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始まり
お読みくださってありがとうございます
俺こと九十九 結胤が高校に入り2年目。
2年生になりクラスも変わり、少しずつクラスメイト達との間に壁がうすくなりつつあると感じた頃。
いつもと同じ面子で机をくっつけ、昼飯を食べようとしていたとき、それは起こった。
突如として教室が光に包まれる。
あまりの眩しさに自分を含めた全員が堪らずに目を瞑る。
「なにがっ…?」
思わず声を出す。
迸る光の奔流が視界を灼く。
何秒たったかわからなくなっていた。
次の瞬間には光が消え、視界が徐々に戻ってくる。
まだチカチカとした目を何度もパチクリと瞬きをし、慣らして行く。
俺よりも先に視界が戻ってきた生徒たちが一斉に声をあげる。
「何が起こったんだ!?」
「ここは一体…?」
「…え……?」
そんな言葉に不安を覚えつつ、最後にもう一度大きく瞬きをして、目を開く。
そこには教室とは思えず、ましてや日本とも思えないほどの濃密な緑色が広がっていた。
「どこだここ…、何が起こったんだ…」
呻くようにそれだけを口に出した。