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二話目

楽しんでいただければ幸いです

何が起きたのか全く理解できなかった。


目を開けるとそこには森が広がっている。

360度全てが木に埋め尽くされており、森の中にポツンとある、広場のような所にいるらしい。

半径15メートル程には木がなく、草原が広がっている。



つい今までは学校にいて、友達と飯を食おうとしていて、気づいたら森の中にいる。


頭が追いついてこなかった。


あたりをよく見回すと人がポツポツと見える

全員が制服を着ているらしく、どうやらあの瞬間に教室にいた人達ということがわかった


「何が起こったんだ…?」


何度となく口に出す。


近くには一緒に飯を食おうとしていた友人が2人いた。


「大丈夫か?(わたる)紘也(こうや)


とりあえず友人二人に声をかける。

相川航(あいかわ わたる)は身長が170ほどで、優男といった風貌だ。

小鳥遊紘也(たかなし こうや)は175センチと高めで、目元が釣りあがっており、ヤンキーみたいなヤツだ。


「あ、あぁ…」


「なんとかな…。状況はさっぱりだけどよ」


二人はなんとか返事ができたといった具合だ。

冷静に分析をしてはいるが、俺も人の事は言えない。

むしろ、取り乱さなかったこと褒めてやりたい気分だった。


「ここ、どこだ?」


「俺が聞きてぇよ…」


「だね…」


俺の質問に紘也が答え、航が相槌を打つ。


「森ってのはわかったけどよ…、意味わかんねぇよ」


紘也が呟く。


「とりあえず、どうする?」


「そうだな、とりあえず落ち着こう。そんでもって仲の良いやつと固まるか」


航の質問に俺が答える。

滅多にないが、不足の事態に陥った場合は俺が先を考え、二人が後に続く、というのが俺らの中では普通という認識になっていた。

他人について行くよりも、俺と行動した方が良いと、二人は心のどこかで思っているのかもしれない。


不足の事態に陥った場合、一般人は自分で考えようとはせず、他人に縋るか、長いものに巻かれようとする。


そんな他人任せの考え方が俺は嫌いだった。


昔から自分が周りとは少し違うと自覚はしていた。

そして、このような状況になるといつも思ってしまう。


ーー何故、自分で考えて行動しないのか、と


何も考えず、他人に縋る。そんな無責任で半端な考え方が嫌いだったからこそ、無意識のうちにこんな考え方になっていたのかもしれない。


「そうしようか。二人は知り合い見あたる?」


航の質問を聞いて、俺はあたりを見回す。


2年生はネクタイの色が緑色であるため、緑色の生徒がほとんどだったが、ちょくちょくと赤、黄色の生徒もいる。

おそらく昼時であり、色々な学年の生徒が紛れ込んでいたのだろう。

赤がたしか3年生、黄色が1年生だったはずだ。


そんなことを考えつつ見渡したが、しっくりとくる人がいなかった。


元から友人関係や学校に関する事において性格的に一歩引いた位置にいる俺は特別仲の良い友達はここにいる二人くらいしかいない。


無言で首を振り航に視線を送る。

どうやら航もいないようだった。


航が今度は紘也に視線を送ると、紘也は辺りを見回し、ある一点で止まった。

そこには、ある女生徒がいた。


身長は160ほど、程よく筋肉がついており、茶色がかった黒髪でポニーテール?な髪型、一言であらわすとしたら凛としている生徒がいた。


彼女は紘也の幼馴染の…。なんという名前だったか…

なんて思っていたら声に出ていたらしい


「あいつはたしか…」


「幼馴染の華蓮だ、九重華蓮(ここのえ かれん)。いい加減覚えろよ…」


「わりぃわりぃ、九重さんか、じゃあ取り敢えず声かけますか」


九重は未だに今起きたことに対して動揺しているようだった。

本人はたぶん、それを悟られないように取り繕っている。

しかし、よく見ると焦っているのがわかった。

その様子がとても可愛らしく見えた


てか、ギャップ萌えハンパねぇな…


なんて邪な事を考えていたら紘也が声をかけていた


「おい、華蓮!」


「っ!?。こ、紘也!よかった、」


そういってこちらに駆け寄ってくる


「無事か華蓮?」


「え、えぇ、大丈夫。そっちは?相川と九十九も、大丈夫?」


「大丈夫だよ」


「無事なもんは無事だか相変わらずさっぱりだよな」


航と俺が順に答えると、九重は安堵したかの様に息を吐く

いや、実際に今この瞬間にやっと緊張の糸がとけ、"安堵"したのだろう

九重は見た目から気の強い様に見えるがそれでも心は女の子なのだ。

いきなりこのような事が起こり、不安だったのだろう


「あっ、そう言えば慧那先輩を見なかった?さっきまで近くで話していたんだけど…」


「見てねぇな」


「俺も」


「僕も見てないや」


三人が首を振る


慧那先輩とは、黒髪ストレートで、スラッとしている大和撫子然としている先輩の事である。九重とは仲が良く、事あるごとにうちのクラスに来ては九重と話している。

二人が話しているところを見ると、とても仲が良いということがわかる。

そんな二人を見て和んでいると何度か先輩と目が合ったのを思い出す


「どうしましょう、きっと先輩も不安だと思うの。探すのを手伝ってくれない?」


「勿論良いぜ、二人もいいだろ?」


「おう」


「うん」


紘也の問いに答える


4人であたりを軽く見渡してみるが赤色ネクタイをあまり見かけない


結構遠くにいるのかなんて思っていると九重が声を上げる


「あ、いたわ!あっち!」


そういって指をさす。

そちらの方を見ると確かに黒髪ストレートの大和撫子 (後ろ姿)が見えた


「おぉーい!慧那先輩!!」




九重が声を出した瞬間、それはおこった




「キャァァァアアアアアアアアアア!!」






ーー俺たちの後方から悲鳴が聞こえた。



異能バトルです

たぶんこれからです

ヒロインはどちらでしょう

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