1.プロローグ
今日中に全部投稿します。よろしくお願いします。
二回目ですが、縦書きおすすめです。
【プロローグ】
自由は絶望だ。一人残されたオレンジ色の教室で僕は目の前に座るオトナを睨み付けながら思った。口を開けば、建前建前建前。「もう来年は高校生だぞ」と真剣そうな表情で話しているが、三年前も「もう来年は中学生だぞ」と同じようなシチュエーションで同じように言われていたことにオトナたちは僕が覚えてないとでも思っているのだろうか?
「もう一回聞くけど、本を読むことがいけないことっていうことでいいのね?」
そう。今僕は授業中に読んでいた本を今目の前にいる大人が奪い取り「こんな人生の得にもならない物を読んでるんじゃない」という、全世界の本好きと作家を敵に回す様な言葉を発したことに対して反論したことによる二者面談をしていた。
「目上の人には敬語を使え」
「そんなことより質問に答えて」
無視された答えの催促をした瞬間、なにかにぶつかる音と共に視界が揺れた。
「そろそろふざけるのを止めないと……わかってるよな?」
どうやら胸ぐらを掴まれたようで目の前にあのオトナの顔があり、その内心焦ったかのように顔を陰らす姿に思わず溜め息が出るほどにくだらなくそして、つまらなく感じた。
「そこまで自分の地位が大切なんだ。バカみたいだね。滑稽だよ見てて」
なにか言われる前に「じゃあね」と言いながら胸ぐらにある老廃物と汗で滲んだ手を払い教室を出た。