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陽神装甲ソルテラス〜特撮ヒーロー異世界で神話となる〜完全版  作者: ソメヂメス
ヒーロー番組の主演が人生の転機すぎた
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始めよう異世界生活!進路相談と予期せぬ再会

 俺は、神殿長とシルフィーに事情を話して協力してもらう事にした。とりあえず元の世界の事ことは語らずに俺のこれからの行動と目的を話して何かアドバイスをもらおうと思う。


 シルフィーにソルテ様と面会をした事を告げてその事について話がしたいと言うと、詳しい話は神殿長を交えて聞きたいと応接室に通された。


 神殿の応接室でフランチェスコ神殿長と聖女シルフィーが俺に向き合って緊張した面持ちで座っている。俺が上座に座ってるがこの2人はエンリーク神殿のトップ2だ。


「えーと、そんなに緊張しないで下さい俺はこれからやりたい事があるので、そのことについて相談がしたいんです」


「大地様はソルテ様自身とお会いされたのですよね? その間紋章の部屋から聖なる光が溢れて神殿の外まで広がっていました。光が出ている間ずっと祈りを捧げておりましたが収まったので天界に帰られたのかと思っていました」


 え!? 外はそんなことになってたの!? 俺は普通にソルテ様と話ししていただけなんだけど、神様が実体化すると超常現象が起きるのか? シルフィーの話に内心冷や汗をかいていると次は神殿長の番だ。


「デーモンの瘴気で汚染された区域の浄化に手間取っておりましたが先程の聖なる光で全て浄化されました、体調不良や病気の人間も回復しています」


 そんな効果までまであるの? 未熟で力が弱いって言ってもやっぱり神様なんだな。


「あとは聖なる光の影響でバランさんの娘、ロッテの後遺症が治りました」


 それは純粋に嬉しいな、ロッテは背徳の杖で魂を抜かれた後遺症で高熱を出したり意識が混濁したりしていたから心配してたんだ。そう言えば同じように魂を抜かれた村人達は大丈夫なんだろうか?後でバランさんに聞いてみよう。


「本題に入るに前にちょっと聞きたいんですけど、ここでの俺の扱いってどうなってるんですか?」


「もちろん太陽神ソルテ様の使者、神の戦士ソルテラス様の化身ダイチ=カガミ様です」


 なんか俺のほうが仮の姿にされちゃってる気がする。シルフィーからしたら神様に準じる存在になってるみたいだ。この感じだと神殿長も同じように思ってるよなぁ。


「えっと……これから俺のことは普通の人間、出来れば平民として扱ってもらいたいのですがよろしいですか?」


 それから今後の事について説明する。ソルテ様は各国の王や神殿関係者、心ある人々と共にこの世界を発展させる事を願っていて俺はその手助けをしたい。


 俺がすることは世界を壊そうとしたり我が物にしようとする邪悪な者や罪の無い人々や善良な為政者を私利私欲のために害する悪党から世界を守ること。


 そのために1箇所にいるのでは無く世界を旅しながら人々の生活に溶け込み共に生きて、世界を知って人を知って善良な者を助け邪悪を滅する。


 そんな生活がしたいが良い仕事は無いだろうか?あくまで平民として権力や権威を行使する立場にはならずに広く世界を見て人を助ける仕事は……


「それならば冒険者はいかがですかな? ギルドは世界中のほとんどの国、地域に支部がありますし情報収集にも最適です。それに様々な依頼があるので人々の役に立ちますしランクが上がれば貴族や王族からの依頼もあります」


 すごく自由が効くみたいだけど具体的にはどんな依頼があってどんな生活になるんだろう? 詳しい話しは2人とも聖職者だから分からないみたいだ。


「あ! バランさんに聞いてみてはどうでしょう? あの方は傭兵ですが冒険者の経験もあるそうです、知り合いを紹介してもらえるかもしれませんよ」


「ありがとうございました、早速バランさんに聞きに行ってきます」


 ロッテの後遺症が治ったのですぐに帰るだろうから早く聞いた方がいいな。バラン親子の滞在する部屋を訪れると帰り仕度をしているところだった。村の様子が心配だから明日の朝には旅立つらしい。


「ダイチ様、こちらからご挨拶せねばならぬところ御足労いただき誠にありがとうございます、村のことが気にかかるため明日の早朝には出発する予定です」


 バランさんも俺のこと神の使者とか思ってそうだな、正直やめてほしいんだけど。今この神殿にいる人間で一般人なのはこの親子だけで後は聖職者なんだよな。


「実は相談したいことがありまして、そして俺は平民としてこの世界に暮らすことが目的なので特別扱いはやめてほしいんですけど、バランさんの方が年長者なのでタメ口でお願いします」


「わかったダイチそっちも気を使わずに話してくれ、それで何の相談だ?」


 バランさんは頭の切り替えが早くて助かるな。一般人で傭兵稼業だからか、くだけていて話しやすい。


「俺はこの世界で生活の基盤を作って一般人として暮らしながら、この世界を害なす存在や善良な為政者や一般人を貶める悪党を滅してソルテ様の世界を守ることが目的なんだ」


「普通の奴が言ったら笑い話だが、それがダイチの目的であり使命なんだな」


「さっき神殿長と聖女に相談したんだけど、俺の目的を考えると冒険者がいいんじゃないかと提案されてな、具体的な仕事とか生活とか聞いておきたいと思って」


「たしかにダイチの目的で考えるとベストな選択だと思うな、危険な稼業ではあるが神の鎧を纏っていなくてもダイチの実力なら大丈夫だろう」


 ソルテクターが神の鎧って言われているんだけど、シルフィーは俺の方がが仮の姿だと思ってるしソルテラスのデザインってこの世界では神々しく見えるのかな。


「具体的にはどんなことをするんだ」


「ランクやクラスによって違うが最初の方は雑用が多いかな、届け物や探し物、掃除や害獣駆除、狩猟や植物採集かな。職能によっては大工仕事や工事、魔術師や薬師の助手もある」


 要するに便利屋なんだな、依頼を受けて仕事をするみたいだけど、どこで受けるんだろう。


「仕事はギルドで受けるんだ、主要な町には大概支部があるな。ギルドに所属するには簡単な面接とクラスの確認をする為の適正審査があるがダイチの身体能力と剣術なら問題ないだろう、詳細な説明はギルドで聞いた方がいい」


 ようは組合なんだな、そこに所属してフリーの便利屋をするってことか。色んな町を転々とするには都合が良さそうだな。


「実績を上げてランクを上げると魔物や盗賊、賞金首の討伐依頼や遺跡、レアアイテムなどの捜索依頼、重要人物の護衛などの依頼も受けれるようになる。ダイチならすぐに上のランクに上がるだろう」


 大体わかった確かに俺の目的には都合が良さそうだ、適当な町で登録するか……って俺この世界のこと全然知らないや。


「俺とロッテは明日、村に向かうがもし良かったら一緒に行かないか? 村の様子を見た後にヤース伯爵領のロクジョーの町に行くんだがそこの冒険者ギルドのマスターは知り合いなんだ」


 そうだな、いきな知らない世界で土地勘や勝手がないままで暮らすよりも知り合いのツテを頼ったほうがいいな、バランさんは人情味があって義理堅いから信用出来るしな。


「ありがとう、お言葉に甘えるよ。バランさんの村のことは俺も気になってるからちょうどいいし、町に行くのに案内があると助かるよ。ついでに道中この世界の地理や文化、風習なんか教えてくれないか?」


「わかった。つい最近天界から降りたばかりだったな、この世界で生活する基本を道中ゆっくり教えるよ」


 うん、やっぱりあの事件の関係者は俺のこと神の使者として認識してるな。バランさんは気さくに接してくれてるから気楽に話せるけど、神殿関係者は特別扱いをやめられないだろうな。それ考えるとオーミ王国の王族に会うのちょっと嫌だ、平民の身分だから大丈夫だと思うけど王都には出来るだけ近づかないようにしよう。


「じゃあ神殿長と聖女に明日の朝出発することを告げてくるよ、準備もしないといけないし服装もこの世界に適したものに着替えたい」


「確かにその服装は目立つな。神殿に無ければ村にあると思うからそっちで用意してもいいしな」


 バランさんと別れ神殿長とシルフィーに明日出発することを告げる。服装は神殿の改修や修理をする職人の服が新品であったので、それをもらうことにした。頑丈で動きやすいので丁度いい。それに剣帯をつけてロデマス卿からもらった剣を装備する、保存食や毛布等旅に必要な物と路銀の入った背負い袋を用意してもらい、フード付きマントで準備完了だ。あとは明日に備えて寝るだけだな。


 神殿内に用意された客室で寝支度をしていると突然ソルコマンダーからアラーム音が鳴り出した、確かこの音は通信が入った時の呼び出し音だ。


 予期せぬ出来事にすこし動揺したが、とりあえずソルコマンダーのモニターを開き受信ボタンを押してみた。


 モニターの画面に何か映る、テレビ電話モードになっているみたいだ。なにか緑色の布に包まれた物がユサユサ揺れている。


 音声のノイズが多いな、画面がすこし離れてユサユサした物の全体が見えてくる。布の上の方が切れていて肌色の割れ目のようになっている。ん? え!? まさか! もしかしてオッパイ!?


 画面がさらに引いて音声のノイズも小さくなって来た。あまり化粧気の無い童顔にリンスインシャンプーで洗ってるだけのショートヘア、緑色のTシャツに包まれた大きなオッパイ、見慣れた顔がそこに映っていた。


「ケーコさん!? なんで!?」


「ヤッホー! 大地君、一週間ぶりだねー! 元気にしてたぁ!?」


 画面に映っていたのは「陽神装甲ソルテラス」の特殊効果担当でソルテラスの設定にも関わったCGデザイナーの宮下 恵子さんだった。……なんで!?




 

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