金を稼ぐ苦労さ
ギルギス率いる魔族の一団が霧でノルド山を占拠する事件『青い山』事件から三か月が経ち俺とミスティさんは、現在ノルド山から南西方面のアルダー領にあるノックス渓谷にて仕事の依頼の為にそこに向かっている。俺の女になった体は相変わらず爆乳で胸がとても重く白髪は、この三か月で元の茶髪には戻らないが髪の長さは以前のそれと同じ長さに戻っているがそんな話はどうでもいいだろう。
俺達は、今二人だけのギルドを作り騎士団から下されるクエストをこなしながら生計を立てている。
この世界にもギルドは普通にあった。そもそもこの国は『有翼騎士団』によって国内のクエストはすべてこなして行けたが隣国である帝国や他の魔族軍の戦いで人員不足な騎士不足な為に止む無く騎士団が作った『ギルド制度』だ。それは騎士団の監視下でクエストを配布し、国内の治安を安定し問題を縮小させようとした。
それによって騎士団に入ってない非戦闘部隊や怪物狩のハンターの職を職人ギルドとして扱うことにされた。
勿論いろいろ条件があり依頼以外の討伐の禁止は勿論の事依頼者に手を出し報酬の上限を上げさせられる恐喝も禁止だ。それらを破ると騎士団から処罰させられるのだ。
ちなみに中では騎士でしか受けられないクエストもある。それは内部で国家転覆の可能性がある依頼だ。
例を挙げればギルギスがノルド山を占拠する事件がそれにあたる。魔王率いる魔族の一団は王都の平安を妨げる障害なので、まず、小隊を結成させ討伐させるのだ。まあそれは、ミスティさん達が結成した一団と言えば正しいと言えるだろう。ちなみに小隊はただの様子見で、小隊が駄目なら状況によっては止むをえず騎士団のエースが集う大隊を向かわさせなければいけないだろう。まあ要するに小隊部隊はカマセ部隊と思っていいだろう。
後ミスティさんから後から聞いたのだが、あの時民間である俺がギルギス戦に参加したことで騎士団から処罰の対象にさせられたのを耳にした。まあその結果がミスティさんの監視でことを済んだようだ。
今の俺には、神の領域に踏み入れることが最大の目的だがあくまでそれは、現時点では可能かどうかが分からない状態だ。たぶんそれはミスティさんと旅をしている中でその目的は薄れているかもしれない。
俺の目的は、神に復讐することで、もし神かこの場に現れたのなら即座にその中身をぶちまける程の怒りがある。
だけど心の奥底ではこのゲームのような世界で今まで幸運になれなかった分この世界でやりたいことをやって一生を過ごしたい気持ちもただただある。その真意はこの旅の果てに分かるだろう。
俺が後々そんな気持ちが現れたのは、もしかしたら神のお気に入りのミスティさんが共にいるのかそれとも自分自身その復讐を諦めてるのかそれは自分でも分からなかった。
一体俺は何をやればいいんだ?自分の本当の目的が見えない・・・・・・
「アルマ君、どうしたのかな?ボーとして?」
俺が考え事をしてるのをミスティさんが声を掛けてきた。
「もしかして昨日不気味な夢を見たことを考えてのかな?」
「え?どうしてそれが分かったんだ」
「それは、君が今朝からずっとその態度だったから気になるよ」
「ごめん・・・・・・・こんな気持ちになっちゃ駄目だもんな。仕事に集中するか」
俺は、彼女に心配されない為に今は気にしないことにした。俺は、この三か月で神の思惑かミスティさんのことを意識してしまった。別に好きになったわけではない。ただ、今まで一緒にいたのでそれが当たり前になってしまったからだ。
そう考えながら歩むと俺達はすでにノックス渓谷に辿りつき、周囲は砂ぼこりで視界は薄れており、俺の見た範囲では目的の魔物はまだ見かけなかった。
「はあ、はあ、疲れた」
俺は、目的の場所にたどり着くと腰を下ろして休むことにした。目的地までついたのはいいが、この地の環境のせいか以上に熱く感じられ汗が噴き出ていた。
なんせ宿屋から目的の渓谷まで片道二時間だからそりゃ疲れて当然だろう。お金を払って業者に馬車でここまで来る手もあったが昨日酒屋でミスティさんが酔っぱらって店の酒をあらかた飲んでしまったおかげで金欠状態だ。彼女がこんなに酒を飲む体質だった責任ではあるがそれにしても飲み過ぎだと思う。恐らくこの三か月間であまり酒を飲まなかったからそれが一気に爆発されたと思っていいだろう。ミスティさんも随分反省しているから今回の依頼をサクッとこなしてついでにこの近辺に落ちてる金目の物を探したり魔物の素材を手に入れることにしよう。
ちなみに今回の依頼はノックス渓谷に潜んでいる『ロックビースト』の群れを倒す依頼だ。そいつはよくこの渓谷近辺に潜みそこを通過する商人の馬車を襲う報告が見られているようだ。ギルド内では上級クラスの魔物でそこらのギルドでは無理だと聞いてるが俺の『青い炎』にかかれば問題ないだろう。しぁもロックビーストの皮膚は一部商人では高値で売れると言われそいつを倒してその素材を売れば金欠な状況を回避できるはずだ。
「ん~~~~~~どうしたのかな?アルマ君こんなに疲れて」
俺が渓谷前でぜえ、ぜえと声を荒げ水を飲んでいる所にミスティさんに声を掛けられた。
「それはそうだろ。この暑い中何もない砂地に目的地まで歩くから疲れるのは当り前だろ。ミスティさんは疲れないのかよ?」
「私は大丈夫よ。今までこういう環境で仕事をこなしてるから随分と慣れているよ。そう言う君は大丈夫かなへとへとに見えるわ」
「こっちは誰かさんのせいで金欠でここまで歩くことになったんだ。どうしてくれるんだよ」
「もういいじゃない。私も随分と反省したんだからいいじゃない。それに君のそのペンダントは治癒効果があるじゃない」
そう言いながらミスティさんは胸のペンダントに指を示す」
「これは傷をつけた物にたいして治るにあってスタミナは回復しないんだよ」
あ~~~~あなるほど。それはしょうがないか。だったらお姉さんがいい方法が教えてあげるよ」
「なんだよ・・・・」
「それはねお姉さんに甘えたら元気になるよ」
そう言いながらミスティさんはセクシーポーズを決め込んで誘っていた。俺はそれに白ける。
「却下だ。ドサクサに紛れてオッパイ揉むつもりだろ」
「別に減るもんじゃないからいいでしょ。私なんてあんま胸ないから君のをちょっと欲しいわ」
「揉むのはいい。だけど抱き込んで乳首吸うのは、やめて欲しいと言っているんだ」
「別に口づけしてないから問題ないでしょ」
「そういう問題じゃない」
そう、ミスティさんもリュミエールと同等いやそれ以上のレズの質があるようだ。本人は中身は男だから問題ないと言ってるがあいつのテクはいやらしくどう考えても女を快楽に落とし込みそうな技術、どうもノーマルには見えない。俺が泣こうが喚こうがさらに自分の快楽を求める為にさらに攻め込もうとしているのだ。その下らない行動に俺は、呆れていた。
「とにかくアルマ君疲れてるのは分かるけど警戒した方がいいよ。今ここ周囲の岩場に複数の魔物が潜んでいるの分かる」
「いいや」
俺はミスティさんの言う通りの周囲を見渡すが周囲には魔物の一体もいなかった。
「・・・・・・・だろうね。魔物の癖に音を感じさせないよにここまで忍び込んでいたけど、私の眼にはそれを見逃さないよ。ほら岩場の影からそこら中に魔物が沢山といるよ。うざったいから姿を見せてよね」
そう言いながらミスティさんは周囲に術式を展開させる。
どうやら彼女は魔物をここにおびき寄せる術式を展開させたようだ。俺もこの三か月間、魔術については『青い炎』以外は扱えないが術式の紋章は一通り把握している。ミスティさんはその魔術で魔物を強制的に分かり易く姿を現わせるようにおびき寄せたのだ。そして気が付くと岩場や土の中から複数の魔物が現れた。
そして、その中には俺達の今回のターゲットロックビーストの群れが現れた。
報告通りロックビーストの見た目は表面は岩のように纏った狼の魔物で一見人の形をしたゴーレムの獣版に見えるが、こいつの習性はよく土の中に潜み素早い動きで獲物を狙い持ち前の鋭い爪で切り裂くのが特性だ。なので、ミスティさんが魔術で強制的に土の中からおびき出しご丁寧に周囲の土を瞬間凍結させたから地面に潜むのは無理だろう。だがこの暑さだ。この氷結した大地を解かされるのは時間の問題だから早めに決めないとな。
「アルマ君一応周囲にルーンでこの周囲の領域に凍結の術式を展開したから時間宣言は無いけど環境の変化でこっちの身体が異常を起こすから気をつけてね。それとロックビーストだけではなく他の魔物も気をつけてね」
「おう、確かに『インプ』や『コカトリス』の雛や『サボテンナイト』と言った見慣れた魔物がいるが俺達なら大丈夫だろう」
「そうだね。じゃあいくよ」
その合図にミスティさんはこの凍った大地を波打つように音たてながら滑り出しながら持ち前の強化魔術で敵を一撃粉砕した。それと裏腹に俺は後方支援で青い炎で凍った大地やミスティさんを燃やさないように丁寧に発動する。
俺達の陣形は基本魔術特化で近接戦闘が得意なミスティさんを前衛にし、近接攻撃に不向きな『青い炎』を使う俺は後方でミスティさんの援護だ。っというか俺もその気になれば腰に下げてるボロな銅剣を纏わせ攻撃したいのだが前にも言ったがこいつは一度攻撃するとその炎に耐えられなくすぐ崩れてしまうからだ。
崩れるだけで問題ないがその使う銅剣にいちいち金を使うのが無駄になってしまうからだ。
このボロの銅剣は一つ300センズだ。こんなのと市場で売ってるリンゴ三つ分と同じだぞ。一振りでリンゴ三つ分だぞ。勿体無いすぎるだろ。そんなに金が掛かるなら俺は一生広報支援をやるね。
「フン!!」
そう思ってる内にミスティさんは腕力でロックビーストを砕きあらかた敵を片付いている。そりゃそうだ。こっちは地面を凍らしているから魔物の動きが鈍くなってるからな。こんなの弱いものいじめと同じだろう。
そうこう数が減ってる内にロックビーストは学習したか急にこの滑る大地に慣れてその特徴的な爪を使い巧妙に滑り出しミスティさんの攻撃を避けていた。魔物の数はロックビースト5体のみだが、巧妙に素早く躱すロックビーストに近接で攻めるミスティさんは苦労していた。
「なかなか当たらないね。だったら魔術で・・・・・」
「ミスティさん待って。後は俺がやる」
俺はその言葉と同時に周囲の大地を溶け出し青い炎をミスティさんに当たらないように展開しそれを槍に変え打ち込むことにした。それによってロックビーストの数体は降り注ぐ槍の雨にて次々と撃ち抜かれ絶命するのを見えた。
燃え尽きるより撃ち抜いた方がが跡も残り素材を手にしやすいからな。そうした方が生計を立てやすくしなくてはな。
「あははは、流石アルマ君味方ながら無駄にケチっぽいね」
「昨日あんなに酒を飲み干したあんたに言われたくないだろ、それ」
「それよりアルマ君残りの一体が全速力で君を・・・・・」
ミスティさんの言う通り次々と仲間を撃ち抜かれてる中最後のロックビーストが降り注ぐ炎の槍を避け地面に潜みスピードを上げ仲間の敵の為に俺を攻撃しようとした。
「地面に隠れても分かるぞ、狙いは俺なんだろ?来るなら来いよ。返り打ちにしてやる」
俺がそう言いながら威張ると後ろから地面が砕けたような音がした。俺はふと後ろを向いた瞬間ロックビーストがゼロ距離で接近しようとした。
迫りくる牙が襲う時俺は事前に抜いた銅剣に音速の如く炎を纏わせる。
「アルマ君!!」
「フッ」
ミスティさんが俺の名を叫ぶ瞬間俺は横に薙ぎ払った。そしてその後風を斬ったような斬風が聞こえ轟きロックビーストは灰になって砕け散った。
俺は、我にかえると周囲には魔物を殲滅し、ミスティさんも無傷で依頼は完壁にこなした。だが、俺は手の平に掴んだ黒い灰を見て思い出し青ざめる。俺は無我夢中で今最後の獲物と銅剣をおしゃかにしてしまった。この時最後の一体の貴重な素材が無駄になってのを気が付いてしまう。
「やってしまった~~~~~~~~~~~」
そう、思わず叫んでしまった。




