良い作品と売れる作品は違うのか?
ネットでよく見る議論ですね。
まず、誰にとっての良い作品であり、売れるとはどういう状態なのかの定義が不十分ですので、議論になっていないのが現状に感じます。
言う人毎に定義がバラバラなので、お前は何を言っているんだ?状態になってしまいます。
良い作品とは何でしょう?
作者にとっての良い作品なのか、読者にとってのモノなのか、それとも出版社にとってでしょうか?
作者にも色々な方がおり、売れる作品こそ良い作品という方もいれば、自分の好きに書けた作品こそ良いという方もいるでしょう。
魂を込めて書いたモノこそ至高かもしれませんよね。
読者にとってはどうでしょう?
読者の価値観、感受性もそれぞれですから、ある一人にとっての良い作品を、良い作品として一般化する事は出来ません。
アナタにとっての良い作品は、ワタシにとっての良い作品とは限らない訳です。
アンチと信者が争う理由の一つですね。
世間的には傑作であっても、自分に合わなければ駄作に過ぎない。
また、良いというのも、暇を潰すにはもってこいという場合もあります。
友達にも自信を持ってお勧め出来る作品、何度読んでも泣ける感動作、ムシャクシャした時には最適(スカッとする意味で)、次世代に残したいモノ等々。
読者にとっての良いにも色々あると思います。
出版社にとっては、これはもう分かりやすい。
実際に売上のある作品以外にはないでしょう、多分。
敢えて宣伝もしなくても、であれば尚更でしょうね。
出版社にとっての良い作品は、結果を出した作品以外にはあり得ないと思います。
言い換えるなら、売れた作品は全部良い作品なのでは?
逆に言えば、売れなかった作品は全て悪い作品だと。
でもまあ、我々は出版社の人間ではありませんから、これは考えないモノとします。
しかし、このなろうには作者、読者、作者兼読者が同時に存在しておりますので、ますます定義は難しいのではないでしょうか。
売れるというのも何だかよく分かりません。
一冊でも売れたと言えるのだし、あの本よりも売れた、売れなかったと言いたいのですか?
出版社の採算ラインを超え、次巻に繋がったら良いのですか?
これも定義しないと議論になりません。
良い作品が売れるとは限らないと言いたい人は、自分の好きな作品が売れなくて不満なのか、嫌いな作品が売れているからアンチになっているだけな気がします。
もしも好きな作品が売れまくっていたら、良い作品だから売れたのだと思うでしょうし、嫌いな作品が売れなかったらザマァなだけでしょう。
それだけの事ではないのですか?
それとも、自分では良い作品を書けたと思っているのに、世間に全く評価されない事に苛立っているから?
このなろうではランキングがあるから分かりやすいですね。
これが日間一位なんて信じられないとか、自分の自信作が評価されないのは読者が低レベルだからだ、とか。
まあ、えてして言い訳だし現実逃避だし勝手な思い込みでありがちです。
それが悪いとは言いませんが、建設的ではない様に感じます。
時代に合っていないという不幸な例もありますから、いつか正当な評価をされる事を信じて、というモチベーションもあり得ますが。
話に戻ってパターンを纏めるとこうなります。
①良い作品だし売れている。
②良い作品だが売れていない。
③悪い作品だが売れている。
④悪い作品だし売れていない。
問題は、こう感じているのはアナタだけなのではないですか?という事です。
①一時的に熱狂しているだけで、潮が引く様に醒める事もあります。
②それはアナタが良いと思ってるだけで、世間的には駄作なのでは?
③それはアナタがアンチになっているだけで、世間的には良作なのでは?
④明日には爆発的に売れ出すかもしれませんよね?
と、屁理屈を付けようと思えばつけられます。
ですから結論としては、言葉の意味合いが不正確なモノを話題とする時は、発言者はどういう意味合いで言ってるのか明らかにしないと不毛となるのでは、です。
私にとっての良い作品ですか?
自作以外は全部駄作じゃ(錯乱しての暴論)!
嗜好が多様化し、商品が溢れているので生き残るのが難しい面があるかと思います。
このなろうで言えば作品数が膨大なので、仮に世間的に高評価を受ける可能性のある作品であっても、そもそもなろう読者の目に入っていない可能性があります。