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意志

ブクマありがとうございます!

モチベがあがります!


後方から突然悲鳴が聞こえた。


「……」


全員がおし黙る。

周りの生徒たちも一人として口を開くものがいない。


辺り一帯を静寂が包み込む

殺気が漂い少しでも物音を立てようものならば一瞬で命が消し飛ぶような錯覚を覚える。


耳をよくこらすと何やら音が聞こえる


バギッ グチャッ パキンッ


それは森の中から聞こえる

こちらからは木陰でよく見えない。


しかし、それが何であるかを察することは容易であった



ーー咀嚼音。



つまり、誰かが襲われ、貪り食らわれている



やばい!すぐにでも逃げなくては



頭が痛い、警鐘がガンガンと鳴っている


逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ

今すぐここから離れろ!


我にかえる

周りを見渡すと誰もが身じろぎ一つせず、音のする方を食い入る様に見ている。


このままではまずい

誰もが行動を起こそうとはしていない


「逃げるぞ!」


3人に聞こえるように声に出す

3人はそこで我にかえったのか、ハッとした表情を浮かべると俺の方を見てくる


ーーどうするの?


無言で問うていた


「走れ!行くぞ!」


そういって音のする方とは逆の方に走る

すると3人が遅れながらもついてくる


辺りの生徒はまだ動けずにいた

日本という安全に浸った国にいると、平和ボケしてこのような突発的な事態に対応できない


やばいやばいやばい!

何が何だかわからんがとにかくやばい!

あの音は尋常ではなかった

何かがあそこにいる

捕まったら終わりだ


文字通り全力で走る

運良くそちらの方には慧那先輩がいる


「先輩!」


声を掛けるとそこで気づいたのか目が合う


「あっ、結胤くん!」


「先輩逃げますよ!ついてきて下さい!」


そういって手を取り、走り出す


一瞬でも止まっていられない!

早くこの場から逃げ出したい


そう思い、話はこれで終わりだと言わんばかりの表情で無理やり走る


慧那先輩は状況がわからず、困惑した表情だった

心がまだ、追いついていないのだろう


森に向かって走り出す

あと数メートルで広場から森に入る

この開けた視界の中では何かが襲ってきた場合に対処できない

森の中なら視界が遮られ、多少なりとも逃げやすくなるはずだ

そう思い全力で駆ける


後少し!



そう思った瞬間、ついにそれが姿を現した


「グルルルゥ…」


それは狼の様な生き物だった

とにかく禍々しく、瞳が怪しく赤色に光っている

全長は2メートルは下らない

俺の胸あたりまであり、犬とは比べるまでもない。

狼をそのまま大きくしたような姿をしていた。


体色は黒ずんでおり、醜悪な出で立ち。



それを視界に収めた瞬間にある言葉が頭に浮かんでくる



ーー魔物



ゲームにでてくるようなその姿はまさしく、魔物と言うに相応しかった。



「っ!?。ゆ、結胤!」


「なんだあれっ!?」


紘也と航が声を出す


「俺が知るかよ!いいから逃げろ!森に入るんだ!」


後方より現れた魔物は近くの生徒を襲おうと身をかがめ、品定めするような目つきで獲物(せいと)を見渡していた


これは好都合だ。奴はこっちまでかなり距離がある

あいつが近くの生徒を食べている間に逃げれば良い


周りの人を助けたいと思う気持ちが、無いわけではない

しかしあれもこれもと欲張ることが愚策であると気づいていた

全員助けるなんてヒーローみたいなことが俺にできるわけがない

今はこの4人でも、俺一人では助けられるかどうかといったところだ


だから使うんだ、人を。

使えるものはなんでも使う


幸い、あちらの方には顔見知り程度の人しかいない


恨むなら恨め!


ヤケクソで心の中で呟きながら走る



森に入ろうとした瞬間。木の陰に赤い光が二つ見えた


嫌な予感がよぎる


あれは…まずい!


俺達のなかで気づいてる者は俺しかいない


二つの光が勢いよく森から飛び出す


「ガァウッ!」


魔物!


その魔物は俺が手を引いていた慧那先輩に飛びかかろうとした


やばい!


一瞬の出来事がやけに遅く見える。

あたりから色素が消え、グレーに染まる

加速した思考力の中で皆んなの表情が見えた


焦る紘也、絶望を浮かべる航、驚愕する九重、自らの命を諦めつつ、最後まで意志の強い瞳を持った慧那先輩。


この中で冷静さを保っているのは俺だけのようだ

咄嗟に手を引き、自分を盾にする


慧那先輩は心底驚いた様な顔をし、俺のことを見てくる


表情がコロコロと変わり、忙しい奴だな


なんて現実逃避気味に考える


不思議と死ぬのはそこまで怖くなかった


慧那先輩は、この現実になにもなすすべがなく、何もできない自分を責める様な表情をしていた


そんな先輩に泣き笑いの様な顔をして無言で頷く


ーー大丈夫。


たぶんそんなような事が言いたかったんだと思う

自分でも何が大丈夫なのかわからないがとにかく落ち着かせて、安心させてやろうと思っていた


加速が徐々に戻っていき、魔物が襲いかかる


「グッ!…」


俺は押し倒され、魔物の顎門がすぐ眼前に迫ってきた

体重はゆうに100キロを超えているだろう

前足が胸に食い込む

肺から酸素が思わずでる


「ク…ソッ!」


「んなっ!結胤!」


紘也が駆け寄ろうとする


「来るな!先に逃げろッ!後から追いつく!」


全員が驚きから、一瞬動きが止まる


「で、でも!」


「うるせぇ!今の内に逃げろ!じゃねぇと恨むぞ!」


航の言葉に対し、強めに声をかける


魔物を口が開き思い切り俺の顔を噛み付こうとする


ガブッ!


それを首を最大限右にそらすことによって回避する

首元を掴み噛まれないようにする

魔物はジタバタと動きながら必死に俺を食い殺そうとする


いいから早く行け、なんでこんなことしてると思ってんだ


紘也の目を見て思いっきり叫ぶ



「いいから早く行けぇぇええええええ!」


喉が枯れんばかりに叫ぶ


俺の意思を受け取ったのか紘也が一つ頷き、みんなに声をかけつつ走って行く


「お前ら行くぞ!結胤なら平気だ!」


その根拠はどこからくんだよ

苦笑とともにそんな事を思う


後ろ髪引かれつつ森の方へと走って行く皆を見る


ああ、これでよかったんだ


そして、前を見る

視線だけで俺を殺そうと言わんばかりに俺を見つめてくる


みんなを逃す為に自己犠牲なんてかっこいいことをしたが、タダでやられる程、俺は甘くない


必死に噛みつこうとしている魔物

一瞬の隙をつき思い切りこめかみを殴りつける


「キャンッ」


イヌ科特有の甲高い声を出しつつ横にずれる

その瞬間に拘束を抜け出し、立ち上がる


「クソ犬っころが…」


辺りを見回すとどうやら最初に悲鳴の聞こえた方から狼型の魔物が数頭広場内にいる生徒たちを無差別に襲っていた


まさに、阿鼻叫喚、地獄絵図。


濃密な緑の自然の中に、狂ったように赤い色がぶちまけられてる


何人かは今もまさに狼に貪り食われていた

自分もああなるのは時間の問題か

しかし、あいにくとそこまで大人しい性格ではない


殺られるくらいなら目の一つでも潰してやるッ!!


狼と対峙する

今にも飛びかかって来そうな雰囲気。

状態をかがめて、力を貯めている


テメェは、俺がぶち殺してやる!



戦う意思を宿したとき





頭の中で、()()()()()()








ーースキルを習得しました。スキル名:超再生



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