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青百合戦記  作者: 夕凪
黒龍の巫女と強欲の因子編
37/39

アイアン・ヘイローその3 雷天

「アルマさん、この人も連れて行くつもりッスか?」

「ああ、そうだけど、嫌なのか?」

「当り前ッスよ。突然そんな訳の分からないヒトを連れて行くなんて・・・・・・・もし宝を強奪することがあったらどうするんッスか」

「それ、昨日の自分の前で同じことを言えるのか?」

「それとこれとは話が別ッス。とにかく見ず知らずの人に連れて行かれたら困るんス」

テスラと言う、少女が地下の遺跡の書斎から降ってから、ロシェはずっとあの調子で、テスラの事を警戒している。そして。ロシェはテスラの事を近づきチンピラの如くジロジロと睨む。




「そもそもうちはこのガイドの仕事をやって数年もするんスけどこんな人がガイドなんて見たことないッス」

「・・・・・・・あたしもあなたのようなガイドは知らない」

「ムッ、確かにうちは、稼ぎの為に各地に転々として、この地に来て、二年前くらいは経ったんス。けどそれでもあんたみたいな不気味な人は、初めて見るッス」

「おいおい、お前ら何を喧嘩してんだ」

俺は、対立する二人を中立し、まずロシェの言い分を聞く為にテスラのいる場所から少し離れ本棚の脇にて話を聞くことにする。





「アルマさん、この女に騙されてるはダメッスよ」

「ダメって、なんで?」

「うちには、今まで、色んな人間を見てきてたんで、善と悪の人間の区別は、分かるッスけど、この人の場合は、長年みたうちでさえ、分からない心を持っていて、その感情を一滴も漏らしてないんスよ」

「つまり?」

「心が無いって意味ッスまるで機械仕掛けの傀儡のようッス」

「それは、恐らく彼女は、祖父が殺された事を意味をなしているんじゃないか?大体心が見えないからって何かいけない理由でもあるのか?」

そう、彼女が感情はないのは祖父が機械兵に殺されたってことは、聞いており、俺にはその言葉は偽りがないような表情をしているように感じた。まあ、なんとなく感だけどな。



「アルマさん心が無いって事は、つまり何をしでかすか分からないッス。うちもあのヒトの言葉を聞いてウソ偽りが無いのは、なんとなく分かるッスけど、問題はあのヒトの心情で、心が無い人間こそが最も恐れる脅威ッス」

「流石にそれは、考えすぎだろ。貧民出身でいままで人の顔裏を見て生きていたのは分かるけど少しは、疑りを減らしたらいいと思うけど・・・・・」

「・・・・・・・・・・・一応肝に銘じておくッスよ」



まあ、こんな感じでロシェの説得を終え俺達は、テスラの元に向かうと、彼女は何やら書物の一つ一つを手に取り集中力を研ぎ澄しながらパラパラと本を読み進んでいたのだ。しかもその読破力は半端なく一冊の書物を読むのにあたり、1分もかからなかったように見えた。

そして俺は、読書中ながら恐る恐る声を掛ける事にした。



「テスラ・・・・・・・ちょっといいか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」パン

神秘的な彼女は無言と本を音を立てて閉じると、スッと俺に顔を向ける。





「なに?」

「さっきまでこの古そうな本を読んでいるけどもしかしてこの古代文字分かるのか?」

「一応」コクコク

「ホントッスかね?うちにはパラパラと読んで適当に読んでるのに見えないッスけど」

「要点だけ読んでいれば早く読めるわ。もしかしてあなた達にはこれが読めないの?」

「読めないから困ってるじゃないッスか」

「それならこれを・・・・・・・」スッ

ロシェは疑い感じてるロシェに黒縁メガネを渡す。




「何これ?」

「あ!これって読破スキル付きのメガネじゃないッスか」

「しかも高度スキル持ちだから読めるはず・・・・・」

「確かにこれなら、読めるッスね。けど・・・・・信用していいんスかね

「・・・・・・・・・それはあなた次第」

ロシェは、やや疑いを持ちながら渡されたメガネをかけ、その後近場にある本を手に取ると、読みが止まらなかった。




「むむむ・・・・・ほ、本当に読めるッス」

「・・・・・・・・当然」

「だ、だけど感謝なんてしないッスけどね」

「・・・・・別にいいお礼なんていい」

「お礼じゃないッスよ。そっちこそなに感謝前例で受け取ってんスか」

「ハハハハハ」

ロシェが微妙なツンデレで場がなじんだ所で、話は戻す。




「それにしてもお前今まであのメガネ使ってなかったけどなんでその文字が読めるんだ?」

「・・・・・・家の書斎にもそれと同じものがあった。・・・・・・・・後はおの文字について時間を費やしてからなんとなく・・・・・・」

「そうか・・・・・」

そしてロシェは、なぜか俺の方に目を向け不思議そうな表情をしている。



「あなたは疑わないの?謎だらけのあたしに?」

「なんで疑うんのか俺には分からんけど・・・・・ただ知ってることがあればその人に頼るのは当然だろう?」

「・・・・・・・・あなたも変。見た目が女の子なのに男みたいな口ぶり」

「それは・・・・・いろいろと理由が・・・・・いやそれより、この遺跡のことについて教えて調べたんなら教えてくれないか?」

「うちもまだ解読途中ッスけど、そっちの方が知ってるのが多そうだから分かってる事があれば、教えてくださいっス」



そう言われるとテスラは、そばにあったとある本を手に取り、書斎の外で、張っている結界を破ろうとしている機械兵の突撃で、この場所は妙な振動で揺れながらもこの遺跡の謎について話す。



要約すると、この機械兵は、ある目的の為に作られた。それは、前にロシェが言ってた邪龍を討伐する為に作られたと言ってったが、テスラの見解によると、その答えの他の見解があった。




それはは、この遺跡いや・・・・・・・この広い大陸の数ある遺跡のうちの数箇所にはここの地下とは同じような機械兵が作られる為の生産工場になってたのだ。

で、何を作られれたのは言うと、テスラは、とある文献のあるページを開く。



それは人型の機械兵が、天使のような光の輪を頭部より上に出現させている絵であった。


テスラによると、機械兵の頭部に円盤のような物を『光輪』と呼ばせ、それを機械兵に装備させると、本来、人間や動物はたまた魔族など生があるものにしか発生しないマナを自発的に発言させる増幅装置を開発させようとしていた。

で、テスラは、己が今まで経験した記憶とその文献を元に徐々に機械兵の成り立ちを説明する。




それは、機械兵を作る為の材料だ。マナがなく自発的に動きなぜ人を殺す程の技術を植え付けられたのは言うとそれは、俺が持ってる巨人の核だとテスラはそう唱えた。



どうやらその巨人の核が、機械兵を起動させるための心臓もとい電池の役割を持っていてそれをはめ込むことで、機械兵が自立的に動いたのだと推測する。

試しに俺は、この書斎の外で結界と格闘している機械兵の一体を動けない程度に動きを抑えその状態で、その内部を炎で抉り取って内部を探ると、胸部分には、俺が持ってたのとは色や形が違うやつだが、それを取り出すとそれは、音をジジジと機械音を震わせながら動きは完全に止まったようだ。



それで巨人の核がその動力源だと確信するとロシェは、さらに説を唱え、この遺跡は、その『光輪』に適合させるために必要な生産工場のようで今もその光輪にあった機械兵を生産するように地下深くにひっそりとその為のデータと技術を得て、この遺跡の領域に入った巨人の核を手にした冒険者からそれを奪いより高度な機械兵を生ませるために必要だったのだ。



「・・・・・・・・・・確かにアンタが言ってる事は、この文献に書かれているのは同じッス。だけど一つ教えて下さい。・・・・・・どうしてそこまでの技術があるのに直接巨人の核を奪わないんスか。その方が効率がいいだろうに・・・・・・」

ロシェは、そう自論的に話すテスラに話を割り込ませると、テスラは静かに答える。





「・・・・・・・・・・・・それは、恐らく巨人の出現はそこまで多くないのもあるけど一番の理由は機械兵が巨人には勝てないのが理由だと思う。ただしそれが『光輪』装備だと別だけど」

テスラはまるでその『光輪』ってのをまじかで見たように語った。

恐らくこれも古代文字が読め尚且ついとも簡単に推理するテスラの知恵と読破力の高さだと思う。

確かにそこまで知ってると逆に怪しく感じるが、もし仮に敵だとしてもここまで情報を与えるのはおかしすぎる。




「光輪ってのは先も言った通りマナを増幅する装置。その威力については伝承通り邪龍に対抗する力は持っていると伝えられているが真意は不明とされている。だが伝承通りそれがまことなら、邪龍を貫く雷撃と言われてる・・・・・・」





「もし、この先の場所に行くのなら覚悟した方がいいと思う。この先なら確実にそれは、存在する。どれくらいの完成度か分からないが、この遺跡の奥に眠るとされる『光輪』の一つ・・・・・・青く染まるいかずち纏いし天使『雷天ーラミエル』が・・・・・・・」





その後俺達は、長らくの休憩をすました所で、書斎の奥にある扉を抜けると不気味にチカチカと灯る松明の明かりが先に続くだだっ広い廊下を警戒しながら進んだ。

その廊下は今までの地下通路と同じ通りメカメカしさと、その古さゆえの劣化とツタが絡んでいるのを加え周りから聞こえる金属音と何者から監視している重圧感を感じ、一層恐怖が孕んでいた。




俺達は、その不気味な雰囲気が漂いながらも警戒して進みながらも俺は、あの時、テスラが口に発した雷天について気掛かりを持つ。


テスラの話の続きでは、雷天の特徴は、『光輪』の特徴である天使の輪を類似した光の輪を持ち、しかも広範囲で雷撃の力を持つ物であり、この遺跡の奥に眠る宝とこの機械兵の製造者の居所を守る番人のようなものであると・・・・・・




それ以上の情報はテスラやロシェが調べた機械兵に関わる書物を一通り探したのだが結局は見つからなかった。



まあ、それを守る者がなんであれ、俺はただ目の前の敵を倒し宝をいただくけどな・・・・・・・・





「アルマさんアルマさん」チョイチョイ

そんなおり、読破スキルを持つメガネを未だに掛けていたロシェが後ろからこっそりと声を掛ける。





「なんだよロシェ」

「このダンジョンどう思いますか。さっきから奥に進むに連れ、嫌な感じがしないッスか?」

「・・・・・・・確かにオカシイとおもうんだよなぁ。結構この遺跡の奥まで進んだのに、いまだに機械兵どころか魔物の一匹もでないなぁ」

「それもそうですけど、あのテスラって人も気をつけた方がいいッスよ」

「お前まだテスラの事を疑ってんのかよ」



「当り前ッスよ。うちはこう見えて初対面の人間は、三日位立たないといい人間と悪い人間の区別が分からないッスからね」

ロシェはそうスンスンと獣のように鼻を嗅いでいた。

そう言えば、俺とミスティさんがあの集落に来てロシェと初対面に会った時も、あの人を疑るような眼をして怖かった覚えがあるな。あの時俺は、集落の人達により情報を貰えるように、偽りの自分を演じたんだけど、疑い深いロシェは、初日で俺の演じをまんまと見破ったのは嫌な覚えがあるな。

結局はお金を与えて、俺の正体を郊外しないことを条件に手を打ったがそれでもロシェの疑いの深さはいい加減どうにかしたいと思った。





「お前なんでそんなに初対面の人間を疑うんだよ。それでよくガイドの仕事を務めようと思ったな」

「申し訳にけど生まれついて備わった癖はそう簡単に治せないッス。後仕事と癖は関係ないと思うッスけどね」

いやぁ多分関係あると思うぞ・・・・・・








「それに彼女が、うちらの宝を奪うあの盗賊団の一味の可能性があるッスからね」

「盗賊団ってあの時俺が戦った奴等のことか?」

「はい、奴らは恐らくこのアルダー領を拠点に活動しているあの盗賊団の一味もしくは金で雇われた集団といえば正しいッスね」

「へぇこの地域も結構物騒なんだな」

「けど、よくよく考えたら、そう都合よくあの盗賊団の一味がここをうろついているのも都合がよさすぎるッスね。うちったら何を考えてるんだか・・・・・」

ロシェが一息つきテスラから警戒心を解いたその時、俺らの後ろについてくるテスラが突然と駆け上がり・・・・・




「ぐはっ」

ロシェに向かってケリを入れた。

それについて驚きもしたが、その直後・・・・・・





ドコン!!!!!

「ピピピピピピピ・・・・・・」


ロシェが吹き飛ばされる前の位置から突如として機械兵が鉄の壁を突き破り俺達に目を向ける。

それを見たテスラは予想通りの表情をしてその機械兵に向けて槍を構える。





「テスラ・・・・・・・もしかしてロシェを助ける為に・・・・・・」

「そんな事より警戒して・・・・・・・・」



俺が蹴り倒れているロシェの方に向かった直後、今まで出現しなかった機械兵が突如として、蹴破った壁からは広い部屋に繋がっておりそこからわらわらと出現しており、その奥から、銀色に光る眼と光の輪を上空に生えている異様な姿の機械兵が現れる。



その姿は、まるで蜘蛛のように複数の足を生やし、そこから生える砲弾はまるで蜘蛛っというより戦車のような感じがしなにより周囲には青いイナズマで帯びていた。




そして蹴られて、倒れたロシェは周りを確認しながら遅れてその敵の方に目を向けていた。




「あ、あれが『雷天』ッスか?」

「・・・・・・・・・どうやらそのよう・・・・・」

「ああ、これは好都合だな」

俺は、待望のボスキャラの出現を見ると、青い炎を即座に発動させ対抗し、それと同時に『雷天ーラミエル』の機械音に似た雄たけびは地下中から響き渡った。






「ヒュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」

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