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陽神装甲ソルテラス〜特撮ヒーロー異世界で神話となる〜完全版  作者: ソメヂメス
太陽神ソルテ降臨と聖地カガミ
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亜空間へ ソーラリアン発進!

「ソーラリアン!」


 ソーラリアンはソルテラス専用の万能バイクだ。地上を走るだけでは無く、空も飛べるしソルテクターを装着していれば水中、宇宙空間、さらに異次元の移動だって可能だ。


 俺の呼び出しで現れたソーラリアンは劇中とはデザインか大幅に変わっていた。一人乗りだったはずなのにタンデムシートになっているしサイドカーが付いている。


「驚いた? 近いうちに同乗者2人を乗せて移動してもらう必要があるからナタさんに頼んでタンデムシートとサイドカーを付けてもらったんだよ」


「タンデムシートとサイドカーを付けてデザインをカッコ良くするの難しかったんだぜ。柿本Pも無茶振りしてくるよな」


 乗せられる人数を2人増やすためにデザインを変えたのか。でも一体誰を乗せるんだろう。


「あと2人って誰を乗せるんですか?」


「聖女シルフィーとアリエイル王女だよ。初日の出と共に[太陽に通ずる道]の先、その上空に聖地を出現させて2人をそこに招待するんだ」


 昨日、小浜さんの草案を中心にソルテ様の力を高める為のパンゲルア改造計画案が議論された。草案にナタさん、柿本さん、ヤノケンの見解を取り入れて意見を交換して出来上がったプランがこれだ。


 まず亜空間に聖地を造りソルテ様の仕事場である神殿と住居である家を建てる。俺とソルテ様は敢えてデザインを見なかったけどナタさんが会心の出来だって言ってたから出来上がりが楽しみだ。


 そして聖地には地球との情報、通信の中継地点としての役割ともう一つ、パンゲルアの人々の信仰の対象になるという重要な役割がある。


 俺たちにアマテラネットを通じてこの世界に干渉する力を与えている(ついでに俺をパンゲルアに召喚した)のは日本神話の最高神である天照大神だ。パンゲルアの神であるソルテ様とは同じ太陽の女神だという共通点があり、ソルテ様を支援するのは太陽神であり主神の先輩として後輩の面倒を見ているといった感じだ。


 だから太陽神である2柱の女神の力が一番強くなる初日の出と共に聖地を出現させる事によってパンゲルアの大地に強い力を与える。


 それを神殿主催の儀式としてソルテラススタッフ達が劇的な演出を行いパンゲルアの人々に太陽神ソルテと聖地の存在を認知させることが目的だ。


 その儀式のメインイベントとしてソルテラスに変身した俺が、ソーラリアンにシルフィーとアリエイル王女を乗せて聖地に連れて行きソルテ様と顔合わせをさせるというわけだ。


「その2人を選んだのには何か理由があるんですか?」


「聖女シルフィーはソルテ様に一番近い存在だから聖地に赴いて神託を授かる役目を与えようと思ってね。年に何回か日を決めて聖地に来てもらおうと思ってるんだ」


「そしてアリエイル王女なんだけど、彼女はオーミ王国の建国王とその妻である聖女の血と魂をそれこそ先祖返りって言ってもいいレベルで受け継いでいるのよ」


「プラス、オーミ王国はこの世界で一番ソルテ様に対する信仰が強く、豊かで平等な大国だ、王族も良識があって善政を行なっている。王女を聖地に招く事によってソルテ様と国との繋がりを深める意図もあるんだよ」


 なるほど、ソルテ様と直接会うことが出来、その言葉を聞く事の出来る選ばれし聖女として人々を導くシルフィーと、ソルテ様と深い縁のある強国の王族であるアリエイル王女を中心に、ソルテ様の影響力を高めるということか。


「とりあえず、そのソーラリアンで実際に亜空間に行けるか試してみようか。空気が無かったり物理法則が違うと思うから一応ソルテクターは装着しといてね」


 小浜さんから亜空間移動のGOサインが出るとケーコさんがさんが思い出したようにソルテ様に言う。


「そうだ! ソルテ様、大地君がソルテクターを装着したら石像の憑依を解いてすぐにソルテクターに憑依して下さい」


 ソルテ様は途中から話について行けてなかったようでボーッとしていたところを急に話を振られて狼狽えている。


「えっ!? ごめんなさい! 話が難しくて途中から聞いてませんでした」


「今から大地君がソルテラスになりますので石像から離れて彼の鎧に憑依してください。その乗り物に乗って亜空間……えっと分かり易く言えば世界の狭間に行きます」


「あのう、世界の狭間で何をするんでしょうか?」


「聖地を造るんです、身体を持ったソルテ様が暮らす生活の場であり仕事場、地球との情報通信の中継地点でもありパンゲルアに暮らす人々の信仰の対象という役割を持つ場所です」


 ソルテ様が口をパクパクさせて驚いている。確かに天照大神の力を借りているとはいえ、これからやろうとしている事は世界の創造に近いからな。


「で、とりあえず今から亜空間に行って聖地の創造はいつ始めるんですか?」


「亜空間移動が可能だと分かったらすぐに始めるつもりだよ。もちろんソルテ様の身体も一緒に造るからね」


 小浜さんは本当に軽く言うけどソルテ様だけで無く、正直言って俺も頭が追いついて無い。だけど今のままだとソルテ様が謎の組織に狙われている状態は変わらない。


 聖地の作成とソルテ様の身体を造ることはソルテ様の身の安全を考えると出来るだけ早く進めたほうがいいだろう。


「陽着!」


 俺はポーズを取って変身する。今日の場合は名乗りポーズは省略してもいいだろう。


「じゃあソルテ様、ソルテクター……俺の鎧に乗り移って下さい」


「あっ、はい分かりました」


 ソルテ様から黄金に輝く光が離れて、石像と光の玉になる。俺が初めてこの世界で見たソルテ様の宝玉だ、なんだか懐かしいけどこの状態だと危険なんだよな。実際にズーランとアークデーモンに封じられたし。


「では大地さん、失礼します」


 光の玉がソルテクターと同化すると凄まじいエネルギーが流れ込んで来る、これがソルテ様の力か。


「うっ……やっぱり現時点では私よりも大地さんの神気のほうがかなり強いです。頑張って力を貯めないといけませんね」


 ソルテ様の声が聞こえる。ソルテクターを通して感じるソルテ様のエネルギーは凄いと思うんだけど俺の神気の方がまだ上なのか? 全然自覚が無いんだけどなあ。


 とりあえずソーラリアンに乗ってハンドルを握るとモニターが点灯してタッチパネル式の操作画面が現れる。ソルテクター装着状態だと音声や脳波で操作可能だ。


 そう言えばこの画面のスマホ地図アプリが大人気で有料であるにも関わらず30万ダウンロードされたってスポンサーの広報さんが言ってたな。


「モードD、ディメンションモード!」


 画面にDの文字が表示されてソーラリアンが緑色の光に包まれると、目の前の空間が湾曲する。


「目標、パンゲルアと地球の狭間である亜空間。ソーラリアン発進!」

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