彼女は高い冬の空を見上げてる
彼女は高い冬の空を見上げてる
まるで明日の天気を占うように
憂いひとつない顔をして
曇りひとつない瞳で
彼女は高い冬の空を見上げてた
彼女は黄色い肌の色をしていた
けれど今は夕焼けがオレンジ色に染めている
やがて夕闇が訪れると
彼女の肌の色は黒くなるだろう
何かを思い出して彼女はフッと笑った
彼女は部屋に戻って溜息をつく
彼女には人々の不安が理解できない
それが彼女の良さだった
それが彼女の無垢の証しだった
彼女に不幸という文字は似合わない
部屋には古いテレビが一台あった
彼女はリモコンに手を伸ばす
そしてヤーメタと思って寝転がる
翳りひとつない眼差しで
彼女は天井の染みを眺めてた
暖炉には燃え盛る炎
炎は揺らめき彼女の髪の色を変えた
金髪になったり黒髪になったりした
彼女の瞳もブルーに燃えたり
鈍色に落ち着いたりしたものだ
夜が深みを帯びても
決して彼女は寂しがったりしない
憂いひとつない顔をして
曇りひとつない心で
夢の扉が開くのをそっと待った
自分が何処から来て
何処に向かうかなんてどうでもよかった
やがて朝が訪れると
顔を洗って鉢植えの植物に水をやった
そして庭に出て冬の空を見上げた
もうずっと続いてること
何も怖くはない
恐怖や悲しみは人が運んで来るもの…
彼女は高い冬の空を見上げてる
まるで明日の天気を占うように
憂いひとつない顔をして
曇りひとつない瞳で
彼女は高い冬の空を見上げてた
彼女は黄色い肌の色をしていた
けれど今は夕焼けがオレンジ色に染めている
やがて夕闇が訪れると
彼女の肌の色は黒くなるだろう
何かを思い出して彼女はフッと笑った
もうずっと長いあいだ続いてること
何も怖くはない
恐怖や悲しみは人が運んで来るもの…
彼女は高い冬の空を見上げてる
まるで明日の天気を占うように
憂いひとつない顔をして
曇りひとつない瞳で
彼女は高い冬の空を見上げてた