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陽神装甲ソルテラス〜特撮ヒーロー異世界で神話となる〜完全版  作者: ソメヂメス
ダイチ ロクジョウの町で冒険者となる
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焼肉パーティーと回り出す歯車

 クリスマスも終わり世間は年末ムード一色の中、恵子は四六時中PCの前にいた。陽神装甲ソルテラスの編集作業も無事に終わり、依頼されていたバラエティー番組やCMのCGの仕事も無事に片付いていたが熱心にPCを操作している。


 アマテラネットは常時開きっぱなしで、スマホもSNSで知り合いの漫画家やイラストレーターにいつでも連絡を取れるようにしているし、脚本家の小浜や親友の幸子にも色々と相談している。


 アマテラネットによる情報収集をして、大地の状態を確認しながらパンゲルアと太陽神ソルテの大改造計画を練っているのだ。


 とりあえず大量のポイントを消費してパンゲルアと女神ソルテの力を高める事を優先する。


 ソルテラスは明らかにすべての能力が上がっているのでパワーアップにポイントを使わなくても良いだろう、戦闘や世界への貢献によってレベルアップしているようだ。




 その日はKARAKOこと武内 幸子が楽曲を提供したアイドルグループの曲が、レコード大賞新人賞に内定したお祝いに由美と香織と共に焼肉パーティーだった。


 忘年会シーズンだったが幸子が長い間バイトしていた店なので1テーブル空けてくれて、お祝いにビールをサービスしてくれた。


「サッちゃんのレコ大新人賞内定を祝って乾杯!」


「ちょっと! 内定もらったのは私じゃなくてピンクラピンだよ!なんか恥ずかしいよ!」


「でも作詞、作曲だよ。間違いなくサッちゃんの歌じゃない。ダウンロード数も上々だし本当におめでとう」


 その後は女4人で焼肉を食べながら、話しに花を咲かせる。途中、男のグループに誘われたり酔っ払いにからまれたりしたが軽くあしらった。


「おめでとうって言えば、香織さんいつ式を挙げるんですか?まさか入籍だけとかじゃないですよね」


 12月20日に香織の実家で行われたホームパーティーで、香織が恋人であるアントニオ=ロドリゲスにプロポーズされたことを発表した。来年中には結婚して、日米両方に住居を構えるらしい。


「式は挙げるわよ新居も探さないといけないし、来年中って言ってたけど間に合わないかもしれない。お互いにけっこうやること多いからね」


「そういえば由美さんはソルテラスの後番組に音響チーフとして参加するんですよね」


「サッちゃんも参加するんじゃなかったっけ? 柿Pが音楽と主題歌はサッちゃんに頼んでるって言ってたけど」


「今回は楽曲提供だけなんだ。ピンクラピンの楽曲提供を引き続き頼まれてちゃってさ、そっちが忙しくて。あとスポンサーの意向で次の主題歌は男性ボーカルを使うって言ってたよ」


「私は大地君のサポートがしたいから今回は断ったよ。でも柿本さんと杉内さんは新番組が始まっても大地君の事に関しては手助けするから、いつでも声かけてほしいって言ってくれたよ」


「まあ、そのことに関しては私達みんな運命共同体みたいなもんだからね、私も何かのときはレコーディングほっぽり出してでも駆けつけるよ」


 4人とも話しに花を咲かせながらも食べる手はいっこうに止めない。香織は5杯目の生中を飲み干し、由美はライス大盛りのお代わりが3杯目を突破した。


「2人ともそんなによく入りますね。香織さん全く酔ってないし」


「全然太って無いのに…………羨ましい」


「あら、アメリカじゃこのくらい飲むのは普通よ」


「焼肉ってご飯が進むんだもん、カロリーは後で消費したら大丈夫だよ」


 恵子と幸子の食べる量は普通だった。締めに由美は石焼ピビンバを、他の3人はハーフサイズのクッパを食べてお開きにする。香織は実家でアントニオが待っているので電車で帰った。


「じゃあ、2人とも時間あるんだったら私の部屋で大地君の活躍でも見ない?」


「そうだね、たまには大地の顔でも見てやらないとね」


「やったー! 異世界効果でリフレッシュだー!」


 一行は恵子の部屋へとやって来た。コンビニスイーツを買い込んで玄関から部屋に入るとPCの画面が今まで見たことの無い光を放っていた。


 それはアマテラネットに常時接続しているPCだ。恵子は慌ててPCの画面を見て、驚愕する。


「…………!? 何これ! エライことになってる!!」


「どうした!? ケーちゃん! まさか大地の身に何かあったのか!?」


「なんかモニター変に光ってるけど! 何かトラブル!?」


 光るモニターをよく見ると「大量ポイント獲得、アマテラネットバージョンアップ」と出ている。


 マウスをクリックするとアマテラネットのホーム画面が更新されていて明らかに機能が増えている。


「えっと新機能については後でチェックするとして、こんな事にるにはどれだけのポイントが…………」


「現在のポイント103万127ポイントって……ケーちゃんコレってすごいの?」


「私がやりたい事の為に目標に設定していた必要ポイントの約10倍だよ。大地君、いったい何したの?」


「前回見た後の動画、見れるんだろう? とりあえず大地がパンゲルアで何やったのか見て見ようよ」


「うん! 分かった!」



 秘密基地の発見、謎の組織の暗躍、そして大地がヒーローとして戦うことの決意を固めるなどの一連の流れが分かりやすく編集され、説明のテロップまで入っている。


「何これ! 誰が編集したの! しかもテロップ付きだなんてバージョンアップし過ぎだよ!」


 由美が素っ頓狂な声を上げて驚いていると、恵子が冷静にシステムを分析する。


「バージョンアップで機能向上したことは、色々あるけどダイジェストの中から気になる部分や重要な事は詳細を見る事が出来るし、大地君が深く関わった人達は一緒にいない時でも個別に見ることが出来るわ」


 そして、話を進めて行きオリアーティ一味によるロクジョウの町の襲撃からソルテラスの活躍による事件解決までの一部始終をダイジェストで見た。


 気になる部分の詳細を後で見ていると3人共夢中だったので時間が経つのを完全に忘れていた。


「ねえ、ここに来てからどれくらい時間経ったと思う?」


 不意に幸子が真剣な顔で言う。


「あ! とっくに夜、明けてるよね! 完徹しちゃった?」


 由美が現実に引き戻される、少なくとも半日近くは動画を見て意見を交わしていたと思う。


「えっと……ここに着いたの10時前だったよね?」


 恵子も何かに気付いたみたいで時計を見て驚愕の表情を浮かべている。


「うん、「やきにく屋たきや」出たの9時半位だからそのくらいだと思うよ」


「由美さん、時計見て!」


 壁に掛けられた木目調の時計をみた由美は驚愕する!時計の針は10時30分を指していた。窓を見るとまだ夜である。


「まさか! 24時間耐久やっちゃった!? 次の番組まで大きな仕事ないけど、これじゃ駄目な大人だよ!」


「由美さん! 落ち着いてスマホ見て!」


「え!? 日付け変わってない? うそ!? 30分しか経ってないの! なんで!?」


「多分、時空間が歪んでるとかじゃないかな? えっとそのへんのSF的なモノに詳しい人は…………」


「脚本の小浜さん、ヤノケン、漫画家のナタタイシさんかな。ヤノケンはウザいから外そう」


「小浜さんとナタさんに連絡したら2人共、明日いつでも行けるって。そんで昼からならナタさんの仕事場使わせてくれるみたいだよ」


 ナタタイシはSF専門誌を中心に活躍する漫画家兼イラストレーターだ。ソルテラスのコスチューム、メカ、敵のデザインで参加している。打ち上げとマンボウでの集まりは、締め切り間近だったので不参加だったがパンゲルアと大地の事に関して一番喰いついている。


「じゃあ今日はもうちょっとパンゲルアの動画見て、明日の会議に備えて寝ようか!」


「「賛成!!」」


 翌日、恵子発案、小浜脚本、ナタタイシ監修のもとパンゲルア改造案が作り出される。ソルテラススタッフ全員に草案をメール、SNSで送り意見交換も行った。


 動画データも恵子が送った物であれば見る事が出来る。ただソルテラスの関係者以外にはパンゲルア関係のものは見ることが出来ないようだ。謎のセキュリティーがかかっているので拡散の恐れは全然無い。


 アマテラネットのデータ解析と話し合いの結果、初日の出のタイミングが作戦決行に最適であると判断された。


 ソルテラススタッフによる忘年会兼パンゲルア改造計画は居酒屋マンボウに12月31日午後21時集合で決行されることになった。マンボウの店主も快く年またぎの貸切を了承してくれた。特製の年越し蕎麦と、御節料理も用意してくれるらしい。いつのまにか彼も運命共同体のうちに入っているようだ。




 運命の歯車が音を立てて回り始めた事を、冒険者ダイチと太陽神ソルテ、そしてパンゲルアの人々はまだ知らない。


 

次の章から先はほとんど書き直しになります。

まえの物は破綻してしまいましたので…………

1話めは修正ですが2話からは完全に書き直しになります。

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