理の天眼
俺は、ミスティの部屋に入る。部屋に入ると、ベット上で彼女がチョークのような物を持って迎えてくれた。
「ようこそアルマリア君」
「どうも」
かるく挨拶を済ませた後改めて部屋の周りを見わたす。まず本棚に魔導書のようなものがきれいにしまっており、床には魔法陣のようなものが描かれていた。どうやらそのチョークで書いたのだろう。
「あ、ごめんごめん別に落書きをするつもりじゃなよ。この霧を調べるには様々な法則性を使って調べなければいけないんだよゆるしてね。」
彼女は申し訳なさそうに手を合わせて誤った。
「分かりました。その件については叔父さんには私が説明します。それより」
俺は部屋の鍵を閉める。
「アレ?なんで鍵を閉めるの?もしかして私を誘ってるのかな?」
ミスティはやや冗談な口調で言う。それに対し俺は、演じた自分を辞め素の自分を出す。
「あんたに聞きたいことがあるんだ」
「フフフ・・・・・・・アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
ミスティはまるで分かったかのようにニヤリとにやけて高笑いをしており、その狂った不気味な笑いが部屋中に響いていた。その笑いを聞くと不気味な感じがして悪魔と会話しているような感じがした。
「ハハハハハハアハハハハハハハハハハ・・・・・・・・すごいね。まさに二重人格いやこれが君の本当の姿なんだね。大した演技だ。君は十分な役者になれるよ」
「やっぱり知ってたんだな。俺がこの姿の人間じゃないことに」
「ああ、知ってたよ。見えているんだよ。すべて、」
ミスティは左目の黄色い眼を指す。
「この目は「理の天眼」と言って神から授かった代物なんだ。この目は君のすべてが分かる」
「すべてってなんだよ?」
俺は恐る恐る聞く。
「まあザックリ説明すると君の中身はすでに死んでいる。そして死後この世界の君がこの体にいるアルマリア ピュールシュに転生して第二の生を受けたんだよ」
「じゃあそのアルマリアと言う女は」
「そう君の生まれ変わり。そんでもって何かがきっかけで来世の人格が死んで代わりに前世の人格の君が移り変わったんだ」
俺がアルマリアの生まれ変わりそして、アルマリアと言う人格は死んでいる?
待て待て訳が分からんぞ。
てことは元の俺はやっぱり死んだってことになってんか?
しかもアルマリアの人格が死んでるってことはあの時崖から落ちたことを指しているのか?
「・・・・・・・・・・・・・・・・・そうか俺は転生したんだな」
「そういうことになるわね。まあこの現象は俗に「移り変わり」とそう呼んでるわ。それは滅多に起こらないからあなたはまず幸運と言った方がいいわね」
ミスティは静かにそう言う。なるほど「移り変わり」かぁ。だけどなんであいつはそれを知ってんだ?
「じゃああんたなんでそれが分かるんだ?その左目は何なんだよ?」
「理の天眼ね。まずそれを説明した方がいいわね。私ね生まれついたころにはすでに左目が失明していたの・・・・・」
ミスティは静かにそう語る」
「それを治すべく私の親・・・・・・・とは言っても父親は生まれつきいないから母親がそれを治すべく死んだ人間の体を移植する闇魔術の情報までいきついたの。
でもそれはこの国では禁術で使うと思い罰を与えてしまうの、それでも私の母親は、その術を引き受ける魔術師についての情報を聞きつけたの。でも遅かった。その魔術師はすでにこの国の騎士団に処刑されたの。解決方法もなく途方に暮れた母は毎日教会で祈り続けたの。
『どうかこの子に不自由のない人生を歩んでほしい』とそう願った
・・・・・・すると神はそれを認めたか、その数日後私は目を覚めると今まで闇しか映らなかった左目に光が見えたの。それを見て私の母は大号泣したわ。『信じる者は救われる』ってブツブツ語りながら抱き着いてきたわ。あの頃の母の体温かったなぁ」
俺はしばらく彼女の昔話を付き合うことになった。
「そしてそれ以降その瞳に不思議なことが移りこんだわ。視界に入ったもの真実がね。それは簡単に言えばオーラと言った方が正しいわ。人にはそれぞれ色、があるのよ。たとえ嘘をついてもオーラはそれに反応して震えるのよ。さらに気配のない人間でも、姿は見えなくてもオーラで分かるし、そして、あなたみたいに外見から放たれる二つの色が見分けられるのよ。一つは緋色の色これはアルマリア ピュールシュの色そしてもう一つはあなたの本来の姿を形にした青いオーラが見えるのよ。だからあなたの外見が別人だと理解したわ」
ミスティは分かり易く理の天眼について説明する。話が長すぎるが何となく分かった気がする。だけど後気になることがある。
「あと一つ聞いていいか?」
「何かな?」
「俺は転生する前にあんたと同じ用紙をした人間を見かけたことがるそれは偶然か」
「え?それって彼女か何かかな?・・・・・・」
「・・・・・・そうだ」
くそバッサリ当てやがってこいつには嘘つけんな。
「それはね私にも分からないただ一つ言えることは、この瞳には、奇跡を生み出すという説があるわ。その奇跡によって、あなたの前世の人格がこの瞳の能力で引っ張られたらしいわ」
「奇跡か・・・・・・」
どうせならその奇跡を俺の元いた世界に生み出してほしかったなあ。
「はいお話終了。他に何かある?」
「いや、特にないな。じゃあ失礼するわ」
話が終わって俺はミスティの部屋から出ようとする。
「待って」
と思ったら彼女に止められた。
「あなたいつまでその姿を演じるつもりなの?いい加減本来の自分に戻った方がいいのに?」
ミスティは不思議そうに言う。
「せめて儀式中までこの姿にいたいと思うんだ。俺があいつ・・・・・・魔王ギルリスを倒すまでは・・・・」
「無理よ」
ミスティはあっさり論破した。
「無能なあなたじゃあれには勝てない。例え十分な力をもってしてもね。あれは大昔の神と悪魔の大戦『災厄の審判』に参加した魔族の一人なのよ。その影響で力は大分落ちたとしてもこの戦力じゃ決して勝てない。この霧を解析して応援を呼ぶしか方法はないのよ」
「でもあんたは一人でここに来た」
「本当は私以外仲間を数人連れてここにむかおとしたの。だけどその霧の影響で仲間とはぐれてしまったの。この左目をもってしても仲間を救えなったのよ。あの霧は・・・・・」
彼女は握ったチョークを握り潰して悔しそうにしている。
「あと正直妹は諦めた方がいいわ。儀式まで、あと五日その時間までこの霧を解析するには、時間がない」
「でも止めなきゃいけないんだ・・・・・・・俺とリュミエールは血の繋がってない姉妹で赤の他人だ。それでもあいつ・・・・・アルマリアが残した意志は引き継がなければいけないんだ。妹は俺が護る」
「アルマリア君・・・・・・」
俺はそう言い残し部屋から出た。