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青百合戦記  作者: 夕凪
黒龍の巫女と強欲の因子編
39/39

アイアン・ヘイロー その5 殻の番人

「はあっはあっ・・・・・・・・テスラさん・・・・・・・」

「ロシェ・・・・・・・・」

テスラが機械兵だと知ったロシェは、倒れ散ってる姿を見て足を震わせ立てない状態となっているのが見える。


・・・・・・・当然だろうな。今まで疑っていて、ようやくあの人を信じてやろうっての時に最悪のタイミングでの裏切りだよな。これは皮肉としか言えないな。

前方で、心臓部分である核を失ったテスラは、動きを失ってなお、いまだにそこからこだまする微弱な機械音を不気味に響かせながらも俺は、小さな悲しみを見せるロシェに励まそうと試みた。





「ロシェ・・・・・・大丈夫か」

「・・・・・・はい?何を言ってんスか。うちは最初からあの人の事は信じてなかった

からこういう結果になるのは当り前ッスよ」

「そう言ってるけど、お前泣いてるぞ・・・・・・・」

「それは汗ッス」

ロシェはそう誤魔化して開き直ってるように見えるが、顔色が青冷め、体が震えてるのを見ると、未だにこの悲劇が受け止められないと思われている。





「そ、そんな悲観することないッス。それよりも、テスラさんが言い残したあの扉の奥にある宝物庫に向かうッス。あの人がその番人なら嘘は言ってないはず・・・・・・・」

「・・・・・・・ああ」

お互いそのショックで動揺しながらも、奥の扉に向かう。そう、テスラが死のうが後悔なんてないんだ。俺達の目的ははじめからあの宝が目的だ。どの道奴は、この遺跡を守る兵器で救われる可能性はない。

そう考えながら、再びあの扉の前に立ちのぶに手をかけ、そばにいたロシェは術を使いそれに仕掛けがないか確認する。




「どうやら、この扉を調べると鍵穴も魔術で細工された跡がないからトラップはないと思うッス」

「ってことはそのまま開けても大丈夫って事かよ。宝物庫なのに不用心だな」

「余程番人である彼女に自信があったと思われるッスね」

「・・・・・・・」

確かに奴のあの跳躍的な奇襲と槍術そして人と間違いそうな容姿ならこれ以上ない万能といえるな・・・・・・




「じゃあ開けるぞ・・・・・」

俺は、今まであった出来事を一度空にさせ扉のドアをゆっくり開ける。




「これは・・・・・・・空?」

その先を見た時俺達は、驚愕した宝があると思われる宝物庫の一室は宝物どころか物の一つも置かれてない空の部屋であった。




「ど・・・・・・どういう事だ?テスラはここに宝があるって言ってたんじゃなかったのか?」

「・・・・・・・ッチ。まんまとやられたッスね」

ロシェは、舌打ちし悔しそうに壁に叩いた。




「宝なんて初めからここになかったんッスよ。ここは恐らくこの管理者である機械兵の製作者のフェイク。つまり宝は他の遺跡か・・・・・・そもそも宝じたいは嘘かも知れないって事っス」

「え・・・・・・・・?じゃあテスラが言ってたこともデタラメなのか?」

「そうじゃないッス正確にはそう思うわせるように、機械に定着させる為に、記憶をいじくったんじゃないスか。内容は恐らく『宝があるから仲間を集めながらここを死んでも守れ』ってね」




「道理でオカシかったスよ。はるか昔、邪龍と互角に戦ったとされる機械兵の生産工場に未だに宝があるってことを・・・・・。それならとっくの昔に力がある者がその宝を手に入れたって噂されますよ。あーーーあ悔しいッスね。せっかくここまでただり着いたのに成果があったのはこの複数の巨人の核だけなんて・・・・」

そう彼女はカバンから巨人の核をふんだんに入ってるのを見せる。



「あれーーーーーお前いつの間に核をこんなに・・・・・・・」

「アルマさんがそこら中に機械兵を倒した所に隙を見て手に入れたんスよ。でも手に入れたんのはこれだけでほとんどはアンタが核ごと消滅させたから勘弁して欲しいッス」

ったくどこまでも抜け目ないやつだけど、それがあいつのいい所だ。俺はそう思いながらロシェの頭をさすろうとするが、残念ながら恥ずかしそうに逃げられてしまった。リュミエールなら軽く受け入れてくれるのに素直じゃないな・・・・・・






「じゃあそろそろ帰るか・・・・・」

「そうっスね」

宝である核もそれなりに手に入れたし俺達は周囲に不気味な機械音が未だに響きながらもその場を後にしようとしたその時、空である宝物庫から何かが入るの感じそして、




バシュン

何かが燃えた音が聞こえた後、それは後ずさりする。その正体は、先程無意識の俺から核を抉り取られたテスラの姿であった。

彼女は核を抜かれたも未だに健在していても動きはぎこちなくカクカクとした動きで人の動きというより傀儡人形な感じだった。




そして『青い炎』で燃えていたのはテスラの長槍で、不意打ちで俺を狙おうとしたが残念ながらその炎の壁で防御されて武器である槍は、消滅したと思われている。その証拠に長槍を持ってた両手が炎によって燃え移り黒く変色されてしいた。




「く・・・・・・・・あトもうスコし・・・・・・だった・・・の二・・・・」

そして口調もカタコトでよく見ると彼女の顔いや体の数箇所には機械であることを物語るようにヒビがにじみ出ていた。


テスラの目的は恐らくロシェがカバンに詰め込んでいる仲間の機械兵の心臓である『巨人の核』でそれを取り返そうと行動を示していると思われる。

俺は、それを守ろうとロシェを守ろうと『青い炎』を纏い前に出る。





「・・・・・・・・それを返したら俺達を返してくれるのか」

「いエ・・・・・・ここヲ・・・・・・・見られたいジョウ・・・・・・・・あなタ達をカエス・・・・・わケには・・・・・・・いか・・・・・ない」


そして彼女の頭上には神々しき光の輪を突如として現れ、それと同時に周囲に青い雷撃を震わせていた。

しかもその雷撃はさっきまで戦っていた蜘蛛形のそれとは別に、威力が段違いと思われる。



テスラは、『雷天』を現わしてから彼女の動きは自然体な感じをし、黒く変色した両手は雷撃の刃として変換し俺に向ける。

そして、人らしい言葉を取り戻し・・・・・



「ここで・・・・・・・死んで」

そして『雷天』との戦いは最終局面を迎える。






遺跡からは刃と刃を響きわたる音で鳴動する。それは、遺跡内部では、お互い高速な動きを放ちながら攻防を繰り返してた。それは、お互いが近距離での斬り合いから中距離、遠距離に持ち込んでの空中戦からの魔術の打ち合いが地下通路に木霊していた。



テスラは双方の刃で雷撃を纏った彼女はまさに雷というほどの動きを持つ速さで、炎を乗っ取らせしかも二刀の銅剣を持ちしかも炎を背中でブーストした状態で応戦するのでいっぱいで、おまけに奴には『光輪』から無限にマナを生み出しそれを糧に遠距離での雷撃そして、・・・・・・・

シュン



「・・・・・・隙だらけ」

「うおっ」

ガキン!!


その時前方にいたはずのテスラは瞬時に消え背後から斬りかかろうとするが、なんとかその一撃は、刀身の下を潜り抜けて避けた。

それに加えて近距離からの瞬間移動で背後に迫り斬りかかる戦法を何度も繰り返すこんなのうざいったらありゃしない。



俺達はこうもお互い入り乱れている地下通路を魔力の噴射を使いお互いが追いかけながら体力、魔力がからになるまで戦っている。

もちろん俺は、手を抜いている。なぜならあいつの生きるついての理由が分からない為にあえて防御にていしているのだ。たとえ中身が機械で、なにかに囚われていても助ける見込みがあるなら、俺はそれを救いたいと思ったからだ。

そんな戦いが続く中、向こうから望んできたことを口にしていた。




「なぜ・・・・・・本気を出さない?」

「本気?なんのことだ」

「とぼけないで、あなたの切り札は光の翼のはず・・・・・・なぜ奥の手を出さない?」

わざととぼけた態度を取るとテスラは機械兵らしからぬ苛立ちを見せていた。




「さあな、あれは消耗が激しい力の為、こうもお互いが実力を拮抗してる状態での大技はピンチになりやすい。それはお前だって同じだろう。それよりなんでお前は機械なのにこうも感情的に戦っているんだ?」

「さあ・・・・・分からないわたしはただ製作者である父の使命である宝を守るだけ」

「でも、そこには宝なんてなんもなかったそんな形の無い物、守ってどうする?」

「・・・・・・・」グググ




その言葉を聞いてか奴の刃の力がさらに力んで、さらに動きも素早く、放つ魔術も勢いが増していた。もしかして挑発が効いているのか?そう思いながら挑発を続こうとする。



「お前はただ支配されているんだその親って奴にな、ただ何もない空の部屋を何千年、何万年もだ、そんな長い時を意味なく待ってて意味はあるのか?」

「・・・・・・・・」

「いや意味なんてない。お前はただその『光輪』という万能なおもちゃを振りかざして敵と思われる人間を殺しそいつが持ってる命を使い仲間を生み出すただのハイエナだ。そんなおもちゃを使って誰が喜ぶ?この世界にはお前をしたう父なんていやしない。これから終わりのない作業を繰り返して解くなんてあるのか?

もしかして大好きなおもちゃでも買ってくれるのか?だったら見て見たいね。俺はごめんだね死んだ奴のくれた汚物なんて死んだ方がマシだ」



「・・・・・・・・アアアアアアアアアア」ピピピピピ

その安っぽい挑発が効いたか奴の右手から放つ青白い刀身は巨大化し、地下にも関わらずそれを振り下ろし衝撃を起こし、周りが揺れ始め崩落しそうなくらい天井がひび割れる程の勢いだった。


「・・・・・・『エクレール・オア・コレール』(雷神の憤激)・・・・・・・」

テスラは静かな怒りの中で繰り出した後その技を唱えた。まるで今まで言ってた雑音をカっ消すように・・・・・

この大技によって地下空間は崩落の危機をさらしてる中、テスラは関わらずに俺に向かってその巨大な刀身を小さく圧縮し、雷撃震わせ瞬時に背後に回ったが、俺の炎の起点によってそれを防ぐことにした。拮抗する刃と刃を交わる中テスラは静かに本音を語る。




「・・・・・・あなたの言う通り今の私にここには私が守る者はない。だけどそれはあくまで罪の償いだ」

「罪の償い?」

「そう、あなたはあの手紙を読んだのでしょう。あの手紙の言う通りどうやら私は自分の父を殺めたのだけではなくあの宝をみすみす何者かに奪われた失態を犯した。その中で私はその罪の為に永久にここにいる。たとえ何年、何百年、何千年経とうが、その微かに残る記憶と共にここで静かに守るそれが償い。私にはその枷がある限りここを出ない」

「なら、俺がその枷を外してやる・・・・・・」

「なに・・・・・」

ようやく自分の真意を語ったテスラに俺はようやく本気を出すことができ、背中に『光の翼』を発現する。




「俺が言えた義理じゃないが親思いの引きこもりには外を出させてやるよ・・・・・」

俺は青い炎を両手を灯し『光輪』を掴んで壊そうとはかる。『光輪』は周囲に雷撃をかましながらひび割れている。

だが、テスラもそれを容易にさせなく雷撃の刃で俺に攻撃を図るが、俺の炎はその刃さえも塵にすることが出来た。その姿を見て氷の表情させも驚きを見せていた。



「なっ・・・・・・!?」

「やっぱりあんたは見た目をが機械とは思えない程、感情的でい怒りや驚きを見せている。だったら次は・・・・・」

バキッバキッ

「や、やめろ・・・・・・」


テスラのその言葉を聞かず俺はさらに青い炎を噴出しさらに『光輪』を崩壊させようとさらに作業を進める・・・・『光輪』を破壊することで、徐々に『雷天』である彼女の力が弱まってるのを感じる。そしてそれを好機か光の翼をさらに発現しテスラ『光輪』ごと叩き付けることにした。

テスラは弱まった力ながらも雷撃を放つがそれでも青い炎を纏った俺には届かなかった。





「・・・・・・・やめてくれ・・・・・これ以上父の居場所を壊すな・・・・・・」

「だったら俺も言わしてくれ・・・・・・・いつまでも父を頼るな」

悲しみの表情を見せるロシェにも関わらず俺は最後の仕上げとして地下空間を壊さぬ程度に『光の翼』の力でさらに出力を上げ天井を『光輪』ごと壊し上に這い上がった。

そして、俺は天井を壊しながら進んだうちに地上に進み、テスラと最初に出会った地上を再び見せることにした。





「どうだ・・・・・・・これが地上だ・・・・」

地上に這い上がって空を見せるのはいいが、俺は『光の翼』の消耗でお互いが崩れるように倒れてそれと同じに『光輪』の欠片や崩落した壁が周囲に降り注いだが、俺は周囲に炎を張った為にそれに当たることは無かった。



ロシェと俺がお互いが横に倒れてる中、核も『光輪』もなく停止状態になり、全身がひび割れ所々機械の部品が露出しながらも無視の生きながらも語った。




「これが・・・・・・・あなたが私に見せたかった・・・・・・もの?」

「ああ・・・・・・そうだこれがお前と初めて会った時の空だ。この世界にはお前が知らないような世界が沢山ある。空に閉じこもらないでそろそろ、外に出て俺と旅をしてくれないか?」

「・・・・・・・・本当に私でいいの?」

「・・・・・・・ああその為に無理矢理外に出してやった。もしかして嫌だったか?」



テスラの答えは意外にも横に振り解放されたように表情からは冷たさが感じなかった。

「いいえ、・・・・・・あなたとの冒険も悪くない」

「なら握手だ」

「悪いけど・・・・・それは出来ない。見ての通り核や光輪の無い私は、この崩壊しかけている体にそれはできないし、何より、言語も間もなく・・・・・できなくなる」



「だったらそれまでにはどこか修理をしなくちゃな・・・・・」

その点にはミスティさんに上手く説明すれば何とかしてくれるだろう。多分色々言われるけど・・・・




俺はそう思いながらテスラはまもなく思考が停止しながらもじっくりと外の日差しを最後の瞬間まで干渉してるのが見えそれに加えて口を動かして何かを言おうとしていた。

俺はその言葉を聞く為に耳を澄まして見ると・・・・・




『お父さんこれから言いつけを破り自分のやりたいことを探して見せます・・・・・・・機械の私でも娘のように育ててくれてありがとう』


そう満足そうにつぶやいてた・・・・・・・・・








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