は帝都での仕事を任せております」

「初めまして、ダンジョンマスター様。兄と妹がお世話になっております」


 華麗な一礼で挨拶してくれたこの人物。外観はエドヴァルド殿によく似ている。大きな違いは髪の色だ。エドヴァルド殿とイルマさんは黒。ウルマス殿は金髪だった。……見分けがつけやすくてとても良い、などと思ったことは心にしまっておく。


「こちらこそ。お家の方々には良くしてもらっています。セヴェリ君も、よく働いてくれていますよ」

「それは何より。ご当主様も一安心ですな」

「ご迷惑をかけていないようなら良いのですが。何かありましたら、是非おっしゃってください」


 皆さんに椅子を促し、座ってもらう。俺も対面にテーブルを挟んで座る。ルージュが、さっそくお茶の準備を始めてくれた。


 この家に移り住んで、やっとこういう応接室を手に入れることができた。格のあるお客様が多いので、格好を付けられるというのは大事だ。……調度品が全部元からあったものというのが、なんともアレだが話さなければ大丈夫だ、きっと。いや、ばれているかも。まあ、いい。


「まずは、ダンジョンの発展をお祝いさせてください。てっきり外に広がっていくと思っていたのですが、地下とは」

「埋まってましたからねえ、ここが。ペインズ付きで」

「結果的には、不幸中の幸いでしたね。もし、この街が無かったら今頃外が流民で溢れていた事でしょう」


 イルマさんの指摘にゾッとする。その通りだ。俺も放っては置かないだろうから、テントぐらいは用意する。しかし、ダンジョン前の広場はこの人数を受け入れられるほど広くはない。森を切り開くにも時間がかかる。そして、モンスターだってやってくる。


 確実に、惨劇になっていただろう。そして、ダンジョンに逃げ込む者達もいただろう。それらの対処をしていたら、まともな迎撃など不可能だろう。


 俺のダンジョン、終わっていたかもしれない。……いや、心を鬼にして追い返したか。しかしそうすると、周辺領主達との関係は悪化。北の悪ダンジョンに似たルートに乗っていた可能性も否定できない。


 改めて、商業派閥らしき連中のやっている策略が危険極まりない事であると思い知る。本来ならこんなに呑気でいられない事態だったのだ。……呑気、とは違うか。今もそれなりに追い込まれている。


 苦い顔を浮かべることを押さえられなかった俺に対して、エドヴァルド殿が努めて明るく振舞ってくれた。


「さて、それではナツオ殿の心配を取り除くお話を始めましょう。まず、帝国と話を付けました。バルコ国にまつわるすべての事を、我がヤルヴェンパー家で差配できます」

「……それは、その。とんでもないご負担、では?」


 公爵家がすごい力を持っているという話は聞いている。が、国一つの問題だ。流石に簡単な事ではないだろう。そして、それにかかる費用も。


 そう心配する俺に、しかし公爵閣下は笑顔のまま。


「内乱で纏まりのなくなった国など、物の数ではありません。乱れているため、治めるのが面倒ではありますがそれも数を投じれば済む話です」

「その数にしても、最近手間のかかる大事が無かったため問題なく人数を投入できます。我が家の寄子である貴族からも参加を希望する声があります。少なくとも、流民流入に関してはそれほどお時間を取らせることなく止めることができるかと」


 兄と弟、イケメン兄弟が爽やかにとんでもない話をする。何でもない事のように、内乱でぐっちゃぐちゃの国を平らげるとか言ってるぞ。そして、そんな気軽に言う以上、それは達成できる話なんだろう。本当にとんでもない。


「あの……お願いしている側でありながらこういうのも図々しい話なんですが、乱暴すぎることはその……」

「ええ、もちろん。お気持ちはイルマより伺っております。人情だけでなく、長期的な視野においても暴力的な支配は良いとは言えません。まさしく、セルバ国がその例ですからね」


 宣戦布告、即国境侵入。飛行船で電撃進軍。首都直撃、王族斬首。主たる貴族もぶった切り。占領後は雑統治。思い返してみても実にひどい。


「でも、乱暴にならない方法ってあるんですかね? 素人でその辺はさっぱりなのですが」

「乱暴……というそれをどう定義するかによりますが。少なくとも、戦争だの殺し合いだのにはしないつもりですしその方法もあります。そもそも、我々の目的は流民の停止、および国への送還です。そして、その目的を達成するにはどうすればよいか」


 そこで話を切って、エドヴァルド殿は俺を見てくる。……考えろと? えーと……流民が来るのが問題。ではなぜ来るのか。内戦が起きているから。内戦が止まれば良いわけで……それが起きた理由。彼らは何故争っているのか。


「王様が決まれば、よい?」

「はい、その通りです。第三だか第四だかの王子がまだいるらしいので、それをさっさと王座に着けます。そして各地で暴れている領主を、一人ひとり取り囲んで王に臣従を誓わせます」

「我らには船もあれば飛行船もあります。そして、バルコ国には国土を北から南まで貫く運河があります。流石に外洋船で乗り込むわけにもいかないので、そこは別途用意いたしますが、ともあれ移動も問題なし。時間がかからないという話はこの辺りも根拠となっています」


 またも、兄弟が軽々とんでもない話をワンツーで決めてくれる。……まあ、彼らは専門家(あるいはそれを雇っている)だろうからその言葉には根拠となるものが沢山あるんだろう。素人である俺は信じてお願いするしかない。


 なるほど、と頷く俺に対してエドヴァルド殿が表情を引き締めた。


「とはいえ、あくまでこれは相手が理性的であるという前提での事。内乱が長かった以上、法が乱れています。無法働きが過ぎて、日常に戻れない者もいるでしょう。そういった者に対しては、厳格に対処いたします。そこは、ご承知おきください」

「はい、それは。現地に入ってくださる方々の安全が第一なので」


 命を危険にさらしてまで、流血を避けてくれなどとは口が裂けても言えない。しかし……これはこれで、とんでもなく大きな借りになってしまった。今俺がブラントームに借金しているが。これだけ大きな作戦ともなれば、人件費や各種費用だけでどれだけかかるやら。


「ナツオ様、どうかなさいましたか?」


 顔に出ていたらしい。イルマさんに心配された。何でもない、と誤魔化す……のも無理だなぁ。


「いやその。とんでもなく大仕事をお願いすることになってしまったので、皆さまにどうお返ししたらいいかと」

「ああ、それは……」

「それでしたら、是非に一つお願いしたいことがございまして!」


 イルマさんを押しのけて、ぐいと身を乗り出す公爵閣下。笑顔が怖い。


「ど、どうぞ……できる限り、頑張らせていただきます」

「はい。ナツオ殿は、オリジン様に覚えめでたくなったと伺っておりますが。今回の事が上手くいった暁には、是非これらの事を酒の肴としてお話していただければ、と」

「……ん? それだけで、よいのですか?」


 拍子抜けする俺。ウルマス殿は、深々と息を吐いて説明する。


「私たちハイロウは、かのお方の威光にひれ伏してしまいまともに声も出せなくなる。そのような偉大なる始祖と日常的な会話ができるという事がどれほどすごい事か」

「加えて……オリジン様は基本的に政治に係りを持ちません。そして、ダンジョンの害悪となったものはどれほどの実力者であっても排除します。私たち公爵家はヤルヴェンパー様の庇護の元にありますが、何かのボタンの掛け違いがないとも限りません」


 イルマさんの言葉にふむ、と頷く。


「うっかり何かの勘違いでエネミー判定されて大戦争になったら困る。なので、点数稼いでおいていざという時に備えておきたいと」

「正しく、その通りなのです!」


 我が意を得たり、とエドヴァルド殿が力強くおっしゃる。うーむ……。先輩は政治に係らない。色々やって点数稼いでも、伝わらないと意味がない、と。


「じゃあ、まあ。事が済んだら一声かけてみます。……とはいえ、どうかなぁ。トラブってる時は面白がって首突っ込んできそうだけど、平和な時はなぁ」

「ナツオ様は、なんといいますか。オリジン様を良くご理解している様子で……」


 イルマさんが微妙な目線を送ってくる。何ともケツの座りが悪い。


「いやその。俺はダンジョンマスターだから。ダンジョン管理して強くしている限りは敵認定されないから。そういう精神的余裕というものがありましてね?」

「ほう」

「ですからね? 別に理解しているとかそういう話ではなく、ちょっと一緒に酒飲んで愚痴聞いただけであってそう特別親しいとかそういうのでは……」

「ほう」

「だからその……」


 はて。なぜ俺はこんなに必死に言い訳しているのだろうか。なぜ冷や汗が止まらないのだろうか。何故イルマさんからの視線が冷たいのだろうか。そして、ちょっと嬉しいのは何故なのか。


 ……にやつく兄二人の視線が腹立たしいのは、どうでも良い事として処理する。


「あー……話を戻させていただきまして!」

「ほう」

「戻させていただきましてぇ! 先輩に話をするって事は了解いたしました! ……で、それ以外に何かありませんか? そちらの持ち出しに対して足りてない気がしてならないのですが」

「ああ……なるほど。ええ、問題ございません。何より、今回の事は公爵家としましても利益がないわけでは無いのです」

「そうなのですか?」


 まじめな表情に戻ったエドヴァルド殿が、どこからともなく(たぶん魔法)取り出したのは、ここいら一帯の地図だった。……多分これ、国家機密だよね? 自由に地図が見れる世情じゃないよね?


「このバルコ国は、帝国の南東部の端に存在します。これより先は交流が薄い、あるいはまったくない国家が広がっています。ここから先に船を進めるうえで、バルコ国の港が使えるというのはとても大きい」

「今までは使っていなかったんですか?」

「セルバ国侵攻前に、交渉を進めていました。ですがまあ、あのような流れだったので態度をかたくなに。そして内乱が起きてしまいまして」

「全部おじゃん、と」


 その通り、と頷いた公爵閣下は指で地図上の川を指し示す。北から南まで、長く伸びるプラータ川を。


「先ほどの話にも出ましたが、この川は運河として使えます。旧セルバ国王都まで伸びるこれを使えば、帝国内陸部の物流に近づけます。海運とここを繋げる事によるメリットはとても大きい」

「……バルコ国の港を、海外貿易の中継地点に使えると」


 さらに、と手を上げるウルマス殿。


「バルコ国と、最近まとめ役がいなくなった旧セルバ国。この周辺の復興をヤルヴェンパー家の寄子に任せます。オリジン様に覚えめでたき事業に参入できたとあれば、寄親としての面子が立つのでそれも助かると」

「……公爵家はともかく、その下の名前まで先輩が気にするかなぁ」

「ははは……まあ、社交の場では通りがよくなりますので」


 そういうものか。……しかし、そうか。この件に片が付くとヤルヴェンパー公爵家はこの地に航海用の大きな拠点を得るのか。思いっきり飛び地だけど、それに関しては俺のダンジョンがあるからある程度融通が利く。


 しかし、旧セルバ国王都にまで手を伸ばすという事は。


「……エドヴァルド殿? ここのサイゴウダンジョンにも、ちょっかいかけます?」

「もちろんですとも。まあ、我が家が直接というわけではありませんが。色々と悪評がありますから、他の者達が手控えているというのも丁度良いので」


 ……事故物件だけど、うちがケツモチするからどう? という感じで紹介するわけか。公爵家が後ろについてくれるならば、と手を出す貴族はいるだろう。そしてそれは、公爵家の名声をさらに上げる、と。


 わあお。ものすんごい厄介事を、ここまで利益に変換するのか。これがヤルヴェンパー公爵家。帝国の大重鎮。主の名を預かるに相応しい、大怪獣ぶりである。


「と、いうわけでして。ナツオ殿には今後とも末永く、良い関係であっていただければそれで十分なのです」


 微笑むエドヴァルド殿の言葉に乗せられた、様々な意味。それに対して、俺は深々と頭を下げた。


「今後とも、よろしくお願いします」


 そうすることしかできなかった。

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― 新着の感想 ―
[一言] そのままほっとけばヤルヴェンパー家は権力争いで動けなかったのに、ミヤマダンジョン問題で命令系統の整理が出来てむしろ動きやすくなっていそう。
[良い点] 前章幕間のヤルヴェンパー派閥の挽回しようという情念が感じられる [一言] ご当主と弟さんが名代立てずに来たってことは前回の失態を理由に周りを黙らせたんだろうなあ、、、ダンジョンの空気が吸え…
[良い点] 大店こわあい…… いや、良い意味でね [気になる点] 気になるあの子(!)の実家も頼りになるけど、対抗の悪そうなじいさん達もこわいんよな……
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