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陽神装甲ソルテラス〜特撮ヒーロー異世界で神話となる〜完全版  作者: ソメヂメス
太陽神ソルテ降臨と聖地カガミ
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エンリーク神殿での再会

この章から真に完全版となります。

 オリアーティを倒してロクジョウの町を救ってから2日目の朝、ソルコマンダーにケーコさんからのメッセージが届いていた。


「大地君、大至急エンリーク神殿の紋章の部屋に向かって下さい。可能であれば大晦日から元旦にかけて、アリエイル王女に滞在してもらえるように打診してもらって下さい。あと神殿に着いてソルテ様呼ぶ前に私を呼び出してね、呼び出しボタンのアプリををソルコマンダーのホーム画面に送ったから」


 俺はすぐにムタミさんと冒険者ギルドに2、3日エンリーク神殿に滞在する事を報告する。後はバランさんにも一声かけて、食料を買い込みハヤテに乗って神殿を目指した。


 馬でも2日かかる距離なので途中、バランさんの娘のロッテがいるヨコナ村で一泊させてもらおう。


 この世界では風呂文化が浸透しているので風呂好きの俺としてはありがたい。特にこの村には天然温泉が湧き出ているので近くまで来て立ち寄らない選択肢などは無い。


 村に着くと俺に気付いた村人達が大歓迎してくれた。俺はこの村の住人を救った神の使者として扱われるので祈りを捧げる人もいる。やめてほしいけど。


 そういえば、ギャバン卿を助けてオリアーティを叩き斬った時、みんながソルテラスのことを「闘神様」と呼んでいたような気がする。


 俺はあくまでも冒険者ダイチってことにしておこう。ソルテラスの神格化が止まらないような気がするが、気にしないほうが良いだろう。


 今日は村長宅に泊めてもらう事にした。バランさんの娘のロッテとその従兄のトッドが俺の話を聞きたいと近寄って来たので、ロクジョウの町での事でも話そうかと思っていたら。


「ソルテラス様、天界の話をしてぇ」


「どんな世界なの?沢山の神様がいるのぉ?」


 …………どうしたものかな、まあ適当に地球の事でもぼんやりと話しておくか。


「天界って言うとちょっと違うけど、俺が元いた世界には沢山の神様がいて色々なものに宿っているんだ」


「この世界の神様ってソルテ様しか知らないよ」


「ソルテ様は太陽神だろ、俺の世界には大地の神様、風の神様、水の神様……キリがないな。まあ全ての存在に神様が存在するんだよ」


「そんなに沢山の神様がいるんじゃ喧嘩になったりしないの?」


「結構あったみたいだな、戦いのとばっちりで山が吹っ飛んだり、海が出来たりした場所もあるぞ」


「ところでソルテラス様は何の神様なの?」


「…………いや、俺は一応一般人だから……」


 ギャバン卿達がソルテラスのことを闘神として扱うことは、彼らの勝手であって俺には関係無い。


「じゃあ、畑を耕したり、商売したり、兵隊している神様もいるんだね」


「ソルテラス様も、お仕事でこの世界に来てるの?」


 俺が好奇心旺盛な子供達に辟易しているとリッタさんが夕食の用意が出来たからと呼びに来てくれた。正直言って助かりました。


 夕食はポトフみたいな野菜煮込みとハムステーキにバケットみたいなパンだ。そういえば、この辺じゃこの手の欧風料理がメインに食べられていたよな。ロクジョウの町だと自分の好みでファカサゼン料理ばかり食べてたからな。


 食事が終わるともちろん温泉だ、温泉に向かうと工事がしてあるのが分かった。バランさんが経営する温泉宿の基礎工事と源泉から宿にお湯を引くための設備工事が結構進んでいる。ロクジョウの町が落ち着いたらバランさんも引退して宿のオーナーでやっていけるといいな。


 ロクジョウの銭湯もいいけど、やっぱり天然温泉に勝てるものは無いなあ。ほのかに香る硫黄の匂いも好きな者にとっては最高のアクセントだよな。


 天然スチームサウナにも入り、温泉を堪能て村長宅に戻ったら子供2人は眠りについていた(計算通り)。村長とリッタさんから温泉旅館の工事の進み具合や村の近況を聞いたり、最近のロクジョウの町やバランさんの様子について話をした後に眠らせてもらった。


 例の事件については、みんなで力を合わせて乗り切った事にしたが、たぶんソルテラスがオリアーティをやっつけて一件落着だと思ってるんだろうな。実際その通りなんだけどね。


 朝、村長宅で朝食をいただいてからハヤテに跨りモンゼーヌの町に向かう。今の俺とハヤテのペースだと夕方までにはエンリーク神殿に着けるはずだ。


 なんだか俺につられてハヤテの能力も上がっているみたいで正午にはモンゼーヌに到着した。ハヤテを馬屋に預けて牧場を眺めながら、のんびりとリッタさんに作ってもらったお弁当を食べる。薄切りのローストチキンと野菜をはさんだサンドイッチが美味い。


 お弁当を食べて一休みしたら、モンゼーヌからエンリーク神殿へと続く道をのんびりと歩く。時間が早いからのんびりしているけどアポ無しで訪ねても大丈夫かな?


 道の途中で気付いたけど参道を歩き出してから、誰ともすれ違って無いし前にも後ろにも人の姿が全く見えない。なんだか気持ち悪いけどそんな日もあるのかな。


 神殿の門にたどり着き神官騎士2人が恭しく門を開くと中には驚愕の光景が広がっていた。神官、神官騎士一同が道を挟んで左右に分かれて跪いている。


そして一番奥には、この神殿のトップ2である、フランチェスコ神殿長と聖女シルフィーが跪いていた。


 あれ? 事前に連絡入れて無かったよね。なんでみんなそんなに揃って出迎えしてるのかな? 間違いなく神殿の人間総出の出迎えだよね。


 俺は数百人の人間が跪く中を歩いて、フランチェスコさんとシルフィーの正面に立つ。


「えっと…………この仰々しい出迎えはどういう事なのかな? あと何で俺がここに来ることが分かったんですか?」


 シルフィーが跪いたまま答える。


「昨日、ソルテ様からの神託があったのです。本日ダイチ様が神殿に訪れると」


「ソルテ様からご活躍もお伺いしております。邪悪を滅ぼしロクジョウの町とギャバン様をお救いになったと」


 フランチェスコさんも跪いたままだ。


「言いたい事は沢山あるんだけど、出迎えありがとう。でもこんなに仰々しくなくていいからね。みんな顔を上げて、仕事や修行のある人達は速やかに持ち場に戻ってくださぁぁぁぁい!」


 出迎えに来てた神官たちは、一人一人俺に祈りを捧げてから持ち場に戻って行った。残ったのは神殿トップ2と護衛の神官騎士と世話係数人だ。


「とりあえず、落ち着いて話がしたいので場所を用意してもらえませんか。あと、割と急ぐお願いがあります」


 フランチェスコさんとシルフィーは再び跪いた。


「「何なりと申し付けて下さいませ」」


 込み入った話は後でいいけど、急ぎの要件だけ伝えておこう。この世界の一年はなぜか地球と同じだし。


「年をまたぐ日、つまり今年の最終日と来年の最初の日なんですがヤース王国のアリエイル王女にこの神殿に滞在していただきたいのです。あと5日しかないので無理を言いますがお願いします」


「畏まりました、すぐに魔道具で国王に伝えます」


 連絡はフランチェスコさんに任せて俺は紋章の部屋に向かう。シルフィーには後で話をする為の部屋の用意を頼んでおいた。ちなみに俺が滞在する部屋は常時空けてあるそうだ。


 紋章の部屋の前に着きソルコマンダーを開くと確かに呼び出しボタンが付いていた。俺は緊張しながらボタンを押した。すると画面が点滅して数秒後にケーコさんの顔が現れた。


「大地君、結構早かったね。アリエイル王女の件は大丈夫?」


「さっきフランチェスコさんが連絡してくれたから大丈夫だと思う。それよりも久し振りに顔が見れて嬉しいよ」


「わたしはアマテラネットを通じて大地君の活躍はいつも、見ているけどそう言ってもらえると嬉しいよ」


 この世界で知り合いも出来たけど、やっぱり俺は地球の人間なんだな。こうして元の世界の知人と話せると凄く安心感がある。


「大地君、とりあえずソルテ様を呼び出してくれない?」


 俺が紋章に祈りを捧げると神像が実体化してソルテ様が紋章の部屋に現れる。


そしてソルコマンダーから光が出てそこにケーコさんが現れた。


 えっ!? ケーコさんもパンゲルアに来たの!? と思ったらソルコマンダーから出てる光が写す立体映像みたいだ。


「初めましてソルテ様、私は大地君の友人でソルテラスの創造に関わった宮下 恵子と申します。ケーコと呼んでくださいね」


 あ! ソルテ様が腰を抜かしてる! 相当びっくりしたようだけど立ち上がって挨拶を交わす。


「ご丁寧にありがとうごさいます、私はパンゲルアの太陽神ソルテと申します。大地さん……ソルテラス様のおかげでなんとかこの世界パンゲルアを維持しております」


 お互い社交辞令的な挨拶を交わすとケーコさんが、真剣な表情で話し始めた。


「大地君の活躍で思いもよらない大量のポイントが手に入ったの。その影響でこの世界に干渉するツール、アマテラネットがバージョンアップしたわ。今から端末であるソルコマンダーのバージョンアップをするわね」


 するとソルコマンダーが虹色に輝き形が変わった。これ中盤にサポートメカが登場した時のデザインだ。


「ソルテ様、これでこの世界に干渉し易くなりました。ソルテ様の了承がいただければパンゲルアに変革を起こす手助けが出来ますが、よろしいですか?」


「是非!お願いします!私はお母様が作られたこの世界を素晴らしいものにしたいのです!」


「分かりました、私も大地君には早く地球に帰って来てもらいたいので知恵を搾らせていただきます。それでは早速ですがソルテ様は身体を持っていませんので、その姿は石像に乗り移ってるモノですよね?」


「はい、恥ずかしながら私は力と精神だけの存在なので身体を持っておりません」


 ソルテ様、ちょっと淋しそうだなやっぱり身体がほしいのかな?


「それでは世界変革の第一歩としてソルテ様に身体を造って差し上げたいのですがよろしいですか?」


 ケーコさんの提案に俺とソルテ様は驚きのあまり硬直してしまった。

次回から完全新作で無印とは全く異なる内容となります

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